天然幼なじみと無力な俺と
「わがままお嬢様と怠惰な俺と」の2話になります。前回も書かせていただいた通り、見苦しい点が多々あるかと思いますが、是非ご感想や注意点、アドバイスをして頂けると幸いです。
先日、神埼レイナの入部というイレギュラーは有ったものの、文芸部というのは基本的にはすることが無い。しかし、本を読んだり、自作の小説を書いたりはするので全く無いというわけではないから、[することが無い]とはっきり断言はできない。ここまでだらだらと語ったが要するに暇なのだ。
「一貴暇なんだけど!文芸部って何かすること無いの?」と神埼がこの状況にしびれを切らしたのか聞いてくる。しかし、文芸部なんて所詮することなんて本を読むかくらいしかない。(こいつは小説とか書けそうにないからな)
「ねぇ、ひまひまひま~!」とついには暴れ始めた。(てか、こいつ今まで相当猫被ってやがったな)
しかし、こんな悠長にも考えられなくなってきた。こともあろうか暴れ始めた。(子供か!)こいつは身体能力のスペックが高い分ちょっと暴れるだけでも古い文芸部の椅子やら机やらはギシギシと音をたてている。
「お、おい、これ以上は色々壊れるからじっとしてろ!」俺は神埼を止めようと椅子から立ち上がった。俺は暴れている神埼の両手を掴み後ろに回ってなんとか止めた。後ろから見える首筋はとても綺麗で不覚にもドキッとした。そして、そこで気づく。(ん?なんか良い匂いがする。こう、何て言うか女の子独特の香りっていうか、けど、この状況なんかまずいな)当事者である俺と神埼は事の成り行きを知っているがはたからみるとまるで俺が嫌がっている女の子の両手を後ろから押さえているようにしか見えない。そんなことを思っていると部室のドアが開く。
「かずくーん、部活終わった~?今日は一緒にかえろ……え!?」
ドアを開けた先にはこの状況をなんとか理解しようしているがどうやったらそうなるとばかりに驚いて時々顔を赤くして目をキョロキョロしたりを繰り返す俺の幼なじみ代元美憂がいた。
「か、かずくん?な、なんで、お、女の人を後ろから両手で掴んでいるの!?そして、この後何をするつもりだったの!?」とアタフタしながらも聞いてくる。(あ~やっぱりこの状況みたらそうなるよな~)誤解する美憂に訳を話そうと口を開こうとした瞬間
「キャー助けてー襲われるー!」と神埼が声をあげた。
「な、ちょ、お前、何言ってんだよ!!美憂が誤解するだろうが!!」
しかし、神埼は声をあげるのを止めない。そして急にこっちを向いたと思うと口元をニヤっとさせた。
(こ、こいつまさかおさえられた腹いせに)
「そこの人ー助けてー!」と神埼が美憂に助けを求めたので先に訳を話そうと美憂を見ると…鬼!?と言わんばかりの顔をした俺の幼なじみが立っていた
「み、美憂さん?これには訳が…」
「かずくん?正座」 「いや、だから話を…」
「正座」
俺はもう何も言わず正座した。人は絶対的なものに対して無力なんだなぁと痛感した。
ここまて読んでくださった方本当にありがとうございます。まだまだ至らぬ点がございますがこれからも「わがままお嬢様と怠惰な俺と」をよろしくお願いします。