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夕暮れが迫る  作者: 井藤 莉子
2、魔法学園
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クラスメイト達

入学式が終わるとこれからの授業について説明するらしく教室にはいるように指示された。

と言っても廊下から一人ずつ扉を開けると自動で教室に着く。

魔法ってすごい。


「しかし見事に男ばかりだな。」

「…ええ、」


確かに20人のクラスメイトのうち女子は私だけ。

各家の跡取りが集まるSクラスではそうなるのもわかるがなぜ王子殿下が私の隣にいて話しかけているのか。


「王子殿下、ご挨拶もあることと存じますので失礼させていただきます。」

「あ、ああ、そうだな。ではあとで。」


もしかして王子殿下は私が関わりたくないのを見越して意地悪しているのか、それとも空気を読まずに気がつかないだけなのか、

どちらにしても面倒な事だ。

挨拶は爵位順に行われる。

公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵、騎士位。たしか侯爵家の人は同じ年にはいなかったはずなので公爵家の次に挨拶をする。

でも、私はさっき王子殿下に挨拶してしまったからどうしよう。

そんなイレギュラーは習ってなかった。

今まで全く社交をしていないとなるとこんなところに問題がでてくるとは思わなかった。


「カルミュス様、ご挨拶させていただいても?」

「ええ、初めまして、ですわね。」

「はい。ブローサ公爵家次男セシルです。よろしく。」

「ご挨拶が遅れて申し訳ございません。ユーリロッテ家長女カルミュスでございます。」


まさか、公爵家の次男が先に話しかけてくるとは思わなかった。

私が先に話しかけなければいけなかったのに、初日から大失態だ。


「いや、そんなに気にすることはないよ。ユーリロッテ家と言えば伯爵という地位があっていないくらい実力のある家だ。しかも君は令嬢。令息たちのルールに従わなくても構わないさ。むしろ令息達に挨拶させるのが正しい上位貴族の令嬢達だ。」

「そうもうされましても…」

「君は令嬢としての教育は受けてないみたいだね。大体そういった人が多いから気にしなくて良い。」

「おいセシル。なにカルミュスを困らせてるんだ。」

「いや、彼女が色々気にするみたいだからそんなことしなくて良いよって教えていたんだ。」

「そうか。カルミュス気を付けろよこいつは綺麗な女性を見ると口説かずにはいられないみたいだからな。」

「いや、それは君だろジョージ。噂に鳴ってるからね。」


二人がそうやって笑ってるけど私は笑えない。

まて、他の人達が挨拶してこないところを見るともしかしてスルーされた?

そして、もしかしてこの三人をワンセットとして面倒なことを私に押し付けようとしてる?

貧乏くじをひかされたのかもしれない。

其にしてもクラスメイトたちは薄情なやつらばかりだ。

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