演劇少女、藤乃まい
ちょっと昔の話なので、今あるものが無かったりします。どうぞよろしくお願いします!!
『次の演目は、若羽高等学校の…』
「皆!集まって!!」
私が声を掛けると、部員が全員集まる。
「皆本当に今日まで頑張った!!
絶対大丈夫だから!!」
「ああ。練習通りにしていたら問題ない。」
「じゃあ行くよ…!!」
私は、声量は小さいけど、お腹から声を出した。
「頑張るぞーー!!!」
「「おーーーー!!!」」
◇◇
私の名前は藤乃まい。
この4月に若羽高校に入学したばかりの高校1年生!
「部活どうしよう…」
入試の時に仲良くなった友人、久保杏がいちごミルクを片手に悩んでいた。
「杏って中学の時は何部だったの?」
「吹奏楽部。」
「この学校吹奏楽強いし、他に候補無かったら吹奏楽部にしてみたら?」
「うーん、それはなぁ…。昨日見学したけど、何か熱血過ぎて。」
「吹奏楽部が下手な運動部より体育会系なのはあるあるなのでは?」
「うちが入っていた吹奏楽部は、小規模で緩かったの!!」
私が通っていた中学の吹奏楽部は、入部してすぐは暫くずっと筋トレしてたし、
部員も70人〜80人位いた気がする。
「まいはどうするの?部活」
「私はもう決まってるよ!演劇部!!
もう入部届けも出した!!」
「え、もう出したの!?早っっ!!」
「杏も迷っているなら、是非!!演劇部に!!」
「そうだなぁ…うーん、他にも気になっているのがあるし…。」
「確か提出期限は来週だから、それまでには出さないとだね!」
私は小学2年生の頃に児童劇団に入り、中学3年生まで歌とダンス、そしてお芝居に夢中になっていた。
中学生になり、演劇部に入部。
劇団と部活の両立は大変だったけどとても楽しかった。
色んな役を演じた。
少女の役だけじゃなく、少年に動物に人形…
本当に沢山。
中学の演劇部では、女王様の役もやった。
主人公もヒロインもやらせてもらった。
受験がきっかけなのと、燃え尽き症候群みたいな物になって辞めたけど、やっぱり私は演劇が好き。だから演劇部以外の選択肢は無かった。