基礎
父上に頼んでから三日後軽い木で作られた木剣が届いて僕はすごくワクワクしていた。
人生で初めて剣を握るのだから。
思っていたよりも重かったが頑張って握って元気よく挨拶をした。
「エドガーこれからよろしく!」
それを見て微笑みながらエドガーが答えた。
「それではまず剣の型を覚えていただくので私の真似をしていただければと思います」
「うん!」
エドガーに剣の型を習い始めてから三日後すでに両手剣の基本の型は覚えてしまったが、まだまだ体ができていないために型が甘く、体力が続かないために1日にそれほど多く練習もできなかった。
「まだまだ甘いところはありますが、後は筋力と体力がついてからですね」と言われ毎日素振りするように言われていたため今日も素振りをしていた所に、父上がやって来た。
皆が父上に向かって右手を左胸に置いて礼をした。
これはこの国での敬礼である。
僕は嬉しくてお父様へと走って近づいて皆と同じように敬礼をした。
「お父様がこんな昼間に来るのは初めてではありませんか?」
父上が苦笑いしながらやってきた
「すまないなジーク。お前が剣を振っているところを少しでもみたいと思って来たのだ」
と頭を撫でながら言われて少し照れてしまった。
親からすればジークフリートは少し大人びているのでそのような姿が観れて嬉しくて本題を忘れてしまいそうだった。
「その木剣は重くないか?」
ジークフリートは少し考えたあと答えた。
「少し剣身は長くて重いですが、大丈夫です」
父上が嬉しそうに笑っていた。いつ見ても父上の顔は家族でも言うのもおかしいけど王族特有の白髪で緑色の目をしているのを抜いてもとてもかっこいいのだ。
「そうかそうか、それなら良かった。まあ頑張りなさい」
そのあと少し話した、後ろにいたまだ名前を知らないエドガーと似た赤色の髪をした鎧をつけた人が父上に声をかけていた。
「陛下そろそろお時間です。」
「わかった。すまんジークそろそろ行かなくてはならない」
「いえいえ、わざわざ昼間に来てくださりありがとうございました」
まだ少し堅苦しい言葉には慣れないが言ってみると父上が微笑んでくれたので嬉しかった。
「じゃあ、エドガーよジークにこれからも色々教えてやってくれ」
「はっ!」
父上が帰ったあと庭で老執事のシリウスにお茶を入れてもらって昼食を食べて少し腹を休めたあと、剣術以外の武術も習い始めたが三歳のためやはり動きがあまり良くなかった腕のリーチの長さもその要因だ。
「殿下は魔素の扱い方は知っていますか?」
「わからない。魔術に関する本については全くと言っていいほどないから、魔素については体に流れてるという所しか知らないんだ」
「では、陛下に武術や剣術をするために魔素を体に循環させるための魔術の基本のに関する本をお借りしてはどうでしょうか?」
「エドガーありがとう。お父様にそう提案してみるよ‼︎」
「いえお役に立てたのなら嬉しい限りです」
その夜に夕食をとってから訪ねて来たお父様にその話をしました。