カラオケとそれから得る教訓と
投稿が遅れてしまい申し訳ございません。最近忙しくあまり時間がとれませんでした。m(_ _)m
前回に引き続き『わがままお嬢様と怠惰な俺と』の4話になります。是非ご感想、注意点等教えていただけると幸いです。
カラオケ、それはリア充や友達のいる人間の行く所であり、特にそんな友達がいるわけでもない俺は正直行ったことが無い…いや無かった。
「一貴、次あんたの番よ!」と言うとマイクを渡してくる。そう。俺は今、神埼、美憂の2人とカラオケに来ている。 曲が流れ始める。カラオケ初体験の俺は何を歌ったら良いのか分からなかったので無難に最近話題のドラマの主題歌を歌うことにした。
と言ってもうろ覚えということもありお世辞にも上手いとは言えない。(まぁ実際のところただ下手なだけなんだが)
そんな風でも美憂は拍手を送ってくれた。こいつは何気に歌が上手い。それに上手いからと言って妙に上から目線にもなったりしない。
だか、もう一人の何気に上手い奴はそうはいかないらしい。
「一貴、あんた下手くそね~」
「うるせぇ!カラオケ初めてなんだよ!」
ニヤニヤしながら煽る神埼に言い返しながら俺は自分の歌の下手さに恥ずかしくなって頼んだジュースを飲み干す。
そもそも、なぜ俺たちがカラオケに行くことになったかというと、それはいつも通り文芸部で3人が各々自分のことをしている時だった。
「ねぇ美憂。あなたカラオケって行ったことかある?」
本を読みながら美憂に訊ねる。
「うん。時々クラスのお友達と行くことがあるかな。それがどうかしたの?」
宿題をしていた手を止めて美憂が答える。
「まぁ、ちょっと気になってね。一貴、あんたは?」
ゆっくり本を読んでいる俺に神埼が訊いてくる。正直行ったことがないが高校生にもなってカラオケに行ったことがないというのはなんだか恥ずかしくて言えない。
「……」
「ねぇ、なんか言いなさいよ!あるの?ないの?」
「ねぇよ!」
「えぇ!あんた無いの? ……ふーんそっか」
と言いそのまま腕を組ながら考える。そして、何かを思い付いたのか口を開く。
「ねぇ、じゃあこれからカラオケ行きましょうよ。3人で。」
「うん。私は良いけど、かずくんはどうする?」
カラオケに行くことを了承した美憂が訊いてくる。
「いや、俺はパスかな。2人で行ってきてくれ。」
興味がないと言えば嘘になるが、さえもこのメンツで行くことはない。しかも、人前で歌うとか絶対嫌だ。
「そっかーじゃあ2人で行こうか神埼さん。」
そうそう。二人で楽しんできてくれ。あぁ久しぶりの1人の文芸部になる。そう思うと喜びが顔に表れそうになるのでぐっと我慢する。
1人で何をしようか。そんなことを考えていると
「一貴、あんたも来なさいよ。人数多い方が楽しいじゃない」
「嫌だよ。なんで俺が行かなきゃいけないんだよ」
そう。ここは譲れない。久しぶりの天国を邪魔されるわけにはいかない。こいつが入部し、美憂までもが入部してきて俺の天国は消え去った。うるさい時は本気でうるさいが、基本的には静かな事が多い。しかし、1人きりというのと、静かだかそこに誰かがいるのとでは全然違う。例えるなら、トイレの個室に入るとその後誰かがトイレの中に入ってくるあの落ち着かない感じだ。ちょいちょいストレスも溜まる。そんな風に思っていると神埼が顔を近づけ耳元で喋る。
「行かないならあんたに変なことされそうになったってクラスの人に言いふらすわよ」
そんな脅しをかけてきた。
「はっ、そんなの誰が信じるかよ。俺がキッパリ否定してしまえば良いだけだろ。」
「友達0人のあんたと私の言葉どっちを周りが信じるか試してみる?」
その一言で俺はカラオケに行くことになった。
友達の人数を持ち出すのは反則だろ。
そして、今に至る。俺は歌い終わり、神埼にマイクを渡す。
そして、神埼が待ってましたと言わんばかりに曲を入れると音楽が流れ始める。さっき何気に上手いと言ったがあれは嘘だ。悔しいがこいつ、めちゃくちゃ歌が上手い。美憂の歌を聴いてそれでも上手いと思ったがこいつはそれの上をいく。 このクソぶっ壊れスペックめ。
カラオケなんてただの娯楽で恥ずかしい以外はなんとも思ってなかったが、少し悔しい感じもする。俺がちょっとした敗北感に打ちのめされていると、表情から俺の考えを覚ったのか神埼が歌っている最中にも関わらず顔をニヤつかせている。このクソアマ
次誰かとカラオケに行くときまでにもう少し上手くなろう。そんなことを考えながら俺の初カラオケは終わった。
今後とも投稿のペースは不定期ですが何卒よろしくお願いします。