なつかしい風に
なつかしい風たちは
思い出した映像と混じり合いながら
僕の元から離れていった
身軽になった僕は
しばらくのあいだ
何を考えることもなく
置き去りにされた残りの思い出とともに
慰めあうだけだった
ずいぶんと救われたんだ
言葉だけじゃなくて
キミの笑顔に
それは間違いじゃなく
もう一度、あのころのこと
キミがいちばん気に入ってた頃のこと
思い出してみたくて
ほどいた糸を結び直すようにしたけど
どこかに出かけてしまったようだ
求め合う恋は、じつは
サヨナラなんかにとても弱くて
泣いたあとも
さみしさが残るだけ
確かめられない分だけ
不安になって
振り返る余裕さえ
無くしてしまう
誰かのために
キミだけのために
いつか、そう言えるときまで
ただ、新しい風を待ってみよう