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眼の異世界転生  作者: ビッグツリー
第一章 目玉転生~封印の祠編~
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九話 マイナス50点

 その場所は、奈落への入り口の様に深い穴が開いていた。軽く見積もっても、地上から穴の底までの距離は数百メートルはあるだろう。

 そしてその底に、次の標的の魔物――『岩ギンチャク』はいた。



 俺は巨大な穴のふちに足をかけると、軽く崩れた足場の小石が、吸い込まれる様に落ちていくのが目に映った。

 その小石は穴の底まで落ち切り、コン――と微かに響く落下音が、囁く様に俺へと届く。


 無論、その音に反応を示さない魔物ではない。

 岩ギンチャクは遥か上部に位置する俺の存在に気が付いたのだろう――。触手を直線状に変化させ、先端は針の様に鋭くなり、まるで無数のトゲの槍とも思えるそれを放ち始めた。



 突然だがここで、リーナ博士による魔物解説が挟み込まれる。


《岩ギンチャクには、その場を動かない代わりに、敵との間合いによって戦闘形態を変化させる特徴があるです。遠距離時は、自在に操る触手での攻撃。近距離時は、触手で本体を包み込んで防御へと移行するです》


 離れていると触手に襲われ、近寄ればガードを固められる――、か。見事にバランスの良い戦法を取る魔物じゃないか。



《ここは多重結界を展開しながらの――》

(その必要はない。すでに勝利のビジョンは見えている)


 俺はリーナの言葉を堂々たる口調で遮ると、ご自慢の翼を優雅に広げては、目の前の穴へと颯爽と飛び込んだ。



 入り乱れる様に飛び交う無数の触手。蛇口の解放で暴れ乱れるホースの様に、その動きに規則性は無く、尚且つ速い。槍の様に、時にはムチの様に、そしてあるいは掴み取るかの様に――、自由自在の動きで対する俺へと襲い来る。


 だが――、

 

 どんな挙動であろうとも、俺の目には”補足出来ぬ物など無い”!



 俺は超スピードによる急降下を繰り広げつつも瞬時に、迫り来る触手の嵐を縦横無尽に躱しながら、網の目を掻い潜る勢いで一気に突き進む――。


 

 すると、触手がピタリと攻撃の手を止めた。そしてすぐさま縮まる様にしては、本体の元へと引き返し始める。

 一定の距離まで接近したのか――、防御形態へと移行したようだ。


 硬質な触手が本体を包み込む様に何重にも巻かれ、更に巨大な岩の塊へと姿を変える。



 急降下する俺は、視界の先に変貌した魔物の姿を捉えつつも、勢い落とす事なく――、むしろ気合の一声を上げる。


(無駄だぁぁぁー! どれだけ防御を固めようとも、俺の”瞳術の前には意味を成さない”――っ!)

 

 シュタッ――と、片腕を地へと添える形で足を着いた直後、すぐさま奴へと力強い瞳を向ける。


 刹那――、瞳の奥から解き放つ金色こんじきの閃光。物理抵抗と意思抵抗、一切合切を無視する支配の象徴。


 ”完全なる力を前に、抗うすべ無しと知れ”。



(消えろ――っ!)


 その言葉を発した直後、岩ギンチャクの本体に纏わり付いていた触手が、まるで脱力するかの様に解けながら地へと落ちると、本体と共にゆっくりと透明化しては消滅の道を辿ったのだった――。


 

 崩れ落ちる様に片膝を着く俺に、すぐさまリーナが「大丈夫です?」と心配の声をかけてきた。

 体中に巡る疲労感。それは大食イーターとの戦闘後に体験したものと似ている。

 あの時よりは若干マシだが、どうやら内包する魔力を使い過ぎたようだ。


《完全支配瞳術はその強力さ故に、かなりの魔力を消費するです! 一日の連続使用は今のレベルだと、”二回”が限界ですよ! ここぞと言う時に使う事をオススメするです》


 やはり強すぎる力には、それなりの枷が掛けられているか。一日の使用上限が今の所は二回らしいが、レベルが上がって魔力炉の上限値が解放されれば今後の使用上限は増えるだろう。

 しかしだな――、なぜそれを言うべきがこのタイミングなのか。



(そういう大事な事は、もっと早めに言っといてくれよ)


 正論だと思う。

 しかしリーナは、俺の言葉にまるで悪びれる様子も無く、「てへぺろ」とおちゃらけて返す。


 声は可愛いのに、性格が可愛くないなコイツは。



 立ち上がる俺は上空を見上げ、翼を羽ばたかせては飛翔へと移った。


(よし、次に行くぞ)

《ほえ? パーセンテージに変換すると、残りの魔力は20パーセント程です。一度拠点へと戻り、魔力の回復を待つべきです》


 リーナの言う事はごもっともだ。それは俺も考えていた事だし、得策なのは分かっている。

 だが、次の標的はこの近くに生息している事もあり、俺にとっては物凄く興味を惹かれる相手なのだ。『千里眼』ではなく、面と向かってただ純粋に見てみたいと思える程に。



(戦わないから大丈夫だ! 見るだけに留める!)


 好奇心に煽られ、期待が胸へと広がる。呆れる声で「もう……、本当に見るだけですよ!」と言うリーナの声を置き去りに、俺は更に飛翔スピードを上げてゆく。


 次の標的、『スライム』へと向けて――。 






 辿り着いた先は、少し天井が高いだけのこじんまりとした空間。しかしその部屋の角に、奴――スライムがいるのだ。


 ぷにょぷにょと体を震わせる、楕円型の流動体。透明度の高い水色に彩られ、内部中央には真っ赤な魔晶石を保有している。



 そんなスライムを前にする俺は、目を輝かせ、心躍らせていた。


(俺は今、感激している! 生のスライムを初めて見た!)


 定番であり、有名でもある”あのスライム”が、現実の元にこうして目の前に存在しているのだ。感動を覚えない方がおかしいだろう。


《生って……。言い方がなんか気持ち悪いです――って、ちょっとジーク!?》


 無意識と言ってもいいだろう――。俺はスライムの魅力に誘惑され、一歩一歩と足を進めていた。

 あのぷにょぷにょとした曲線美が、何故だか無性に”触れてみたい”――と思わせるのだ。


 しかし、さすがのスライムも忍び寄る気配に気が付いたのか、突如として拳程のサイズはあるであろう水弾を向け放ってきた。


 ただただ魔性の誘惑に飲み込まれていた俺は、完全に油断していた為に反応が遅れてしまったのだが――、さすがは守護のエキスパートか、リーナが瞬時に多重結界を張ってくれたおかげで被弾せずに済んだのだった。



《見た目に騙されて油断していると命取りになるですよ! スライムは強力な粘着性と融解性を持つです。いくら『物理攻撃無効』の特性があっても、動けなくなっては生殺しになるですよ!》


強力な粘着性……、それは厄介だな。どれだけの粘着度があるのかは分からないが、リーナが多重結界で防ぎ警告してきた辺りから相当なものなのだろう。

 『物理攻撃無効』は、強力な防御に成り得るのは確かだが――、無敵な訳じゃない。リーナの言った様に、動きを封じられれば無効化されるのと同義だからだ。

 凍結、束縛、監禁――、今回の粘着も然り。身体の外的要因による無効化も色々あれば、眠る事はないだろうが昏睡、気絶、はたまた意識剥離などの内的要因による無効化も考えられる。


 自分の持つ武器を正確に把握するのも大事だが、それと同時に弱点もしっかりと把握しておくのが大切なんだ。得意、不得意を理解する事で、戦況の運び方にも幅が広がり、結果が大きく変わってくるのだから。


 それに――、自分の事を棚に上げて、他人の良し悪しを得意げに口にするような人間に、俺はなりたくないんでね。



 ともかく、今は戦闘態勢へと敵が入ったのだ。俺も気持ちを切り替えねばならない。


 俺は上空へと飛翔し、スライムから一度距離を取った。

 おそらく直接触れるのはマズいだろう、『言想ノ神眼』はしばらく使えない事からも、他の手法で触れずに倒すしかない。


 俺はキッ――と目力を入れると、スライムへと向けて、片翼を思い切り振り抜いた。


 『空気操作』にて顕現するは、三日月を描く風の刃。標的目掛け一直線に、疾風の如く駆け抜ける。


 ズバァッ――と響く衝撃音と共に、魔晶石ごと両断されたスライム。

 地には抉られた様に貫通の傷跡が残り、風刃の威力を物語っている。


 レベルAにまで上り詰めたあのスライムを見た時、地球では最弱のレッテルを張られていたイメージ故に、「大出世したじゃないか!」と思っていたのだが――、やはりスライムはスライムだったようだ。



(思ったよりも、呆気なかったな)


 つい漏れた本音の一言。魔晶石が両断された今、事態は収拾されたのだ。



 ――と思っていたのだが、慌てて口を挟んできたリーナの言葉によって、それは誤りだと知る。


《なんで戦うですか! 言ってる事とやってる事が違うです!》

(向こうが仕掛けてきたもんだから、つい……な。まぁなに、倒したんだから結果オーライだろ?)

《全然オーライじゃないです! ”一番やっちゃいけない倒し方”をしたんですよ》

(え……)


 リーナが口にした意味深なフレーズによって、無事に戦闘は終了したと思っていた安心感が不安へと変わりゆく。

 一体なんの事だと視線の意識を戻せば――、目の前の”予期せぬ事態”に驚愕と焦りの念が体中を巡り、同時にその言葉の意図を理解せざるを得なかった。



 そう――、スライムは生きていたのだ。それも、二体に分裂した形で――。


 分断された魔晶石を個々が持ち、サイズこそ少し小さくなったものの、まるで何事も無かったかの様にピンピンしているスライムの姿がそこにあったのだ。


《スライムは体内で魔性石を破壊されると、その欠片の数に応じて体を再構築するです。正しい討伐の手段としては、魔晶石ごと完全に焼却するか、凍結させるのが有効的です》


 分断されたスライムがそのまま生きているのを見て、そういう事だろうと思ったさ。体内で魔晶石を砕く――、それが”一番やっちゃいけない倒し方”なのだと。

 

 だったら――、



 俺は一体のスライムを標的に定め、その頭上に位置する様に飛翔すると、ピンと翼を張りその場に留まった。


(粘度が高くとも、流動体である限り振動の影響は受けやすいはずだ)


 風に波打つ水溜まりの様に、地震による海の津波の様に――。振動は書いて文字の如く、物質に伝い、震わす影響力を持つ。


 故に――、イメージするは、”高圧力のエアーブロー”。


 真下のスライムへと向けて、二枚の翼から凄まじい旋風が巻き起こる。

 土埃が一瞬で拡散し、壁と共鳴する風の音が重低音の咆哮の如く轟き渡る。

 

 まるで巨大扇風機――、否、竜巻と表しても過言では無いだろう。



 当然の如く、その影響下にあるスライムの体には変化が起きていた。

 上部の方から地へと這い広がる様に、風圧によって体が押し狭まれていたのだ。それは内部の魔晶石を徐々に露見させていき、ついには弱点を完全に表へと出す形になった。


 俺はすぐさま腕を伸ばし、両手で掴み取る様に魔晶石を奪取しては、エアーブローを解除すると共に急いでその場から離脱する。

 そして半分の姿になっているそれを宙へと放り、風刃で粉々に切り裂いた。


 いくつもの小さな破片と化した魔晶石が、重力の流れに沿って地へと落ちる。キラキラと輝きながら降下し、地へと接触すると更に砕け、散りゆく無数の結晶となっては――、その姿を消す様に消滅していくのだった――。



(よし、これで残るは――)


 残りは片割れのもう一体。単純にそう思い、視界の意識を向けたのだが――、はておかしい。

 2から1を引けば、その答えが1であるのは小学生でも分かる事だ。下手したらチンパンジーでも理解出来る簡単な計算のはず。


 であるからして、何故に目の前に存在しているスライムが、残り”六体”なのであろうか。



(あれ、おかしいなぁ……。六体に見えるんだけど目の錯覚かな?)

《スライムは命の危機を感じると、種の生存本能により自ら魔晶石を等分し、自己分裂する性質を持つです》


 はは、そりゃ凄い。多細胞生物の様に、一種の不死化に成り得る訳か。寿命概念のある動物にとっては、夢の様な機能だ。


 でもな、そんな事はどうでもいいんだよ。



(だから――っ! そういう事は初めに言えよ!)

《初めにジークは”戦わない”って言ったです。私は何も悪くありませんよーだ。バーカバーカ》


 ほう――、この俺に対して”バカ”だと?

 中学に上がった頃から全ての時間を勉強に費やし、中学・高校・大学と全国模擬試験では常に堂々たる満点一位。地球上におけるありとあらゆる分野・学目の知識を十年に渡って蓄え、『歩くグーグル』とまで呼ばれたこの俺を、よもやバカと称するか。

 

 いいだろう、ならば見せてやる。

 この世界でいかに特殊な力を手にしたとあろうとも、俺の持つ最大の武器は”頭”であるという事を!



《すでに一体討伐した事から、向こうは過剰に警戒していると思われるです。個々に撃破するのでは余計に数を増やされるだけですので、ここは後日に回して戦略的撤退を決断した方が無難です》

(――だが断る!)

《は?》


 リーナの言う事は分かるさ。今は倒せなくても今度倒せばいい、魔力が残り少ないから一度拠点に戻った方が無難――、それが賢明な判断とも言える。


 しかし――、目の前の状況に屈したり脱力するのが、「どうせ無理だから」「めんどくさいから」「明日やればいいや」――、などという理由はただの”逃げ”だ。

 俺にはまだ、持てる限りの力の全てを出し切った訳じゃない。まだ手があるからこそ、逃げるわけにはいかないんだ。


 とどのつまり、リーナに一泡吹かせてやりたいんだよ!



 六体のスライムからある程度の距離を確保した所で、俺は地へとその身を降ろしていった。

 地上へと足を着いた所で、反応するスライム群がソロリソロリ――と、プリンの様に体を揺らしながらゆっくりと接近してくる。


(リーナ、魔力圧縮を行う。最大15パーセントに達した所で制限をかけてくれ)

《別にいいですけど、後の事は知らないですよ》



 逆算すると『言想ノ神眼』は、一度の発動に40パーセントの魔力を必要とする事から、残りの保有魔力がおよそ20パーセントである今は使用不可能だ。

 『空気操作』による風刃では魔晶石を分断するだけで、それが数を増やしてしまう事とイコールになってしまう訳だし、エアーブローも複数相手では効果が薄まってしまうので、必然的にこちらの魔力が持たなくなる。


 以上を踏まえた上で、残された最後の一手として、『反射眼』の使用を試みるという結論に至ったのだ。


 『反射眼』により魔力の内部反射を行い、その範囲を徐々に収縮する事で魔力を圧縮し、魔力密度を高める算段を取る。

 魔力はエネルギーそのものであり、移りゆく事からおそらくは拡散する性質を持ち合わせていると仮定すると、圧縮した魔力を解放した時は相乗効果も乗り、凄まじい膨張効果が発揮されるはずだ。


 そう――、パンパンに膨らんだ風船が破裂するかの様に。


 そのエネルギーを、レンズを射出口として解き放つ事で、最終的に”魔力エネルギー砲撃”を実現させるのが今回の狙いである。



《使用魔力上限15パーセントに到達。圧縮魔力安定。いつでもいけるですよー》

(よし、一気に畳みかける!)


 六体のスライムが徐々に近寄って来る事で、スライム各々が距離を詰め、集団を形成している。

 これも計算の内、纏まっている方が一度に狙い打ちしやすいからな。


 そして俺は両手を広げ、目力を込めた後にカッ――と目を見開き、思考の末の必殺名を叫んだ。



(魔力ビィィィィィーム!)



 それは――、視界の全てを埋め尽くす濃厚な紫。


 それは――、爆発したかの様に空気を震わせる驚異の轟音。


 それは――、レーザー光線の様に可愛いものではなく、キャノン砲にも似た大砲撃。


 全てが治まった後、壁には無数の亀裂が生じ、砲撃の道筋であった地面には一直線に抉られた傷痕が残り、いくつかの壁を貫通したのか、何層にも渡った大穴が開けられ、六体のスライムは――、跡形も無く消滅していた。



(どうだ見たか。これが実力、これが結果だ!)

《圧縮した魔力の砲撃ですか。なるほど、いいデータを取る事も出来たです。……その決め台詞も、壁に埋まっていなかったらさまになっていたですがね》


 そう――、何を隠そう事後の俺は、壁の中に埋まっていたのだ。しかも本日二度目である。

 予想以上に――いや、予想を遥かに上回る程に魔力ビームの威力が高過ぎた為、放った衝撃で後方に大きく吹き飛んだのだ。そしてそのまま、壁にめり込んだという――。



(まぁ、敵を一網打尽に出来たんだ。それに魔力ビームも調整すれば、今度に生かせる。今日の収穫は大きかったと思うし、上出来だろう!)


 凄まじいスピードとパワーを誇る、カラスロード。変幻自在の攻撃と強固な防御を併せ持つ、岩ギンチャク。不死とも言える分裂能力を保持する、スライム。どれもレベルAに相違ない実力を持った猛者達。そんな魔物との戦闘を経て、今日の探索では色々な面で得られた物は大きいだろうと振り返る。



《100点満点中、50点です!》


 何故か急に、点数方式で今日の成果を示す博士。

 おいおい、いくらなんでも低すぎるだろ。マイナス50点もの要因はなんだって話だ。


(個人的には90点くらいだと思うんだけど……。何がそんなに低くしてるんだよ)

《スライムとの戦闘における最後、魔力砲撃を放つ際に、ジークはなんて言ってたですか?》

(ん? 魔力ビームだけど)


 特性やスキルを用いるのに、イメージが大きく影響される。次に同じ手法を用いる際にも、予め名称を付けておいた方がイメージしやすく、効率の上昇にも繋がるんだ。


 しかし、それが一体どうしたっていうのだろうか。



《ネーミングセンスが”ダサい”です! マイナス50点!》

(え……)


 まさかのまさか、そこがマイナスポイントだとは毛程も思っていなかった。それなりに考えて付けたつもりだったのだが……、そうか。ダサかったのか。


 なんだろう――、魔物との戦闘では傷一つ負わなかったのに、違う意味で傷を負った気がする。それも敵ではなく、味方であるはずのリーナの手によって。


 仮にもリーナは、声からすると女だ。

 女性に「気持ち悪っ……」と言われると個人的に一番傷つくが、そこまではいかなくとも「ダサい」と直接言われればそれなりにグサッと来る。


 今度は少し、凝ったネーミングを考える様に心掛けよう――。



(……しょ、精進します)


 

 内包する魔力も極僅か、意図せぬ所で精神的気力も極僅か。

 

 今日の行動は、――ここまでだ。

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