第六話 次の隙間
さて、五位になった時に話を戻す。
表紙に入った瞬間、これは最大のチャンスだ。
五位がチャンスなのではなく、入った瞬間。
特に、上位五作品がしばらく停滞していた後などは大チャンスになる。
ランキングを頻繁に見る人からすれば
「お、なんか上がってきた!」
となるからだ。
これが、上から下がっただけなら
「ああ、あの作品下がったのね」
ってだけだ。
前述した奇策が功をそうしたのか、それともそんなものなくても上がれたのかはわからない。
ただ、ここで恐らく「簡易版第二ブースト」が発生した。
表紙入りしたことで、簡易版読者の一部が完全版の存在を知ったのだ。
これは感想などから、そのように把握した。
そして、一位に何度か肉薄した。
だが⋯⋯。
現一位も、前回五位から一位に繰り上がった作品同様、章句切りのブーストを使った。
かなり近づいたのに、ここでまた引き離される。
私の作品が「完結済み」という脆さが出た。
完結していると、複数更新でPVを稼ぐ、といった手が打てない。
連載しながら未評価の読者を抱え、ここぞとばかりに区切りのブーストを使ったりできないのだ。
一位にブーストされた瞬間、今の未来はある程度見えた。
恐らく、これで二日ほど離される。
追い付いたころ、新しく上がってきた作品が、ブーストを使い切った一位を追い抜く。
つまり、次に一位を取るのは、次に上がってくる作品だろう。
と、思った。
それでも諦めず、速報でお伝えしたように、20ptまでは近づいた。
だがここまで。
実は、打てる手はあった。
「後日談の投稿」
だ。
この後日談は、完全版にとってある意味真のエンディングとも言えるエピソード。
構想はあるし、ぱぱっと書くなら1日でできる。
でも、やめた。
時間を使い、しっかりしたものを書きたい。
ランキングに固執して、適当な物を書きたくない。
それが、この作品を二位まで押し上げてくれた人達に対する礼儀だと思った。
というわけで。
私のランキング一位チャレンジはここまで。
完全版は、ジャンル別最高順位『二位』で恐らく終わり。
なので、後日談の投稿はもう少し先。
恐らく⋯⋯
コミカライズ開始の発表と同時ですね!
このエッセイで伝えたかったのは、ちょっとした事で、その作品の運命は変わる、ということ。
五位に入れなかった作品の中に、五位に入ってもおかしくなかった作品が多数あった、という事実。
だから作品を書く意外にも、「どうやったら、自分の作品がもっと読まれるのか」
というのを考えるのは、無駄じゃないと思います、ってことです。
今回もシルバーコレクターになっちゃいましたが、今日から改めて「なろうの隙間」を探していきます。
それでは!