報告
鐘がなって少し時間が経つとシリウスとエドガーがやってきてジークは起こされた。
「殿下起きてください」
「ありがとう。はぁ〜眠い」
「殿下では着替えをしましょう」
シリウスに着替えを手伝ってもらうのと同時にエドガーは移ったばかりの部屋の整理をしていた。
着替えが終わると、ヴァイスを部屋に置いてシリウスとエドガーと一緒に城の中にある食堂にもう家族が揃っていると言うので少し急いで食堂へ向かった。
食堂の扉の前に立った。この奥にいる家族のことをやステータスのことを思うと心臓の脈が次第に早くなり、口から心臓が出そうで胃がキリキリと痛くなっていた。シリウスがノックをして「ジークフリート殿下です」と言いうと中から扉が開けられた。
中には大きいテーブルに四人が椅子に座っていた。二人はいつ見てもお似合いのお父様とお母様がいた。もう二人は魔素のおかげなのか父上の両親は少し若く見えた。女性の方は父上の顔にそっくりだったのだが問題は男性の方は先程みた創造神の顔を若くして凄く厳しそうな顔をしていて、思わず小さい声で呟いて一歩下がってしまった。
「そ、創造神様!」
部屋の中にいた父上が首を傾げていた。
すぐ後ろにいるシリウスに「殿下?」と言われてすぐに我に戻り、遅れて来たことに対して謝罪した。
「遅れてしまいすみません」
「まあ良い、座りなさい」
そう父上に言われてジークは母上のとなりに座った。
正面には創造神と間違えたお祖父様がいて緊張していたらお母様が「お義父様は顔は少し怖いけど優しい人よ」と耳元で言ってくれたので少し緊張が和らいできた。
メイドや執事が食事の準備をし終わった頃に父上が声をかけてきた。
「まずはジークは私の父や母に会うのは初めてだろ?だからまずは自己紹介をしようか」
父上の問いに対し頷いた。自己紹介は身分が上のものからすることになっているため父上が最初に自己紹介を始めた。
「我の名はアルフレッド・ルーダウスだ。知ってると思うが国王でジークの父親だ。」
次はライトブルー髪の毛に緑と青のオッドアイの母上だ。いつもその目に見つめられるとドキドキするくらいの美人なのだ。
「私の名前はマーガレット・ルーダウスです。
アルフレッド様の妻でジークの母親です」
次に挨拶をするのはお祖父様だった。髪の色は父上と同じ色で髪はシルバーで目は透き通るような青色だった。年齢は六十代らしいがそれを感じさせないような若々しさがあり見た目は筋肉が服の上からでもわかるほどに鍛えられていたので今でも体を鍛えているからなのだろうとすぐにわかった。
「我が名はカエサル・ルーダウスだ。アルフレッドの父でお前の祖父だ。あと顔が怖くて悪かったな」
少し不機嫌な顔をしながら楽しそうにしているのだが、ジークは全くそんなことは知らないためすごく不機嫌そうな表情に見えてしまった。
(怖いなんていってませんよ。それより地獄耳ですか?)
次に挨拶をするのはお祖母様で髪の色は赤っぽいブラウンで目の色は橙色で年齢はお祖父様の二つ下らしい。
「あらあらそんなに孫に怖い顔してどうするの?こんなに可愛いのに。私の名前はノエル・ルーダウス。アルフレッドの母であなたの祖母ですからね何か困ったことがあったらいいなさい。」
優しい笑顔で笑いかけてくれたので少し動きが楽になった。
「僕はジークフリート・ルーダウスです。これからはご迷惑をお掛けしますがよ、よろしくお願いします。」
「よし。自己紹介も終わったことだしご飯が冷めてしまうから食べようか」
父上の言葉で食事を開始する。ジークはいつも通りシリウスに給仕をしてもらい食事をして今までの五年間の間のことなどをお祖父様やお祖母様と話していた。昼食が終わるとメイドに紅茶を淹れてもらい今日の事について父上に聞かれた。
「今日、洗礼式が終わってすぐに倒れたと聞いたがどうしたのだ?」
「ここ最近が忙しかったからだと思います」
笑顔で答えたがお祖父様にじっとこちらを見つめていたので少し顔が引きつってしまったかもしれない。
「‥…そうか」
少し沈黙が訪れ緊張しているのか喉がすごく乾いて紅茶を一飲みするとステータスについて聞かれた。
「それでスキルはどうだったのだ?見せてくれ」
バレないように一回深呼吸をして返事をした。
「はい」
魔素を込めて家族に見せた。
【名前】ジークフリート・ルーダウス
【固有スキル】
結界魔術
魔眼
【一族固有スキル】
心眼
【称号】
ルーダウス王国第一王子
一番最初に口を開いたのはお祖父様だった。
「ほぉ、ジークは結界魔術を使えるのか儂も使えるから剣術と結界魔術はわしが直々に教えてやろう」
お祖父様から凄むように言われてしまったので断ることができずに「よ、よろしくお願いします」と言った。
「うむ、よしよし」
なぜか一人で納得していた。
「もうあなたったら子供じゃないんだから」
と苦笑いしながらお祖母様が苦笑いしていた
父上と母上が少し驚いた顔で
「ジークは剣術と魔術の両方の才能があらと聞いていたが、魔術のスキルもあるのか。父上は少し厳しいが、これからも精進するように」
「はい!。これからも頑張っていきます‼︎」
父上がその答えに満足したようにまんべん満面の笑みで頷いた。少し真面目な顔になると語り出した。
「そういえば毎年五歳になった貴族がなぜ集まるのか本当の理由を知っているか?」
その言葉にすぐにお祖父様が反応した
「アルフレッドよまだジークには早いのではないか?」
「ジークにはもう話してもいいと思います。それに何もなければジークに王座を渡すつもりですから」
「まあ、そうかなら良いか」
「ジークは知っているか?」
ジークは知っているが前に住んでいた城の近くの家にそのようなことを書かれた本は無いしそれを人から聞いたこともなかったのだ
「…‥いいえ。知りません」
と答えると父上とお祖父様が少し眉をひそめた気がした。
「そ、そうか」
(どこか不自然なところがあったか?そんなはずはないと思うけど。知らないうちに顔に出ているのかもしれない)
そう思い気合を入れ直していた。
父上が答えもう一つ問いかけて来た
「スキルはこれだけか?」
ジークは確信を突かれたが顔の表情を一つも変えることなく答えたつもりだ。背中にひやりとしたものが通ったり、心臓の鼓動が聞こえてしまうのではないかと思ってしまうようなほどに動揺していた。
「ええ、隠したところで僕にはいいことがないと思います」
すぐに父上が返答をして来た
「そうか。今日はもう疲れただろう?夕方には同い年の子供が集まるお披露目があるから、少しでも休んでおきなさい」
「そうさせていただきます」
そう答えるとシリウスが椅子を引いてくれたのでそのまま立って挨拶をして退室をする
「ではお先に失礼いたします」
シリウスとエドガーと一緒に自室に戻り少し休むことをシリウスに伝え寝室へ向かい緊張の糸が解けたのかベットにそのまま倒れ込んだ。