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帝は困惑し、群臣たちに「これらの災いが引き続くのに何か原因でもあるのであろうか……」と問うと、議郎(ぎろう【衛門職】)の蔡ヨウ(さいよう)がそれにこう答えました。
「それは宦官が政に口を挟んでいることが原因でございましょう」
蔡ヨウが帝に対して、その良くないことを理路整然と説くと「なるほど……それは一理あるかもしれぬな」と問題点に気が付いた帝はため息をつき、何らかの対応をすることを決めたのです。
しかし、曹節たち宦官は、この時の様子をうかがい見て素早く策を巡らせ、逆に蔡ヨウを罪に陥れると、都から追放してしまったのでした。