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「玄徳よ、我が軍は今この賊軍をしっかりと取り囲んでおるので、敵は動けずにおる……しかしそなたたちの助力があったとしても撃破するまでの余力はこちらにも無い。」
「我らでは先生のお役には立てないということでしょうか……」
玄徳が意気消沈しかけたが、盧植は首を横に振って続ける。
「いやいやそういうことではない、そなたたちには我らが足止めをしている間にまず、張角の弟、張梁と張宝が支配している潁川郡へと向かって欲しいのだ。」
「潁川、確か今は皇甫嵩、朱雋の両将が激戦中であるとか。」
「そうだ、まずはそちらを先に撃破し、敵の士気をそいだうえで合流しこちらを撃破するのが上策であるとわしは考えるのだ。」
「なるほど、確かに……承知いたしました。そういうことでしたら急ぎ潁川へと援軍へ向かいます。」




