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16.どうなっているの!?

16.どうなっているの!?


 学校が終わると萌果は美紀に連れられて美紀の家を訪れた。

「うわあ!素敵なお家じゃない。羨ましいわ」

 生まれてこの方ずっと社宅暮らしの萌果はこういう一戸建ての家に憧れていた。

 玄関が二つある。それぞれの玄関に『伊藤』、『渡辺』の表札が掛けられている。萌果はそれを見て「えっ?」と思った。そして、美紀が『伊藤』ではなく『渡辺』の玄関を開けたので更に驚いた。


 伊藤美紀は将来の夢のために東京の学校に通っている。実家は九州なのだけれど、親戚の渡辺さんが身元引受人になってくれたので一緒に暮らしている…。萌果が知っている美紀の情報はそんなところだった。

 美紀たちが社宅を出る時、九州の両親が転勤で東京に戻って来るので美紀は両親と一緒に暮らすことになった。渡辺さんは独り暮らしになるので単身者用の社宅へ引っ越すことになったというのが表向きの話だった。


 廊下の突き当たりにあるドアを開けるとそこは広々とした居間だった。おしゃれなソファーに年配の女性が座っていた。

「こんにちは。お邪魔します」

 萌果はその女性に頭を下げた。

「お母さん」

 美紀がそう耳打ちしてくれた。

「お母さん、ただいま。お友達を連れて来たの。私の部屋で勉強するから」

 そう言うと、美紀は萌果の手を引いて階段を上がって行った。


「玄関は別々だけど、中でつながっているのよ」

 美紀が萌果に説明してくれた。けれど、萌果が聞きたいのはそんなことではなかった。

「ねえ、どうして渡辺さんの表札があるの?渡辺さんも一緒に住んでいるの?」

 萌果の問いに美紀はとびっきりの笑顔で答えた。

「だって、俊樹さんは私の旦那様なんだもん」

 だ、旦那様って…。

「えーっ!二人は結婚しているの?」

「バカねえ、私は16歳未満なんだから結婚できないよ」

 あっけらかんと答える美紀に萌果は何がなんだか解からなくなった。




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