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勇者達の翌朝(新書)・1〜旅立ち編〜  作者: L・ラズライト
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新書「融合の終わり」

28年の歳月を経て、守護者が目覚めます。

旧書では、守護者には名前がありませんでしたが、新書では「ラズライト」(青金石(せいきんせき、lazurite。ラピスラズリの主成分。)を名乗ります。


※作者ハンドルは、Lazulite(天藍石)です。


0「融合の終わり」


暗いのか明るいのか、秩序なのか混沌なのかわからなかった。

「こうして、さし向かいだと、おかしな気分だけど」

ホプラスは微笑んでいた。

「貴方には、きちんとお礼を言いたかった。」

俺は驚いた。お礼どころか、彼の若すぎる死の原因は、俺にあると言ってもいい。恨まれこそすれ、礼なんて。

「俺と一緒に、できるかぎり、ルーミの側にいてくれたでしょう。彼が寂しくないように。」

「こら、子供扱いするなよ」

別の気配が、俺たちの側にあった。ああ、ルーミだ。

「でも、俺からも言わせてもらうよ。ありがとう。ホプラスだけだったら、あんなにうまくはやってのけられなかった。」

二人は、少し笑った。笑う気配を感じとった。

笑い声は二人ではなかった。ディニィ、エスカー、キーリ。二人にとって、そして俺にとっても大切な仲間たち。

だが、そこには三人足りなかった。ラール、ユッシ、サヤン。彼等の気配だけはない。

「彼等はまだ、その時じゃないんです。」

エスカーが少し残念そうに言った。ああ、そういうことか。

「名残りおしいけど、そろそろ行かないと、行けません。あなたは、やっぱり、一緒にいけないのですね?」

ディニィの柔らかな気配が俺に触れた。そのとおりだった。俺は、お前達と同じところにはいけない。

「寂しいけど、仕方ないですね。僕達と違い、貴方には、まだ役割がある。」

静かなキーリの声が、頭に響いた。彼等の気配が遠ざかる。

「あの人達をよろしく」

「あの子達を頼みます」

「ありがとう」

「いつか、また…」

俺は彼等を引き留めたのだろうか。遠い光の中に吸い込まれる気配。

闇が広がる、それも一瞬、

「やった、成功よ」

かんだかい連絡者の声と共に、俺は光の中にいた。


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