ONLINE ASSASSINs 第5話
・・・・どれぐらいの時間眠っていたのだろうか。
深い眠りから覚めた俺はなんとなくプレイ時間をちらりと見た。
プレイ時間=90:46:37
驚愕だった・・・・。
この世界に来てなんと丸々3日間睡眠に費やしてしまったのだ。
現実世界でもここまで寝たことはないだろう。
「ハァ・・・・。」
ため息を漏らして、俺はあることに気づく。
HPが急速に減り続けている・・・・・・!
減少を抑えるアイテムもなければ知恵もなかった。
どうすればいいんだ!!!!
軽いパニック症状に陥りついあたふたする。
その時だった。
バン!とドアが勢いよく開かれる。
「あ!やっと起きたか・・・・。」
シンジだった。
「なあ!なんか俺のHPが減り続けてるんだけどどうしたらいいんだ?!」
「心配しなくてもいいよ、それはしばらくの間食べ物を食べていなかったからだよ。」
どうもリアルとの区別がつきにくい世界だ。
「食べ物・・・・ね・・ハハ・・・・。」
リアルと類似しすぎて気味が悪くなってくる。
泊まっていた、いや、泊まらさせられていた宿をあとにして、俺たちはこの世界の中心街とも呼ばれている、セント・ビクトリアで食事をとることにした。
この中心街は空から見ると円形になっているらしく、直径は100キロだという。
武器屋、鍛冶屋、酒場、カジノ、言い始めるとキリがないくらいの店もある。
自分もだが、他のアバター達もここが暗殺世界だということを忘れているんじゃないかと思うほどに賑わっていた。
「とりあえず、あそこでなにか食べようか。」
「おう。」
シンジに言われるがまま、店に案内された。
店に入ると俺たちは空いていた席を確保して注文をし、これからの行く末について話し合うことにした。
「とりあえず、これからどうするんだ?」
「もちろん、僕はこの世界から脱出することを目標にするつもりだけど。」
「君は確か・・迷い込んだ幼馴染ちゃんを助けるんだっけ?」
シンジが澄んだ瞳を真っ直ぐ俺に向けて問うてくる。
「そのつもりだな、そして脱出。」
「念の為に聞いとくけど、ソウヤ、君この世界から抜け出せる人数知ってる?」
「確か、5人だろ?」
「知ってるならいいけど・・・・・・。」
「お!来たぜ、来たぜ。」
HPがギリギリの俺はこの時のシンジの暗い意味がわからなかった。