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「奴の術を封じる良い手は無いものか……」
朱雋が軍議で意見を求めると諸将沈黙の中、関羽が発言する。
「拙者、あの黒い軍団と闘って一つ気が付いたことがござる……」
「ほほう、気が付いたこととは?」
「黒い軍団の兵士はどうも相手を殺戮し、血を浴びると自らは霧のように消えてしまうようなのです」
「なるほど、つまり?」
「はい、奴らを一か所に誘い込んで、あらかじめ集めておいた家畜の血を浴びせれば消えてしまうのではないかと考えたのですが……」
「うむ、そういえば昔どこかで妖術の解法に獣の血を用いると聞いたことがある、一度試してみる価値はあるかもしれぬ。玄徳殿お願いできるか?」
「分かりました、早速試してみることにしましょう」




