第一色【白と黒】
世界は色に満ち溢れている。
空や海は、青く。
草木は、緑に染まり。
炎は、赤く燃えている。
【世界は色、色は世界】
僕は思う、そんな世界が
「僕の世界に染まったら、どうなるの?」
そんな考えをしていた、月の出ていない新月の夜。
僕の目の前に、真っ白い君は現れた。
「ふふっ、貴方、綺麗な色しているのね。ねぇ、、、その色、私に頂戴な」
第一色【黒と白】
「何?、、、君。僕の色が綺麗?君、目ん玉ついてないの?」
「ふふっ、馬鹿ね。貴方こそ、お目目がちゃんと、ついてないんじゃないの?ちゃんとここに、綺麗なお目目がついているでしょう?」
真っ白いドレスに身をつつんだ君は、その真っ白い瞳に、指を指した、、、白い
「ねぇ、そういえば君、、、【キャンバス】だよね?」
そう、この世界の【白】は【キャンバス】と呼ばれ、他の色に染まる事しか許されていない存在。
でも君は、他の【キャンバス】とは明らかに違う、、、何が?
「ふふっ、そう、私は、確かに【キャンバス】よ、、、でも、【キャンバス】でもない。私は、私よっ」
君は、そのない胸に、手を当てて自信満々にいいはる。
さっきから君に感じていた、違和感の正体、そう【キャンバス】には、自我がない。でも今、ここにいる君は言い放った、
私は、私と、、、僕は、君の白い瞳を見つめた
「君に段々、興味が、湧いてきたよ、、、所で君、さっき【黒】になんて言ったんだっけ?
」
「ふふっ、もう忘れたの?貴方の色が綺麗だから、その色、、、私に頂戴って、言ったのよ」
「っ!?」
僕は驚いた、数m先にいた君の顔が、一瞬で、僕の目の前に、あるんだから。
僕は、咄嗟に身を引いた。
「あら、おしい」
君は唇の下に、人差し指をあてながら、舌を出している。
「まったく、君はせっかちだな。」
僕は、少し頭を掻き
「僕と、、、取引をしないか?」
「取引ですって?」
「そう、取引。僕は君に、興味が湧いてる、そして君は、僕の色が欲しい、それなら簡単だ、僕と君が、契約を結び、行動を共にすればいい。そういえば君は、僕の色を手に入れ、僕は君を、観察できる。」
「観察って言葉が気になるけど、、、良いわ、その取引、のってあげる」
僕と君は互いに距離を詰めるそして
「これからよろしくお願いするわ、【黒】」
「こちらこそよろしく、【白】」
僕と君は契約と言う名の口付けをかわした。
そして僕は、、、小さくなった。