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夕暮れが迫る  作者: 井藤 莉子
2、魔法学園
14/40

王子と側仕え

入学式か行われる講堂は様々な行事が行われる場所で、今年は平民の入学も多かったため700人近くの新入生がいる。

普通は500人いない位と聞いているから今年がどれだけ多いかわかる。

新入生のうちの150人程度は外国からの留学で、つまりはそれだけの人が国がここ、リリーフェストとのつながりを求めている。

王子がいるというだけでこうなる。


「やっぱり王子とのつながりを一番に考えた方が楽なんだけどなあ。」

「カルミュスお嬢様では、私は側仕えコースの席に向かいますので。」

「ええ、わかったわ。」


講堂に入ったときに先生からクラス分けとおおまかな席の場所を教えてもらっていた。

アンジェリーナを先に側仕えコースの方に向かわせても飯野も知れないが、伯爵家の令嬢としては側仕えもなくうごきまわれない。側仕えコースの席は離れたところにあるから先に向かわせた方がいいのに、

そう考えるのは夢の中の世界の影響。

段々と私が普通の令嬢としての考え方と違うことが分かってきた。

どうしようもないが、早く忘れなければならない。


「失礼、隣は空いていますか?」


声をかけてきたのは何処かの側仕えの少年。少し考え事をしているだけて時間がたっていたようで回りはかなり埋まってきている。


「ええ、空いてますわ。どうぞ。」


近くに座るということは同じクラスの人。無下に扱うよりも笑顔で応対した方がいい。


「殿下、此方に。」

「ああ、わかった。グレンもクラスに向かっていい。ご苦労だったな。」

「いえ、勿体ないお言葉です。では御前失礼いたします。」


殿下、は別だ。

近づくなと言われていたのに向こうから拒否できない形で近づいてきた場合はどうしたらいいのですかお父様!!


「グレンもなかなかやるな。」

「…どうかいたしましたか?」


これ、私が殿下に気づいてること分かって話しかけてきてるはず。

だって絶対無視されると思ってないもん。

ああ、予想外の出来事に思考がめちゃくちゃで、結香がでてきてる。

これ、まずい、まずすぎる。


「こんなに可愛らしい人のとなりを確保するなんてなかなかやる、と思ってな。」

「あら、ご冗談が過ぎますわ。」

「名前を聞いてなかったな。なんという。」

「カルミュス・ユーリロッテですわ。」

「ユーリロッテ…だな、分かった。そなた」


またしても言葉を重ねようとしている殿下だったが突然音楽が流れだし言葉は聞き取れなかった。

ラッキーととるべきか後々めんどうさい事になることを嘆けばいいのかわからない。

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