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あれは確か……兄と二人で日向ぼっこをしていた時。
その前の日に兄の前で母上に叱られた事を思い出して零した愚痴を聞かれた事があった。
「何で兄上はあんまり怒られないんだろ……父上も母上も兄上には甘い気がする!!」
「そんな事は無いと思うんだがなぁ。私から見ているとお前の方が甘やかされているような気がするよ?」
「それこそ気のせいだよ!!俺は兄上ほど頭がいい訳じゃないし、どちらかといえば動いてる方が好きだから勉強とかやりたくないから逃げるし……」
「それはお前が逃げたから怒られたんじゃないのか?」
「そうだけど、食事中も話題に登るのは兄上の話ばっかだし……それに俺は次男だから、兄上の邪魔にしかならない……」
「そんな事は無いさ。どちらかと言えばお前の方が王位継承権は上なんだよ?俺は母上の実の子では無いしね。」
「でも、我が国は一番初めに産まれた男児が例え正妃腹の子で無くても王位継承権1位を持つんだから関係ないよ。」
今思えば、本当に子供な考えだったと反省しか出来ない。
兄に母上の実の子では無いと言わせてしまった事を、今も後悔している。
この時、実は母上が物陰からこちらの話を聞いるなんて思いもしない俺達はお互いが思っている事を全て吐き出した。
一通り話終えた頃、後ろから母上の声が聞こえてちょっとビックリしたのを覚えている。
「二人ともそんな風に思ってたのか……」
「「母上!?」」
この時は兄もビックリしていた。
母上は分け隔てなく育ててくれたけれど、兄はどこか一線を引いていたように思う。「この時に母上に叱ってもらわなければ、きっと自分は受け入れられていないと思い込んでいただろうな。」と婿に行く前夜に俺に零していたぐらいである。