第2話
「っはぁ、はぁ、はぁ」
息が、切れる。
おそらく、あんな胸糞悪い最後の夢のせいだろう。
なんであんな夢を見るようになったかは僕にもわからない。
だけど、最近やけにあの夢をみる。
時計を見る。
「ったく、まだ朝4時かよ。」
まだ朝は早い。もう一度寝ようと思った、その時
ーーガタッ……ガチャッ
僕しかいないはずのこの家のドアが、勝手に開いた
「だ、誰だ……」
冷や汗が流れる
ーーギイイィィィ
「ねぇルシファー、うるさいんだけど」
なぜかわからない
だけど、その顔を見た瞬間とめどなく涙が溢れ出した
「ミカ、、、エル」
「え、ちょっとどうした?!なんでそんな泣いてるのさ!」
「い、いや…何もないよ」
とてつもなく嬉しい
そんな想いが胸に溢れる
だけど、それと同時にあと少しで彼女を失ってしまうような
そんな気がした
「ったくもう、うなされてるかと思って文句言いにきたらいきなり泣き始めるなんて…あんた今日学校休む?」
「なんでうなされてたら文句言いにくるのさ?!慰めにきてよ。あと普通に今日学校行くよ。今日は天使としての昇格チャンスだからね」
そう、僕らは神に使える天使
こんなことで休んではいられない
ま、これまで1神は1度も姿を見せたことがないんだけどね
「ちぇっ、せっかくライバルが減ると思ったのに。休めよ、今日くらい」
少し拗ねた様子でミカエルが言う
「居候させてるこっちになんてことを言うんだい。別に追い出してもいんだよ?君のこと」
「できるの?優しい優しいルシファーくんに」
「うっ、、、」
実際僕はそんなことできない
なんでかって?可哀想じゃん
冬の外に1人放り出されるだなんて僕だったら死んじゃうね
そんなこと考えるせいで脅そうとは言っても実行できないのだ
「無理でしょ?できないことは言わないの。それじゃ、私は寝てくるから。もう起こさないでよね」
そういって、ミカエルは自分の寝室に戻った
相変わらず、僕のこのよくわからない感情の本流はとどまりを知らない
まだ気を抜くと涙が出そうなほどに、僕の感情は昂っている
「はぁ、、、寝るか」
こんなよくわからない感情に付き合っていても、何の意味もない
だから、僕は通学までのあと少しの間寝ることにした