同じクラスの演劇部員
・2024/12/17
誤字を修正しました。
「藤乃さん」
「??」
振り向くとそこには、茶髪のロングヘアーの女の子がいた。
自己紹介の時に名前を聞いたんだけど…。
「藤乃さんも演劇部なの?」
「?うん」
「私もなの!!あ、私は森本朱音」
ああそうだ!森本さんだ。
しっかりしていて頭が良さそうな子だな。
「同じクラスに同じ部活の子がいるの、嬉しい。よろしくね!」
「こちらこそ!えっと…森本さん?」
「朱音で良いよ。私も、まいって呼んでいい?」
「勿論♪」
「来週から部活始まるよね。一緒に頑張りましょう!!」
「うん!!」
朱音は杏にも声を掛けていた。
人見知りが激しい杏はびっくりして声が裏返っていた。
◇
部活開始を明日に控えた日、帰宅途中に偶然朱音と会ったので、一緒に帰る事に。
「朱音ってさ、中学の時は何部だったの?」
「吹奏楽部よ。」
「へぇ!杏と同じだ!!」
「クラリネットを吹いていたの。」
「うちの学校、吹奏楽部強いけど、
どうして演劇部に?」
「私ね、元々演劇部に入りたかったの。
でも、私が通っていた中学に演劇部は無くて。」
確かに、中学の演劇部って珍しい?様な気がする。
「まいは何部だったの?」
「演劇部だよ!」
「えっ!?演劇部があったの!?」
「人数少なかったけどね。」
私は朱音に中学の演劇部でどんなお芝居をしたか話した。
「へぇ、白雪姫のイフの物語を…。面白そう!」
「後ね、小2から中3まで劇団に入ってたの!」
「…劇団?」
「“すずらん”って児童劇団なんだけど。」
「あぁ、知ってる。」
まさか、劇団の事を知っている人と同じ高校になるとは!
もしかして、観に来てくれたことがあるのかな?
「……私もオーディション受けようかなって思った事があるの。でもうち母子家庭だから月謝が払えなくて。」
「そうだったんだね…。」
「劇団すずらんに長い事在籍していたって事は、まいは即戦力ね。役者志望?」
「役者もやりたいけど、最初は裏方やりたいなって思ってるの!」
ずっと裏方さんのお世話になっていたし、
裏方さんがいるからこそ役者が輝くものだとそう教わってきた。
私自身も、心からそう思う。
「そう。」
「朱音は?」
「私は役者志望よ。」
「そうなんだ!役者やれるといいね!」