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夕暮れが迫る  作者: 井藤 莉子
1、別れの繰り返しの生活
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過去のスキャンダルの影響

夢で大量の記憶を得たとき10日ほど眠り続けいていたらしい。


「大変心配いたしました。もしこのまま目が覚めなければお亡くなりになってしまうのではないかと。お医者様もなぜこんなにも目が覚めないのかわからないとお話しておりました。」

「そうなの、心配をかけたわね。でもそういったことならお父様やお母様にもご心配をおかけいたしました。と、告げたほうがいいのかしら?」


リッテルの顔がこわばり、横にゆっくり振った。


「お嬢様、、お二人ともそのような時間はないとおしゃられ一度も見舞いにも来られませんでした。おそらくですがそのように行きましても時間がないとおっしゃられるだけかと。」

「そう、・・・でも一度もお伺いしないのもおかしいわよね。いちおうお伺いしたいとそれぞれの侍女にお伺いを立ててもらえないかしら。」

「かしこまりました。」


頭を下げリッテルが退室すると思わずため息をついてしまった。

家族の仲を今の冷え切った状態から少しでも良くしたいと考えているのになかなかうまくいかない。

もちろんそんなに簡単に変えられるとは思っていないが、家族の仲を決定的に分けたのは私なのだから私が簡単にあきらめるわけにはいかない。


三年前、まだ四歳の時弟が生まれた。それをきっかけに両親が不仲になった。

理由は弟の髪と瞳。

父のものとも母のものとも違った。もちろんどちらの一族とのものとも違い、結果として弟をユーリロッテ家のものと認めるわけにはいかなかった。

まだ、ほかの貴族の特徴ならまだよかった。

弟の持って生まれた色はこの国でもっとも高貴な色。プラチナブロンドと濃い紫の瞳。

紫の瞳が濃ければ濃いほど王家の直系の血を受け継いでいるといわれていた。

現在の国王と母は幼いころから仲が良いこと言われ将来は結婚といった話も出ていたらしい。しかしある事件が起こり話は流れて行った。

そのまま、今に至るまでずっと国王と母とのスキャンダルは貴族社会を沸かせていた。

そこに弟が生まれた。王家の証ともいえる色をもって。

どのような意味があるのかなんて誰でもわかる。そのため言葉にすることができなかったことを私が指摘した。国王様に似ています、と。

それから母は外に出ることは父に禁止され、なくなった。国王の権威も下がってきている。おそらくもうじき退位して弟に譲ることになるといううわさが流れるくらいだ。


「カルミュス様、申し訳ございません旦那様にお話を通すことはできましたがそのまま奥様にはお会いすることは禁じられてしまいました。」

「・・・そうなるとは思っていました。お父様にお会いできるのはいつですか?」

「明日になっております。明日の5つの刻半でございます。」


明日、お父様とお話合いで何かを変えることができるのでしょうか。


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