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「うみ」

作者: 古宮 海利

鼓動がする。


本当に鼓動か?


鼓動だと思う。


海の音じゃないのか?


違う。


膿の間違いじゃないか?


それも違う。


じゃあ産みか?


少し違う。


…生みなのか。


分からない。

多分これは「うみ」であってその他のものじゃないと思う。


変なものだな。


そうね。でもこれは私のもの。あなたのものじゃない。だから変では片付けられないの。邪魔しないで。


変だから。気持ち悪い。気持ち悪いのは見たくない。いらない。だから邪魔をする。


やめて!放っておいて!私の大事なものなの。別に貴方に害をなしたわけじゃないのに!


害…?その「うみ」は本当に害をなさないのか?


うん


嘘だ。君自身がそれに苦しめられている。

顔がつらそうだ。得体のしれないものだし、それを持っていることで苦しいなら僕らにもそれが伝染しそうだ。だから壊す。


違う…。それは違う。苦しいのは貴方達の目。これを持つことに苦しみはない。痛みもない。だから壊さないで。


壊す。よこせ。


ダメ。触れないで。


貸せよ!なんでそんなもん大事に持っているんだよ!!!………そうか!お前異常者だな。


え?


そんな変なものを大事にして、壊されそうになったら騒ぐ。お前ははみ出しもの。みんな壊して欲しいと言ってるのに。お前はどうしようもない異常者だ。病気だ。


違う。どこもおかしくない。この「うみ」はみんなにもあるのに…。みんな気づいてないだけ。私の「うみ」はたまたま実体を持っただけなのに。それだけで異常者って言うのはおかしいよ。


おかしくない。突然変異なんてまさに異常だ。異常者ごと排除しよう


嫌だ。嫌だ。なんで?これだけでそんなに言われるの?本当におかしいよ。


おかしくない。……ふーん。そっかお前知らないのか。


何を?


お前は何も分かっていない。この紙を見ろ。


……これがどうしたの?


この紙には普通でなければならないと書いてある。そしてこれは重要事項だ。この世界で生きるための。


…!?


だからお前ごと排除。嫌なら手放せ。


…手放さなかったらどうなるの?排除って?


知らん。ただ排除は排除。俺らの仲間じゃなくなる。1人になるってことだ。嫌なら手放せ。


ひ、1人になるの?


そうだ。お前は1人だ。はぁ。こんなことも知らないなんてお前はやっぱり異常者か?


そ、そんなことは。


どもった。異常者だ。


違う。でもうみは手放したくない


何故だ。ここ言われたのに何故だ。


鼓動がしてる。これは生きてる。生きてるものは手放せない。


…鼓動なんかしない。ただの作り物だ。


違う。鼓動はしてる。貴方が聞く耳を持たないだけ。声無き声を聞こうとしてないだけ。見ようとしてないだけ。


そんなことはない。


ある。よく目を凝らしなさい。耳を傾けなさい。


…!?


見えたでしょう。私以外にも沢山うみを持つものを。鼓動も聞こえるでしょう。


う、うるさい。見えないし、聞こえない。


目を逸らさないで、耳を塞がないで。貴方の中にも「うみ」があることを。


知らない。こんなの知らない。これじゃあ…まるで…。俺も異常者。少数派じゃないか!


違う。異常者でも少数派でもない。全人類が持っているもの。それが「うみ」。「うみ」はみんなの心にある。ただ気づいてないだけ。だから異常だと思ってしまう。


い、嫌だ。こんなよくわからないもの。


わからないものじゃない。貴方が理解しようとしないだけ。


理解…?だってこれはよくわからないものだって教えられてきたし


そんなことない。理解できる。怖いものじゃない。怯えずにしっかり向き合って


しっかり…。

(声がする………。なるほどこういうことだったのか)


誤解してすまなかった。


いえ、いいのよ。よくあることだから。1人でも多くこの「うみ」を理解してもらいたかったし。貴方1人でもこの「うみ」を理解できたら…きっと世界にもだんだん広まって、いつかは自分のアイデンティティとしてみんなに認めてもらえるはず。


そうか。わかった俺も協力する。


本当に!?ありがとう!


いえいえ。


「うみ」。それは貴方の心にもあるもの。あなたはこの「うみ」を何と当て嵌めますか?解釈は自由です。貴方の中にも必ず「うみ」はあります。見方を変えれば普通は普通じゃなくなり、普通じゃないものは普通になります。どんなものでもそういえます。一人一人の理解によって、現実はより良いものに、そして幸せが増えていくのです。

今貴方は、何かしらの差別はしてきませんか?

読みづらかったと思います。テーマは「差別」

これ以上いうと読んだ人の想像を邪魔するので言えません。一度立ち止まってどこか差別してないかとかを考える時間が現代にはあっていいのかもしれません。

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