イヴァンの能力1
僕が目を覚ますと知らない天井だったので部屋が変わったのか、など意識を失う前に起きた出来事などについて考えているとエドガーが何か言ってきたのだが全く反応できないままだったのだが、急いで扉を開けて出ていってしまった。
ベットの上で体を起こし俯いていると
シリウスが心配そうに顔をのぞいて来た。
「殿下ご気分はどうですか?」
「僕はどのくらい寝ていたのですか?」
「鐘が一回なので二時間くらいでしょう」
この国は二時間ずつ鐘がならされるその理由貴族は時計を持っているが、平民で時計を持っている人は少ないため、鳴らされていた。
そのような話をしている間にエドガーが帰ってきてその後ろに父上と母上が居たのだ。
母上が少し駆け足でやって来た。
「ジーク心配しましたよ!」
父上も遅れてこちらにきたのでベットから降りて立ち上がろうとしたがうまく立ち上がれなくて母上に抱き寄せられた。
「ジーク大丈夫か!無理はしなくていいからもう少しベットで休んでいなさい」
「すみません。心配をかけてしまいました」
「まあ色々話したいことはあるが話はあとだ今は休みなさいまた後で来る」
「ジークまた後でね」
父上と母上が部屋から出て行ってすぐにベットに倒れこんだ。
「あと鐘一つ分は休んでいてください。そのうちに出来る用意はいたしますので」
と言うとシリウスがエドガーとヴァイスに指示を出していた。
「ありがとうシリウス、それじゃあお言葉に甘えさせてもらうよ」
天井を眺めていたのだがいつのまにか眠ってしまった。
鐘がなる前に起きて部屋を見回すと誰もいなかった。
すぐ近くの机の上には教会で見た水晶が置いてあった。本人が魔素を流さない限り表面には文字が浮き上がって来ないのでそこには何も写ってはいない。水晶と言っても誰のでも指輪にされるくらいの大きさだ。
誰もいないようなのでその水晶を机の上からベットの上に持って行き自分の固有のスキルの二つについて本で調べてみるとするといきなり頭に情報が流し込まれた。
世界の記憶
この能力はこの世界で起こった色々な事柄を全て記した記憶である。魔法、武術、歴史、などもすべて記してあるが、亡くなった人の記憶を集めているため、今現在生きている人の考えはわからない。魔素は必要ない。
魔術の王
創造魔術、空間魔術、操作魔術、結界魔術、精神魔術が使えるようになる。
精神魔術だけ気になって世界の記憶で早速調べてみたらこう記してあった.
精神魔術は百五十年前にルーダウス王国の貴族の一人がこの固有のスキルを使ったことで、王国の三分の一の人口が減ってしまったとされているが実はーーーーーーーなのだがーーーーーーとされるためこの能力を持つ者は危険人物とされ王国の管理下に置から常に監視されている。
国に対し裏切りだと思われる場合は最悪の場合その場で処刑される。
これまでに七人いたとされるがその全員が殺された。
この文章が頭の中に入ってきたときには自分もそうなってしまうのではないかと思って一気に血の気が引いてしまった。
そのため一部を理解することができなかった。
水晶は隠したいところは意図的に隠せる。そのため死にたくないので、色々と細かい調整をして固有スキルの世界の記憶や魔術の王と称号の神々の寵愛も世界の記憶を隠したそして結界魔法だけ表示するようした。
この国では国王陛下に五歳の誕生日を報告すると同時に子供には知らされてはいないがスキルの報告をすると言う大事な役目もあった。これは家族の義務である。
そのために開かれるのが今日のお披露目である。
これも世界の記憶の情報である。固有のスキルを発動させるためには魔素は必要ないこともわかった。
国王陛下に対してスキルを隠蔽するのは重罪である。
その理由は有事の際にそのスキルを元にして配置をするため一人でも多くの犠牲を出さないためにと当時の国王と貴族が満場一致で決まった国のかなり重要な法律であった。
そのために今夜のお披露目では国王陛下に水晶を直接見せることはないが、紙に書いて提出するのである。
しかし、ジークの場合には自分の父親が国王なので直接水晶を見せなければ行けないのだ。
スキルの一部を隠すのが終わると同時に鐘がなったためすぐに水晶を机の上に戻して寝たふりを始めた。