第1回 restart
エミルが死んで、俺はフェンリルさんに俺の命をエミルに渡すか、寿命を40年減らすか、エミルがこの世界に来る日に戻るのか選択しろと言われ、俺はエミルとまた暮らしたいと思いエミルが来る日に戻ることにした。
「あれ...俺は何でここにいるんだ」
キドは自分の部屋で起きるとエミルが居た部屋に向かった。
「誰も居ないよな...てか選択を迫られた時はやはり迷うもんだな」
俺はとりあえずリビングに向かい、いつも通り朝食を済ませると、制服に着替え始めた。
「あの時はエミルと学校行ってたよな」
俺はエミルとの生活を思い出し、涙が出てきた。
「でもまた会えるんだ!泣くな俺!」
エミルとはまた会えるんだ、そしてまた暮らせるんだと思うと自分の死は無駄ではない。
「行ってきます」
俺は遅刻を避けるため早めに登校する事にした。
改めて紹介しよう俺の名は山吹キド、至って普通の高校生だ。
「今日は寒いなぁ...」
エミルと出会ったのは半年前だろうか?エミルは倉庫に倒れていて俺が助けたという感じだった。
「何作ってあげようかなご飯」
助けた後に飯を出した覚えがあるのだが、何を出したのかは忘れていた。
いつも通りの学校生活を送り、俺は家に帰ると7時になるまで待っていた。
「やっとエミルと会えるんだ!!」
俺は心の中でその言葉をリピートしていると倉庫から物が落ちた音がした。
「来た来た!」と言って大急ぎで倉庫に向かうとドアを開けてエミルが出てきた。
「ここは...ん?キド?」
・・・え?なんで俺の事を?
「俺の事を覚えてるのか?」
「うん、フェンリルに時間戻されてさなんか転送された日に記憶だけ残されて...まあそこからは分かるよね?」
エミルは服についた汚れを手で落とすと、長い髪を結び始めた。
「キド?どうしたの?」
俺はエミルの記憶が残されてたのは驚いたが、出会えて本当に嬉しかった。
「エミル!本当に良かった...また会えたな」
俺は嬉しさのあまりエミルの手を握ると、エミルは俺の目から溢れ出す涙を拭いてくれた。
「またここで暮らそうねキド」
俺は涙が止まらなかった、俺のせいで死んだエミルは何も無かったように接してくれて、しかも溢れ出す涙を拭いてくれた、俺はあの失敗を土台にしてエミルを何が何でも守ると決心した。
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エミルがこの世界に来た時、まずはミートソーススパゲティを食べさせたので前と同じようにミートソーススパゲティを出した。
「いただきます...うん、美味いよキド」
俺はその感想で幸せな気分になれたのでもうこれで死ねる...と思い倒れた。
「キド!?どうした!!」
エミルが近づいて俺を起こそうとしたので起きようとしたのだが、体が動かない。
「金縛り?いや...違う」
この感じはあの日の放課後の痛みだ。
「くそ...また、死ぬのか...?」
エミルを残して逝けない、エミルは一人にしてはいけない。
「くっそがぁぁぁぁぁぁ!!」
俺は大声で叫ぶが動きそうにない、俺は諦めて死のうと思った時...
「えっ?ちょっ...んぐ!?」
エミルが俺にキスをしてきた、何故かは知らないが急に力が湧いてきて俺は体を無理矢理動かした。
「おお!動いたぞ!あの痛みはもう無いな...一応フェンリルさんの所に行こうか」
エミルが止めてきたが俺は「大丈夫だ安心しろ」と言って出掛けた。
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「アクア〜居るか?」
俺は家の前で叫ぶと髪が濡れたアクアが出てきた。俺は「フェンリルさんを呼んでくれ」と言った。
玄関に立っていた俺は急に寒気がした。
「フェンリルさんって冬の神なんだよな」
フェンリルさんはアルフレッドとアクアの親でもあり、冬の神とも呼ばれていた人で、氷魔法を得意とする人だ。
「あなたがキドくん?ほら、上がって」
フェンリルさんは優しい方で接しやすくてお姉ちゃんっぽい存在だ。
「あ〜体の異常を調べて欲しいんですが」
「OK!ここに寝転がって」
言われた通りに寝転がるとフェンリルさんは俺の腹に手を突っ込んだ。
「なっなに!?」
「これがキドくんを苦しめていた病気よ」
フェンリルさんの手には黒い炎がメラメラと燃えていた。
「凍れ、そしてこの世界から消え去れ」
フェンリルが持っていた黒い炎は凍り、そして砕け散った。
「これでOK!まあ今日は安静にしてなさい」
俺は帰ろうとするとエミルが家の中に入ってきた。
「あ、こいつは同居人のエミルと言うんだよ、ほらエミル挨拶は?」
エミルは「宜しくお願いします」と言うと、フェンリルに家に泊まれと言われたので俺達は泊まることにした




