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魔法の世界で妖怪退治  作者: 黒上焔
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第1章・2話・魔法について

─くそ最悪だ、頭が痛い。


家業のおかげか、明は人よりも身体能力が高いが、あの場で良ければクラスで悪目立ちしてしまうと思いその場で動かなかった。

ニタニタとこちらを見ながら笑ってくるこの教師に一発喰らわせる想像をしながら魔法学についての説明を聞いていた。


「魔法は生まれもっての血筋によって全てを決められている、魔法属性や魔力量なんかな、まぁごく稀に突然変異で特別な魔法に目覚めたりしたりもするが」


タンタンとチョークで魔法についての説明の図式を叩きながら玉草は長い髪をかきあげた。

無駄にイケメンすぎる、小学生でも分かるような事を説明してくる玉草に苛立ちの視線を向けるとこちらを指差してきた。


──とても嫌な予感がする、そしてその予感が的中してしまった。


「余裕そうだな?荒屋?なら魔法の属性について説明してみろ、ほらこっちに来い」


その言葉を合図にクラス中の視線が明を移した。

明は先程の軽率な行動を恨みつつ、教壇に立った。


「あーえっと魔法の属性は四代元素、水、風、火、土の四つ、それからこの四つから派生している属性があります、稀に二つ以上の魔法属性を持つ者もいますが、基本的に一人一つの属性を生まれつき有しています」

「そうだな、でつけたすとこの四代元素の火、水、風、土にはそれぞれ四大聖霊と呼ばれる、火にはサラマンダー、水にはウンディーネ、風にはシルフ、土にはノームがいてだな、普通の聖霊よりも力が強い」

「先生」


玉草の追加の説明の後に一人の生徒が挙手をした。挙手をしたのはクラスの人気者の緑花翡翠(りょくかひすい)だった、緑色の綺麗な長い髪と花の紋様が浮かび上がっている不思議な翡翠の色をした瞳を持つ、貴族のお嬢様だ。


「なんた?緑花」

「魔法にはその他にも闇や光りもありますよね?」

「あーそうだな、確かにある、でもあれはな特別な儀式によってしか得られない代物だ、ただでさえ成績が悪いお前らが気にすることじゃない」

「私は成績の良し悪しではなく、命を狙われているからここにいるんです」

「あ~そうだったなお嬢様っと、あっ荒屋は席に戻っていいぞ」

「はい」


明がいるクラスは表向き成績が悪い人達が集められているとされているが、緑花や明のように何らかの事情があってここにいる者が大半で、本当に成績の悪いものは半分もいない。


「まっ、実力がなければこいつらから教わればいい、このクラスはそのためにも存在してるんだからな、じゃ授業はこれでおしまいだ、さっさと帰れよ~」


緑花は玉草の態度に腹が立ったのかぷんすこ怒りながら取り巻きの人達と足早に教室から出てしまった。

明も帰ろうとドアに手をかけると後ろから肩に手をおかれた。


「荒屋君~♡一緒に帰ろう♡」

「─お断りします、じゃ」

「あっ♡まって~♡」


ハートを飛ばしながらくねくねと、明にすり寄ってきたのは赤羽紅玉(あかばねこうぎょく)真っ赤な髪をツインテールにしいて、瞳に輪が浮かんでいる男の娘だ、いつも何かにつけて明を追い掛けてくるのだが隙をついて逃げている。

赤羽から逃げ切って家に帰ってくると札を取り出し呪文を唱えた。


「光の化身よ我が身に宿り闇を祓う力を!」


札が光り、その光を浴びると着ていた服があっというまに変化し、仕事着へと変わっていった。

そして目の前にある鏡に目を向けると、そこにはおぞましい姿をして妖怪が写っていた。

明は鏡に手を伸ばすとその鏡の中へと入り込んでいった。


『妖怪はね闇の魔法に失敗したあやかしのなれの果てさ、そしてその妖怪を祓うのが光の魔法に唯一成功した一族である荒屋家の人間なんだ』

「主様?」

『さぁみてごらん、もうすぐその一族、唯一の生き残りがやってくる、よく見ておくんだよ、彼が私達の絶対的な敵なのだがら、そして君が倒すべき宿敵なのだから』

「はい、主様」


幼げな少女の頭を撫でながら、綺麗な髪の青年はおぞましい妖怪を眺めながら笑みを浮かべた。

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