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信長公弟記~織田さんちの八男です~【コミックス6巻】発売中  作者: 彩戸ゆめ
永禄二年

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174 官位

風邪とキーボードの故障により更新ができなくてすみませんでした。

キーボードにかかったのが水だからって安心しちゃいけませんね。さすがに量が多かったらしく、完全にお亡くなりになってしまいました。

新しいキーボードを買ったので、今週から通常モードで更新する予定でおります。

 他に何ができるかな。

 うーん。

 信長兄上の周りには常に護衛がいるし、遠距離での攻撃、例えば弓で狙われるのを防ぐのは難しいだろうな。あらかじめ、敵が潜伏してそうなところを先に警戒しておくくらいか。


 そしたら、警察犬みたいなのを作ってみるのはどうだろう?

 子犬から育てれば、かなり良いんじゃないかな。むやみやたらに噛みつくんじゃ問題だけど、例えば怪しい奴がいた場合に「行け!」って命令すると噛みつきに行くとか。

 なんか警察犬のドラマあったよな。それを参考にしてみるか……?


 もしかして忍びとか山伏にそういう動物を使役するテクニックみたいなのが伝わってる可能性もあるから、後で聞いてみるか。


 ただ龍泉寺城には美和ちゃんのところで繁殖した、セロを筆頭としたにゃんこーズがいるから、一緒に飼えるものなのか、それが問題だよな。だって、犬と猫って仲が悪いからさ。ケンカばっかりしてるんじゃ困るしなぁ。

 かといって病原をまき散らす鼠を駆逐してくれる猫は城で飼いたいしなぁ。小さい頃から一緒に育てれば大丈夫なんだったかな。


「まだ美濃をまとめきれていない以上、暗殺という手段はとても効果的ですね。なにせ兵を集めなくても良いのですから。おそらく、これからも信長様のお命を狙ってくることでしょう」

「油断はできませんが、常に緊張感を保つというのも難しいことなので、対策が必要でしょうね」

「確かに、そうですね」


 やっぱり情報が大事だよな。

 鵜飼殿に、他にも織田に来てもいいって言ってくれる忍びがいないか、それも聞いてみよう。


「ところで、信喜様はもうすぐご正室を迎えられるのですよね。誠におめでとうございます」

「ありがとうございます」


 うん。まあ、あれだ。元服したからな。大体それと同時期に正室を娶るわけだ。


 つ……つまり、美和ちゃんと結婚するわけなんだな。


 現代の結婚式だと、教会とか神社で式を挙げてその後に披露宴を行うのが一般的だけど、この時代だとまずは「嫁迎えの儀」から始める。


 嫁迎えの儀っていうのは、まずは結婚する新郎側から選ばれた二人が、馬に乗って新婦の家に迎えの口上を述べに行く。

 それに対して新婦側は、鎧一領と太刀一振りと馬一頭を用意して、新郎への贈り物とするんだな。


 新婦が家を出る前に、ドラマなんかで見るように「父上、母上、お世話になりました」とか言いながら、三々九度の盃を交わす。


 花嫁が生家を出る時には、門に門火(かどび)を焚いておく。門火っていうのはお盆とか葬儀の時にも焚かれる火の事だ。送り火とか迎え火なんていう言葉は、そこから来てるんだと思う。

 何でお葬式の時とかに焚く門火を婚礼の時にも焚くんだろうって不思議だったけど、月谷和尚さまによると「再び生家に帰らないように」って意味をこめて焚くんだそうだ。


 この門火は新郎の家でも焚かれる。きっと、もうその家から離縁されることなく、門から出ないように、って意味があるんだろうな。


 生家を出た花嫁は輿に乗って、さらにはお供の人なんかを従えて、婚家へと向かう。これがいわゆる、花嫁行列だな。


 婚家についた花嫁は座敷まで輿を入れる。そのまま三の間まで輿を入れて、やっとそこで花嫁が降りる。

 これがいわゆる輿入れだ。正式には「輿寄せの儀式」って言うんだけどな。


 その後、侍女によって祝言の座敷に案内された花嫁は、新郎と夫婦の盃を交わす。「式三献」って儀式だけど、三々九度の盃を交わす、って言った方が分かりやすいかもしれんね。


 二日目は今度は新郎側から「式三献」の儀式をして、三日目に白無垢を脱いで色のついた着物に着替える。いわゆるお色直しだな。

 そこで、新郎側の家族と初めて対面するってわけだ。


 結婚も儀式の一つって感じになるんだけど、ここで大切なのは、「嫁迎えの儀」だ。新郎側から二人、新婦の家へと迎えに行くんだけど、これは身分の高い新郎の上司とか友人なんかに頼むんだよな。


 俺の場合は、まず熊だ。さすがに俺の直属の上司である信長兄上に頼むわけにもいかんしな。いや、やりたそうだったけど阻止した。うむ。


 そして残りの一人を誰にしようか悩んだんだけど、滝川リーダーとか明智のみっちゃんとかもいいんだけど、やっぱりここはさ、親友に頼みたいなって思ってさ。

 だから半兵衛に美和ちゃんを迎えに行ってもらう事にしたんだ。


 もちろん半兵衛は二つ返事をしてくれた。


「半兵衛殿にも、嫁迎えの儀の大役を、どうぞよろしくお願いいたします」

「もちろんです。信喜様のために、立派にお役目を果たして参ります」

「ありがたいことです」


 いや~。これで俺も結婚か~。

 結婚ね~。


 嫁を迎えるわけだ。

 うむ。うむ。むふふ。


「信喜様の婚儀の次は、柴田様の婚儀ですか。織田家は慶事が続きますね」


 そう。熊もついに市姉さまと結婚するのだ。

 嫁入りの儀で市姉さまを迎えに行くのは、滝川リーダーと佐久間のおじちゃんだ。


 俺は新婦である市姉さまの家族枠になるから、お迎えに行けない。

 ちょっと残念だな。花嫁衣裳を着た市姉さまを見てみたかったんだけどな。


「ええ。それに信長兄上だけでなく、勝家殿も官位を頂きましたから、二重におめでたいことです」


 上洛して将軍の足利義輝に会った信長兄上は、本当は「上総介」か「尾張守」が欲しかったみたいなんだけど、さすがに今川家が継承してる「上総介」をもらうのも、いきなり従五位下の「尾張守」をもらうのも無理だったんで、その官位をもらうのは諦めたらしい。


 それで結局、正六位下の弾正少忠って官位をもらった。織田家で名乗ってる弾正台って部署の官位だから、まあ妥当なとこだよな。


 弾正台っていうのは、いわゆる検察みたいな組織の事だ。もっとも形骸化して今では名前だけの職みたいになっちゃってるけどな。


 そう考えたら、いきなり朝廷から「三河守」をもらった父上って凄かったんだな。それだけ朝廷が貧窮してたってことかもしれんけど。だって従五位下から上は、昇殿できる官位、つまり直接帝と会える官位なんだよ。それをいきなりもらったって事だもんな。

 六位でも蔵人だけは昇殿できるけど、これは仕事が天皇の膳の給仕とかだから例外だ。


「柴田様は左京大属を拝命したのでしたか」

「ええ」


 左京大属っていうのは、京の都の東の治安を守る警察みたいな職の事だ。武士には人気の官位だな。正八位下とあんまり官位は高くないけど、それでも正式な官位をもらうっていうのは、尾張みたいな田舎大名の家臣にとっては凄いことだ。


 それに今回、他に官位をもらったのは、秀敏大叔父さんの正六位下の玄蕃助と、信次叔父さんの正七位上の右衛門少尉くらいだからな。


 ちなみに玄蕃助はお寺の名簿の管理と外国からの使者の接待なんかをする部署で、右衛門少尉っていうのは京都の建春門と宜秋門を警備する仕事だ。実際にその仕事をするわけじゃなくて官位だけもらってるって形式になるんだけどさ。


 それを考えたら、熊がいかに優遇されたか分かるってもんだ。まあ、それもこれも市姉さまをお嫁にもらうための箔付けなんだけどさ。


官位はこんな感じになりました。

おかしいところがあったら、ご意見、お待ちしております!

そして信秀がもらったのは三河守でした。訂正しました。

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