二度目の別れ。
「貴方のせいよ!」
お母様の口から出てきたのは、私に対する叱責と侮蔑の視線だった、
「お母様…」
「貴方にそう呼ばれたくないわ!折角伯爵家の第一夫人としてあの人に会えるようになったのに。幸せの絶頂にいたのに。全てを壊してくれて、許せるわけないじゃない」
伯爵家第一夫人だからと言って前妻の子どもを大切にする事受け入れるんじゃなかったわ。
続けて出てきた言葉は私にとって目の前を真っ暗にする言葉だった。
「だから会うなといっただろう。」
「お、お父様」
「私は、自分のすべきことはしましたわ!こんな扱い不当に決まっております!そもそもカルミュスがすべての原因ではないですか!」
「少し黙ることはできないのかブリジット。今回の離縁の鯨飲は明らかに君だ。不貞行為に姦通罪。相手が相手だから誰も批判できないが本当なら処刑も視野に入る問題だ。それを理解していないのか?それとも理解しながらそのようなことを言っているのか?」
お父様の冷めた目線を受けながらいまだにお母様はなにかをいっている。でもそれはもう私が理解できることではなかった。
お母様が本当の母親ではない。そのショックで何を考えたらいいのかわからない。とにかく今お母様が言ったことをまとめると、私はお母様の子供ではない。
そして、お父様が以前結婚していた人との間にできた子供でおそらく母親ともう会うことはない。だからこそお父様は夫人が誰もいないということはまずいことと、私に母親をということでお母様と結婚した。
そういうこと?
「おねえさま。」
思考の渦の中にはまっていたが、幼い弟の声で浮上した。
声のした方向に顔を向けるとクライヴが泣きそうな顔をしながら私を見ていた。
「おねえさま、また、あえますか?」
「クライヴ・・・ごめんなさい。私では神殿に入ることを許されていないの。だからきっともう・・・」
「ぼくは、おねえさまといっしょにいろんなことをしてみたかったんです。でも、もうできないのですね。」
「ええ。ごめんなさい。」
私の力がもっとあったら、そう思うと弟にこんな顔をさせているのが忍びない。
「おねえさま、きっといつかまたあいましょう。ぼくがんばります。もういちどおねえさまといっしょにいれるように、しんでんでがんばりますから。」
「・・・そうね、またね。クライヴ。」
「はい。またおあいしましょう。」
最後までクライヴは笑顔を見せてくれなかった。
私が壊した、家族との別れはこうして終わった。
一応ここで第一章が終わります。
つたない文章ですがご覧いただきありがとうございます。
明日からは第二章魔法学園編になります。