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ひえたことのは
冷たい雨にうたれておもう 頬に伝うこのあたたかさはなんだろう
ぼくはこんなにも無力で ちっぽけで
こんな言い方はどこにでもありそうで でもそうとしか言えない
ぼくの言葉は刃物のようで 鋭く誰かを傷つける
冷たい雨にうたれておもう このつめたさはきっとぼく自身だと
冷えていく身体に ただただ温かい ぼくから溢れる熱
ぼくの体温で温められた ぼくの頬を伝うモノ
温かいのに すぐに冷えて 雨にまじる
すぐに消えていくぬくもりは
ことばという刃物をむき出しにしたぼく自身のようだ
一度外に出せば 二度と戻ることのない諸刃の剣
雨に流れてしまえばいいと思う これもどこかで聞いたことば
そんなこと
できるはずがないのに