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第2袋 おばあちゃんと…どこ?




「…ん?」


さわさわと木々の葉が擦れる音がする

日差しが暖かい

風が頬をくすぐる


「…ここは…?」


目を開けると、そこは木々が生い茂る森?の中だった

私はこの大木にもたれかかっていた


「あら…あなたが私を支えてくれていたのねぇ…ありがとう」


しわくちゃの手で大木の根を撫でるとまるで喜んでいるかのようにまた葉がさわさわと揺れる


「天国にしては誰もいないわねぇ…よっこらしょ、と」


我ながら年寄り臭いがやはり立ち上がるには踏ん張りと一声が必要である

大木に寄りかかりながら立ち上がる

死ぬ直前のような体のダルさや痛みなどはどこにもない

しかし、腰は曲がったまま…手腕はしわくちゃのままだ

着ているものもいつも掃除や畑仕事用に着ていた服で白装束とかではない


「すみませぇん、誰かいませんかぁ?」


周りに人らしき影はなかった

見渡す限り木々ばかり

今の日本に人の手が加えられていない森があるとは考えられないほど自然に溢れたものだ


「うーん…困ったねぇ」


私が頭を抱えていると…背後で茂みがガサッと動いた気がした


「誰かいらっしゃいますかねぇ?ごめんなさいね、初めて来た場所で迷っちゃって…」


茂みの方へ向かって声をかけると、数秒間が空いてまた茂みがガサガサと動き人が姿を現した


「なんでバァさんがこんなところにいる?まさか冒険者なんて言わねぇだろうな?」


そこには腰の曲がった私より少しだけ背の高い立派な髭を蓄え大きなリュックを背負った大柄の男の人が現れた


「あ、いえねぇ目が覚めたらこの大木の下で眠って?しまっていたようで…あ、ごめんなさいね、名前も言わずに…私の名前は千代子、桂馬千代子と申します」

「…あ?あ、あぁ、俺はドルフィ…見ての通りドワーフ族だ」

「どわぁふ?」


聞きなれない言葉にキョトンとしているとどるふぃさんも小さな目をパチクリと見開いた


「は?ドワーフ族ぐらいわかるだろ?アンタ…えーと…チヨコ?だって人族なんだろ?」

「人族?人間…だとは思いますが…ごめんなさいねぇ、やっぱりどわぁふさんは聞いた事ないわぁ…」

「聞いた事…ない」


どるふぃさんは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をするとプッと吹き出し豪快にガハハハハ!と大笑いした


「不思議な人族だな!…面白い!なぁチヨコ!俺の里に来ないか?しばらく面倒見てやってもいい」

「あらあら、構いませんの?ではお願いしようかしら…1人では心細くて」

「あぁ!じゃぁ行くぞ!」


そういうとどるふぃさんは茂みをかき分け進んで行った

私は数歩歩いたところでくるりと踵を返し、私が背もたれていた大木に一礼しどるふぃさんの後を追った





こっちのが書くの楽しくなってきたかもしれません

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