星を撒く
単純に塗った夜空に
ありったけの星を抱えて
滑走路から放たれる
空想は質量をもち
恋はおとついに置いてけぼりで
不完全な夜をフライト
「未来」って言葉が不安定で
「過去」って言葉が薄れていって
たぶんいま、ここしかない気がする
世界とは夜の塊
不完全の集合体
そんな世界で「抱いて」だなんて
笑っちゃうくらい善いでしょ
ねぇ、ぜんぶの嘘が
真実になる時間がある
薄っぺらな街を見下ろして
星を撒きながら笑うの
いま、ここしかない愛を込めて
宇宙の心臓をあざけって
かならずいつか畢わってあげる
永遠なんてないから
きみを好きでいられる
永遠なんてないから
死んでも好きでいられる