第1魔法
これは遠い昔の記憶、まだ青年が少年だった頃の話。
「ねぇ、■■■■?大きくなったら何になりたいの?」
彼女は僕に問いかける。いつも笑顔で、いつも一緒に居る彼女はいつもとは違う表情で問いかける。
「僕はね、魔法騎士になりたい!父さんは危ないからやめとけって言うけど僕はなりたいんだ。カッコイイし強いしね。」
だから僕は真面目に答えた。僕の家は王都から遠い農村、山々に囲まれた村にある。みんなには家を継ぐって言ってるけど本当は魔法騎士になりたいと考えていた。
それを聞いた彼女は嬉しそうに微笑んだ。
「そうなの?貴方ならなれるわよ、頑張ってね!」
「任せてよ!僕がみんなを守るんだ!勿論君の事もね!」
僕は夢を否定されなくて嬉しかった。だから言ったんだ。
「僕が必ず君を守るよ。」
恥ずかしくてそっぽを向いて、僕は彼女に言った。すると彼女は少し悲しそうな顔をしながら笑う。
その二週間後、魔王が復活したと王都から各町村に伝えられた。
その時知ったのだが彼女は王都の貴族の家の子だったらしく村から王都へ行ってしまった。
「私に会いたかったら魔法騎士になって、そしたら会えるから。」
そう言い残し彼女は去って行った。
その時から僕の、いや俺の夢が決まった。