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「なんて奴らだ!!ゆるせねえぇぇ!兄貴!!こいつら全員叩き斬って先生を助けよう!!」
そばで二人のやり取りを聞いていた張飛が武器を構えて激怒し、護衛の兵士たちが身構える。
「やめないか益徳!この護送車は朝廷の命によって動いているのだぞ!」
玄徳は自らも怒りと涙に震えながらそれを厳しく制し、連行されていく盧植を見送るのであった。
そして、ようやく広宋に到着すると、新たに任命されたと言う董卓の姿は無く、自ら軍勢を引き連れて張角を討つために出陣中であるという。
到着した軍団はたらいまわしにされた結果、待機命令が出されたのだった。
何とも言えない嫌な空気の流れる中、関羽が進言する「兄者、盧将軍が解任された今、我らは元の義勇軍に戻ったでござる。皆も強行軍が続いて疲労しているゆえ、ここはいったんタク郡へと引き返しませぬか?」
「うむ、そうだな、そうしようか……」




