第三話 9.7
9.7。
この数字を見て「ピンッ!」とくる人は、相当に小説家になろうを研究している。
これは、私の作品『完全版』の評価の平均点である。
小説家になろうにおいて、ユーザー1人あたりが一つの作品に付与できるポイントは10点満点だ。
作品管理ページの『評価ポイント平均』だと、これは★とともに五点満点で表示されている。
小説家になろうでは、以前は作品を10点満点で評価していたのだが、今は2点刻みだ。
★一つが、2点。
つまり読者は2、4、6、8、10から評価ポイントを選んでいる。
では、作品名をコピーし、小説を読もうで検索してみて欲しい。
すると、各作品において『評価ポイントの合計=a』と『評価した人数=b』を知る事ができる。
このa/bで出る数字が、一人あたりの評価平均点、ということになる。
ちなみにPCなら、マイページの作品管理で見ることができる。
そう、9.7とは、完全版の評価平均点だ。
私はこの『9.7』を積極的にアピールする事にした。
この数字は簡単に言えば、通販などの『顧客満足度97点!』という事である。
では、この『9.7』という数字、高いのか、低いのか、である。
もちろん、評価人数が少なければ、あまり意味のない数字だ。
では、累計の上位から、幾つか作品をピックアップし、この評価平均点を確認してみよう。
(小数点第三位以下は四捨五入)
転スラ 9.65
無職転生 9.66
陰実 9.50
謙虚堅実 9.65
といった具合だ。
これを見たときに
「評価人数が多いほど、多少目減りするのでは?」
という疑問が浮かぶ人もいるだろう。
確かにそういう面もある。
実際、完全版も五位時点では9.72で、現在は約9.71。
ここ数日の変動だと、だいたい9.72~9.70をうろうろしてる、という状態だ。
だから、評価人数が増えれば増えるほど減る、という考えに至りやすい。
だが。
リゼロ 9.74
本好き 9.81
この二作品が、それを否定している。
別に全部調べた訳じゃないのであれだが、ともかく9.7という数字は高い。
そして私の予想になるが、恐らくこの二作品の水準の評価平均点を持つ作品は今後出てこない。
システムの変化により、『9点』が消えたからだ。
作品にちょっとだけ不満、とか、ほぼ満点何だけどなー、という場合の評価は、現在『8点』なのである。
もちろん最低点が1から2に繰り上がった、という見方はあるが(文章、内容の二つの評価だったので、そもそも最低点は2点でした、ご指摘ありがとうございます!)、そもそも評価をするときに、★一つにするよりも★四や五の方が多いだろうし、最低点の繰り上げよりも、この失われた1点の影響の方が大きいだろう。
つまりこの失われた1点は、評価人数が増えれば増えるほど、重くのしかかるのである。
それが、今後評価人数が100を越えた作品に、9.75とか、9.8なんて作品は出てこないだろうな、という私の根拠なき妄想である。
実際、現在(2021/05/02)のハイファンタジーランキング、完全版を除く五位以内の作品の評価平均点は8.95~9.29。
完全版が飛び抜けている、というのは一目瞭然だ。
つまり、ここで長々語っていた事は何か、というと。
自慢である。
そしてこの自慢を、私はあらすじに載せることにしたのだ。
毎日、他の作品の平均点をコツコツ調べ、自作との比較を載せ続けた。
なぜ比較を載せるのか、というと、読者はいきなり『評価平均点9.7!』と言われたところで、それが凄いかどうかなんてわからない。
比較して初めて、この数値が飛び抜けている、ということがわかるのである。
読むかどうか最後まで迷いながら、あらすじを辿った最後に記載される『大丈夫、この小説は9.7だよ!』が、えいやっ! と読むための踏ん切りになれば、と思ったのだ。
これは効果があったのか?
それはわからない。
ただ、自慢したかっただけかもしれない。
(続くかも)