表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/41

ラウルの誤算

 人混みに紛れたラウルさんは、顔見知りらしきご令嬢から、すぐに声を掛けられていた。


 隙のない笑顔で、ご令嬢の指先にキスを落とすと、細い腰を引き寄せ、手を添えて踊り始める。


 会話もしているようだった。


 もちろん、わたしには聞こえない……。


 シャンデリアの下で、ひとりぼっちにされたわたしは、耳に手を持っていき、リゲルのピアスがないことにハッとする。


 代わりに揺れているのは、涙の形をしたダイヤモンド。ラウルさんからの贈り物。


 わたしは胸に手を添える。

 そこには、ベルをこっそりとひそませていた。


 どうかどうか。

 今日という一日が。


(無事に終わりますように――)



 * * *



「素敵なレディ、僕と踊りませんか?」


『壁際に控えて、極力目立たないようにしろ』


(壁の花になるのも難しいわ)


『適当な理由をつけて断れば良い』


(適当な理由って、どんな理由?)


 ラウルさんのアドバイスは、あまり役には立たなかった。


 名前を聞かれて、わたしが誘拐された過去をもつ男爵令嬢だとわかると、誠実そうな(ひと)に限って、「あ、しまった……」みたいな顔になる。


 相対的にわたしまで、「ごめんなさい」の気持ちにさせられる。


(ちょっとだけ、傷つくかも)


 ラウルさんが横にいないと、わたしが曰く付きのアリス・ウォードだと、気づかない人も多かった。


 強引な人には軽んじられ、引っ張るように手を取られた。相手のペースで踊らされ、今夜だけで少しずつ降り積もってしまった心の傷が、しくしくと静かに泣き出した。


 わたしは誰も伴わず、飲み物と軽食が用意されているという別室へ。


(なんであそこだけ、あんなに女の人が……)


 不思議に思って見てみると、色とりどりのドレスに囲まれていたのは、赤銅(しゃくどう)色の緩やかな髪をした貴公子だった。


 そのうちの女の人の一人が私を見て、貴公子に何事かを耳打ちする。貴公子がわたしを一瞥した。


(何かイヤな感じ……)


 お近付きになるつもりもないのに、女性陣からは牽制され、貴公子には値踏みされたみたいでモヤモヤした。


 わたしは彼らに背を向けて、テーブルに並んでいる硝子の器へと手を伸ばす。


 中には瑞々しい果実。


 果実は甘酸っぱくて少し苦い。

 どこかで知っているような味。


(美味しい……)


 頭がすっきりしたわたしは、纏わりつく視線の糸を断ち切って、外へ出た。

日常話を再開しました✧*。٩(ˊᗜˋ*)و✧*。


* * *


忙しいので、食材の宅配をお願いしています。


その中でも、よくきのこセットを頼みます。

きのこって、ヘルシーで美味しいよね♪


ある日。

ふと、生産者欄を見てみたら、生産者欄に個人名やJAが並ぶ中。


なめこだけ。

個人名でもJAでもなく、「原生林」。


生産者 原生林Σ(◉ω◉;)?!


あ、天然物ってことね。

びっくりした(笑)

(なので、形も不揃い)


生産者 原生林。


って、なんだか可愛いですよね。

ちょっとほっこりしちゃいました( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 更新ありがとうございますー!! 作者様がお元気そうで私もハッピネス♪ そして最近の感想欄に、近況が気になっていた方のお名前を見つらけてさらにハッピネス ദ്ദി ˉ͈̀꒳ˉ͈́ )✧ 社…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ