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その手、は
夜を怖れるのは 闇に呑み込まれそうになるから
夜を怖れるのは ちっぽけな自分ひとりしかわからないから
なにもできない暗闇の中で もがいて もがいて もがいて
足掻いて 足掻いて 足掻いて
朝を迎えられたとき
それはどんな光よりも輝いてみえた
でも
怖れていた 夜の暗闇の中で
震えていることしかできなかった その中で
ふ と浮かんだ 暖かいオレンジ色の光のような
きみが差し伸べてくれたその手は
どんな朝の光よりも 輝いていた
どんな光よりも あたたかくて やさしかったんだ