008 新米冒険者パーティ《サザリン》結成・後編
「そんで、ジョナサンの相談っていうのは、なんなんすか?」
「あ、実はもうほとんど終わっちゃいました……」
そんなやり取りを最後にマーカスが宿屋の食堂から出ていったあと、残された新米冒険者たちの間には微妙な空気が漂っていた。この先も冒険者稼業を続けていけば、死と隣り合わせるような危険な瞬間が、どこかで確実に待ち受けているらしい。そのことに対する恐れと、中級冒険者からパーティとしての可能性を認められたという昂ぶりが綯い交ぜになって、深刻になるべきなのか、楽天的に受け止めればいいのかがよくわからない。
「レベッカ、すげえな。ベタ褒めだったじゃねえか」
微妙な空気を払拭するように、軽口チームのダニエルが口を開いた。言われたレベッカは、人差し指に赤毛の髪を巻き付けて弄びながら、ため息をつきつつ取り合う。
「自分じゃよくわかんないけどねー。あたしとしてはむしろ、マーカスさんが『よく見てる』ってことが怖いわよ。ちゃっかりしてるとか柔軟だとか、なんのことかと思ったら……」
「ああ、あれな。先輩たちの言葉にすぐ乗っかって、俺らをいじってたってやつ」
「言われてみて気づいたわよ。冒険者は切り替えが大事とか、ごはんは楽しく食べるもんだとかね。でもさ、確かに乗っかってたんだなって思うけど、そんな程度のことを柔軟だなんて呼ぶのかしら……」
「うーん、でもそれってさ、レベッカは自分が納得したり、いいなと思ったことをすぐに自分のものにできるってことじゃないかな? そうだとしたら、それはやっぱりレベッカの長所で、柔軟ってことなんだとわたしは思うな」
「物は言いようってことかしらね。なんかねえ……まるで自分ってものがないような気分になんのよ……」
フォローしてくれているのであろうエレンの言葉を、今ひとつ素直に受け入れられないレベッカ。褒められ慣れていないようなこういったところも、エレンがジョナサンと話していた『レベッカは自分に厳しい』という性質のひとつなのだろう。
話の流れが落ち着いたところで、3人のやり取りを微笑ましく見守っていたジョナサンが口を開いた。
「あのさ、流れでさっきマーカスさんにも相談しちゃったんだけど……実は、今日はみんなに相談したいことがあったんだ」
「それってさ、ここんとこお前がしょぼくれてた理由のことか?」
「しょぼ……あはは、そういうことじゃなかったんだけど、やっぱりダニエルにも心配させちゃってたのか」
「まあな。いちばん付き合いが長いのは俺なんだし。でも今回のはあんま見たことない感じだったからさ、レベッカとエレンに相談してたんだ」
「えっ? ダニエルが最初に? そうだったんだ……ありがとう」
「お前、絶対にエレンかレベッカが最初に心配し始めたと思ってたろ」
「じゃあ、みんなにちょっと聞いてほしいんだ。シロウさんの話を聞いたあの日から、僕がずっと考えてたことっていうのは――」
(スルーしやがった)
(スルーしたわね)
(スルーしたね)
「まず、最初にハッキリと言っておきたいんだけど、僕はみんなと一緒に冒険を続けたいし、このパーティで何かを成し遂げたいと思ってるよ」
その言葉で、不安を感じていた仲間たちに安堵の空気が広がる。冒険者をやめてしまうのではないかとよほど心配していたらしく、エレンに至ってはうっすらと涙さえ浮かべていた。
「心配させといてこう言うのもなんだけど、僕自身には死にかけてたっていう実感があんまりないんだ。だから、また迷宮に入って魔物と戦うことを怖いとも思わないし、冒険者をやめたいとも思わない。でも――」
「シロウさんの話を聞いて、どうしても気になっていることがあるんだ。『僕たちは、なんのために冒険するんだろう』って」
「え? お前の夢だったからじゃねえの?」
「そうなんだけど、じゃあダニエルは? 僕の夢に付き合うのが、ダニエルの夢なの?」
「な……」
「エレンはたぶん、僕と似たようなものだよね。冒険者になるのが夢で」
「うん、そうだよ。わたしはなりたくて冒険者になって、したくて冒険をするの。でも、冒険をずっと続けていって、具体的な何かを手に入れたいのかというと、そこはよくわかってないかな」
「それは僕も同じだね。冒険者になるってことだけが目標で、その先のことはちゃんと考えてなかったよ」
「ダニエルには悪いけど、あたしも理由はあるわよ。迷宮地区を持つ領主の娘なんだもん。実際に迷宮や冒険者たちがどんなものなのかっていうのは、知っておく必要があるわ」
「いやそれ、お前の親父さんやお袋さんも冒険者だったのかよ? あとお前、第4王子で玉の輿とか言ってたし、領主になるかどうかわかんねえんだろ?」
「そうやってすぐ人の言葉に乗っかるのを、ちゃっかりしてるって言うのよ? 覚えときなさい?」
「まさに今、お前がちゃっかりしてんだよ! それお前がマーカスさんに言われたやつ!」
レベッカとのお決まりのやり取りを終えたあと、ダニエルは軽く息を吐いて椅子の背に深く体を預けると、頭の後ろに手を組んで食堂の天井を見上げた。
「そうかー、俺だけなんかノリで、付き合いで冒険者やってる感じなんだなー……。なんかジョナサンがしょぼくれてた気持ちがわかる気がするわ。モヤモヤするな、これ」
そう言うと、ダニエルは目を閉じて考え始めた。しかし、すぐに目を開くと、
「あっそうか! 俺もマーカスさんに答えを貰ってんだな……。うわ、でもすっげえ恥ずかしいな……あー! どうすっかなー! もー!」
茶色の髪をガシガシと掻きむしりながら、決心を固めようとするダニエル。その様子に何かを察したようで、レベッカの目はこれでもかとばかりに好奇と期待の色を宿している。
「えーとさ……俺は別に、ジョナサンの夢に付き合ってるんじゃないんだよ。あの……こ、ここにいるみんなと一緒にいたいっていうか、ガキの頃からずっと楽しかったからさ。だからこの先も、お、お前らと一緒なら何をやってても楽しいんじゃないかと思って、なんかそういう感じっていうか……」
「ふーん。感じっていうか?(ニヨニヨ)」
「だからえーと、なんだ、感じっていうか……そういうこと! そういうことだよ!」
「えー、どういうことかしらぁ? エレン、わかるぅ?」
「やめてあげなよレベッカ……。ダニエル、わたしには伝わったからね。それ以上言わなくても、大丈夫だからね」
「もうちょっと聞きたい気もするけど、僕にも伝わったよ、ダニエル」
「ちぇー、エレンもジョナサンもつまんないの。まあ、許してあげるわ。それで、あたしらと一緒にいることが、ダニエルのやりたいことでいいの? 本当にそうなのね?」
「そうだな……冒険したいっていうのとはちょっと違うかもしれないけど、でもお前らが冒険して、冒険者になるんだったら、今はそこに一緒にいることが、俺のやりたいこと……だと思う」
「そうなのね。ならいいじゃない。『今は』っていうのがちょっと気になるけど、そういうとこでバカ正直なのも、あんたらしくていいと思うわ」
気恥ずかしさでダニエルの顔はすっかり紅潮してしまっているが、仲間に向けるまっすぐな眼差しには、しっかりした思いの強さが込められていた。その眼差しを受けたレベッカは、浮かべていた意地の悪そうな笑みを優しい微笑に変えて、流れを締めくくった。
「それでね、相談というのはここからなんだけど――」
襟を正してそれぞれが冒険に挑む意志を確認したことで、結束力がより高まった空気が感じられるなか、ジョナサンが言葉を続け始めた。
「僕は、ここの迷宮に挑むにあたって、冒険に明確な目的を持ちたいと思ったんだ。成し遂げるまでは絶対に諦めない、そんな強い気持ちを持てるような目的を。それは僕の心にだけあればいいんだけど、できればパーティのみんなと共有したいなって」
「それって、シロウさんの話の中で、ネルさんが言ってたこと?」
「うん。でも、偉大な冒険者が言ってたからって、その真似をしたいわけじゃないよ。なるほどその通りだなって、心の底から思ったんだ。パーティがしっかりした目的や目標を持っていれば、ブレずに冒険の日々を過ごせるんじゃないかなって」
「そうだね。わたしもそう思ってたから、ジョナサンの意見には賛成だな」
ヲタ仲間であるエレンとの会話はスムーズに運んだが、ダニエルとレベッカには、いまひとつピンときていない。
(そんな話、あったかしら?)
(さあ? こいつらが盛り上がってんだから、あったんじゃねえの?)
「それで、僕が決めた目標――冒険するための目的なんだけど、ここの迷宮を完全踏破したい」
「賛成!」
ジョナサンの力強い宣言と、即答で追従したエレンの言葉に、ダニエルとレベッカが固まった。
「「完全……踏破?」」
「そう。僕たちにどれだけの実力があって、どこまで成長できて、どれだけ時間がかかるのかわからないけど、僕はこの迷宮を制覇したい。それが僕の目標だ」
「もちろん、わたしもついていくよ、ジョナサン。それでね、決めたの。わたしの目標はそのもっと先。この迷宮を完全制覇して、他の迷宮地区にも挑んで、冒険者として名を馳せたい。だからジョナサンの目標を達成したら、そこからはリーダー交代になっちゃうね? ふふっ」
ジョナサンの宣言だけでも現実感が怪しかったところに、ふだんはおとなしいエレンが、およそ似つかわしくない壮大な目標をブチ上げてきた。しかし、言葉にしっかりと込められた力から、エレンがヲタの妄想で夢見がちなのではなく、本気でそうするつもりなのだということが伝わってくる。
「なあ、レベッカ。俺ようやくわかったわ。こういうことなんだな」
「奇遇ね。あたしもそう思ったわ。本気で思い込んでる言葉って、意外と説得力あんのね」
冒険者になることへの理由は持っていたつもりでも、明確な目標など考えたこともなかったダニエルとレベッカは、自分たちより上のステージにいる冒険者たちを目の当たりにして、呆気にとられていた。
「でもさ、俺はなんかワクワクしてんだけど、お前は?」
「うーん、そこはちょっと同意しかねるわね。ヒモを養い続けるのにも限度があるんだし、あたしはもうちょっと現実を見極めてから、賢く短期目標を設定したいところね」
「タンキモクヒョーって、なんだ?」
「あまり時間がかからずに、まず確実に達成できそうな目標ってことよ。夢ばっかり大きくても現実感がなくて、実現する自信を持ち続けるのは難しいでしょ? このふたりみたいに夢に生きてるタイプならともかくね。だから、大きな夢を持つのはいいけど、その夢を実現するまでの道のりに、小さな夢をいくつも設定しておくの。そうすれば、自分がどれだけ夢に近づけているのかを実感できるってわけ」
「ちゃっかりしてんなあ」
「それ、使い方間違ってるわよ。こういうのは現実的っていうの」
「なるほど。じゃあそういうのがさ、『見えてる』ってことなんじゃねえの?」
「……そうかもしれないわね……」
レベッカの具体的な目標は保留として、パーティがおおむね同じ目的を持ったということで、ひとまず話はまとまった。他に客の姿がないとはいえ、思えば宿の食堂に長居してしまっているので、気を利かせたレベッカが追加のお茶を頼むことにした。
「ほいよお待たせ。これは宿からのサービスだ」
野太い声の巨漢が、人数分のお茶とケーキを運んできた。立派な顎髭を蓄えていて、宿の親父とは思えない迫力に満ちている。
「えっ? 図々しく長居してて申し訳ないぐらいなのに、どうして?」
「いやあ、盗み聞きしてたんだけどな。気持ちのいい話だったんで、新米さんたちへの激励だよ」
「え……聞いちゃってたんだ……」
「ははは、悪いな。だがな、うちらみたいな宿屋の食堂とか、冒険者ギルドの酒場なんてのは、必ず誰かが聞き耳を立ててるもんだぞ。そのへん、領主サマの娘だったらわきまえてるんじゃないのか?」
「初めて知ったわよ……。でも確かに、いいやり方なのかもしれないわね……」
「まあ、本当に悪い奴らは、こんなところでうっかり口を滑らしたりしないけどな。とにかく、ヒモを養えるだのなんだのって、こういうとこでは言わないようにするこった。宿の質が落ちれば、従業員に悪いやつが混じっていないとも限らんからな」
「ぐうの音も出ないわ。ありがとう。それで、ここは信用できるってことかしら?」
「お前らが悪党にでもならない限り、うちの宿は安心してくれていいぞ」
そう言ってニヤリと笑うと、親父は厨房へと引っ込んでいった。新米たちとのテーブルとはそこそこ距離が離れているので、よほど頑張って聞き耳を立てたところで盗み聞きなどできそうにないのだが、そんなに自分たちの声が大きかったのだろうか。あるいは、テーブルに何かの仕掛けがあって、盗み聞きができるようになっているのかもしれない。ということは、ひょっとして――
ある考えに至ってレベッカが落ち着かなくなっていると、厨房から親父がヒョイと顔を出して、大きな声でその心配を打ち消した。
「言っとくけど、客室にはなんの仕掛けもないからな! そこは安心してくつろいでくれていいぞ! お前らみたいなのがイチャイチャしてるのを盗み聞きしてちゃあ、こっちの身が持たんからな!」
レベッカたちが4人で2部屋を取っているというのを、そういう意味に勘違いしているのだろう。誰と誰を組み合わせて想像しているのかはわからないが、その勘違いは盗み聞きをしていない証拠と言えないこともない。引きつった愛想笑いを浮かべて、レベッカはひらひらと厨房に手を振った。
「仕掛けがあるってことよね……」
「えー……俺のさっきのやつ、聞かれちゃってんのかよ……死ぬ。俺死んじゃう」
アオハルしていたダニエルが身悶えするのを眺めながら、レベッカは「これ、大声で注文しなくてもいいってことかしら」などと考えていた。
微妙な気分で味がよくわからくなってしまったお茶とケーキで一息つくと、新米冒険者たちは会議を再開する。次の議題は、エレンから持ちかけられた。
「この機会に! パーティ名を! 決めましょう!」
エレンの勢いが凄い。冒険譚ヲタの魂に火が入ったときに、ちょいちょい見るやつだ。天よご照覧あれ、これぞ正しいフンスでござると言わんばかりに鼻息が荒かった。
(フンスを通り越して、ブフーブフー鳴り始めたな)
(出荷よー、ってやつ?)
(いや、それブヒブヒな?)
「それでね! どうせなら! 《エルフィン》みたいに、パーティの特徴がわかるような名前がいいと思うの!」
「《エルフィン》って、特徴なのか?」
「そうだよ! 《エルフの友人》っていう意味なの!」
「あー、ネルとその仲間たち、みたいな感じか……」
不勉強なダニエルに機嫌良く答えるエレンは、ヲタ全開でツヤツヤしている。体から熱でも立ち昇っているのか、銀髪のくせっ毛からまとまった部分がぴょんと跳ねて、アホ毛装備の童顔美少女といった趣だ。
「特徴って言ってもねえ? うちらだと……金髪王子とか?」
「ぼ、僕は王子でもなんでもないし……」
「身分で言えばあたしのほうが高いのに、なんであたしが冴えない赤毛で、庶民のジョナサンがそんな金髪碧眼の王子様ルックスなのか、これ本当に納得いかないわよね。あんた実はどっかの王族の隠し子とか、それでもって第4王子とか、なんかそういうのだったりしないの?」
「た、たぶんないかな。父さんと母さんの髪は茶色だし、僕はただの突然変異? とか?」
「それってますます、隠し子を従者たちが庇って逃げて、自分たちの子供として育てたとしか……」
「も、もうやめてよレベッカ。僕は父さんと母さんの子だし……」
「ごめんなさい。悪い冗談だったわね。でもそんだけ見た目がいいとね、アホな妄想もしたくなるってもんなのよ……」
「わかるよレベッカ。わたしも同じこと考えたことあるもん。金髪の王子様って、絵になるもんねえ……」
「エレンの銀髪も、なかなかいないけどな。お前こそどっかの王女様だったりしねえの?」
「うーん、うちはパパもママも同じ髪の色だから、隠し子とかじゃなさそう。それで、ふたりとも冒険者だったらしいから、王族っていうのはないんじゃないかなあ……」
「おーい、脱線してるよー」
「お、おう、すまんすまん……」
「えーと、僕にちょっと思いついたことがあるんだけど、いいかな?」
軌道修正がうまくいったことを確認してから、ジョナサンは咳払いをひとつ。そして、シロウやマーカスたちとの会話がきっかけだったと前置きしてから、話し始めた。
「ちょっと話が戻っちゃう感じなんだけどね、パーティの目標っていうか、迷宮を攻略していくのとは別口で、いつかそうなれたらいいなっていう程度の考えなんだけど。いつかは、ネイさんやマーカスさんのように頼りがいがあって面倒見のいい冒険者に、そしてシロウさんのように思慮深い大人になれたらなって思うんだ。なんていうのかな……ちゃんとした冒険者に、ちゃんとした大人になりたいってことかな?」
「それは、模範的な冒険者であり続けたいってことかしら?」
「そうだね。僕らはまだまだ見習うことばかりで、模範なんて示せやしないけど。でも、いつか僕らに後輩ができたときには、ネイさんたちが僕らにしてくれたように、少しでも力になれるといいなって思うんだ」
「へえ……いいんじゃねえの? まあ俺はそういうのちょっと苦手だから、そういうことがあったときにはお前らに任せると思うけどよ……」
「わたしもいいと思うよ。どうせなら、サザンリバーにこいつらあり!みたいな冒険者になりたい!」
「まあ、あたしらが道を踏み外したとして、そのまま冒険者やってるとも思えないわよね。だから結局は、模範的な冒険者を目指すことになるんじゃないかしら」
「ていうかさ、俺らのパーティにはレベッカがいるんだから、変なことやっちゃったら領主の看板に傷がつくんだよな?」
「それは確かにそうだけど、あたしはそういうことは気にしてないわよ?」
「でも、わたしたちは気にしちゃうよ……」
「じゃあ、僕らがサザンリバーを代表するような模範的なパーティになって、領主様の評判を上げればいいよね?」
「いや、あたしほんとそういうの望んでないから……」
「でも、評判が悪くなるよりはいいよな?」
「せっかく家を出て自由になれたのに、冒険者になっても家のことを考えて振る舞うなんて、気詰まりにもほどがあるわよ!」
家の評判を上げるための冒険みたいな流れに我慢ができないレベッカだったが、自分たちの成長と領主家の評判が切っても切れない関係にあることを悟り、諦め半分で仲間の提案に同意したのだった。
「わたしたちは、サザンリバーを代表するような冒険者になる! だからその想いを込めて、パーティ名は《サザンリバーの冒険者》っていうのでどうかな?」
「そのまんますぎねえか?」
「長くて仰々しいし、実家を思い出すのでいやよ」
「じゃあ縮めて――《サザリン》ということでどうだろう?」
「「異議なし!」」
「え? ちょっと!? あたしの意見聞いてる!? ねえ!?」
レベッカがゴネたので《サザリン(仮名)》ということで会議はお開きになったが、その後に命名会議が開かれることはなかった。新米冒険者たちはこの日から《サザリン》として活動することになる。
ブックマークしてくださった方々、ありがとうございます。
だいぶ地味だけど、自分が読みたい話を試しに書いてみよう。という自己満足で書いてますが、ひとりでも気にかけてくださった方がいるというのは、本当に力になるものなんですネエ(唐突なポンメルン
これぐらいなら、伏せなくてもいいよね