初代皇帝ライネル率いるエルタニアは三百年に渡る長き戦いを制し東大陸全土を自国の領土とする巨大帝国を築き上げた。これにより動乱の世は終わりを告げ、泰平の世が訪れた。しかし、皇帝ライネルが八十を過ぎ、自分の死期を悟りだすと、皇帝ライネルは不老不死の霊薬を求め当時の宮中魔術師の占いに従い南大陸への大侵攻を開始した。しかし、戦いは熾烈を極めエルタニアは再び混沌の世へと堕ちる。だが、その戦いの最中、戦争で国が疲弊していく姿を見兼ねた王子のハインケルによって殺害され、新皇帝となったハインケルは大侵攻に歯止めをかけた。以来エルタニアは他の国との貿易を一切行わず、鎖国状態に入った。
エルタニア北西部マルバッハ郊外
「オイッ!そこの兄ーちゃん。ちょと待てや」
チャラチャラとアクセサリーを身に着けた男がローブを着た男の肩を掴む。
「なんですか?」
「なんですか?じゃねーだろーが!お前これ!見ろ!」
チャラ男はチャラチャラしたTシャツのチャラチャラした肩の部分をチャラチャラと見せる。
「その服がどうかしたんですか?」
「テメーの目は節穴か!ここ!ホコリついてんだろーが!」
チャラ男はチャラチャラした態度でホコリをつまむ。
「そうですか…それがどうしたんですか?」
「そうですか…じゃねーだろーが!お前だろ!このホコリつけたの、弁償しろや!」
「えぇ…」
「金持ってんだったらさっさと出せよ!まぁ出せなかったらコイツでディクシだけどな」
チャラ男がチャラチャラした上着のポケットからチャラチャラしたナイフを取り出した。
「いくらぐらいでしょうか?」
「三百億年万円だよ!」
「えぇ…」
退路を断たれたローブ男は頭を抱えて崩れ落ちる。
「持ってんのか!持ってないのか!さっさと答えろやゴルァァァ!」
チャラ男はローブ男の首筋にチャラナイフをチャラチャラと突きつける。
万事休す!どうなるローブ男!
二週間に一回投稿していこうと思っています。