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朝…かな外から光が差し込む
シートに座ったまま、どうやら眠っていたようだ
ここから見える景色はおそらく日本でもめったに見られない絶景だ
機械化した街と遥か昔から残っている大自然を隔て立つこの橋
そんな所で朝を迎えられるとは豪華かな気分だ
ふと携帯端末に目をやる
仕事の依頼は基本的にはこの端末で済ませている
俺は個人営業だ。こいつに頼って仕事してるようなもんだ
端末はメールの映像がついていた
美しい金髪の少女が映っていた
「お願い…助けて…バンヤンタウン通り…30分後…それが限界」
伝言は一件です
つまりは…仕事の依頼だ
朝日に向かって俺は言う
「了解!今後ともごひいきに」
急いでトライドを起動する
ォォオオーン‼︎
目覚めの唸り声が朝の街に響く
「いこうか!ナイト!」
猛スピードでスタートするトライドのGで
一瞬シートに貼り付けられる、が、俺はこの感覚が嫌いじゃない
あっと言う間に300Kmに針が上がる
この加速がこいつの武器だ
これなら20分早く着くだろう
バンヤンタウン通り
着いた。果たして依頼人は何処か
場所はここだが依頼人の姿はこの人混みの中探すのは骨が折れる
し、なにより路駐してっとまたオマワリに目をつけられる
さてどうする
と、横を見ると少女が立っていた。あの映像の少女である
「な?…」俺は驚いたここ数年俺に近づいた人間はいない。それだけ気を貼っていたのだから
少女は言う
「いまから6秒後に追っ手がくる
わたしを…守って…」
俺は彼女の後ろの倒れゆくビルを見た
それは確実にそしつありえないスピードで俺たちに向かってくるのがわかった