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ツバキのその後

本編を書きたいんだけど、登場人物の名前をどうするか⋯⋯。


とある地球事情ツバキのその後の話(おまけ的な)

 雲一つない晴天なり。


「うん。先程までのどんよりした空気もなくなってやっとスッキリしたわ。ていうか、なに? 魔王領は暗くどんよりした場所じゃいけないとか何か? どうみても湿気も酷く健康にも悪いでしょ。あとなんか臭そう」


「それが当たり前としていままでやってきたのだから仕方ありませんよ」

 コポコポといつものように茶を振る舞いながら語る紬。


「にしても、ムギ姉はいつこっちに来たの?」


「半年前ぐらいですね。説明も長ったらしくなりそうだから、これ飲んでもらえますか?」


 そういって自分の一部を千切ると小さな飴玉みたいに丸まる。


 そして、躊躇なくそれを口に放り込み飲み込むツバキ。


「味無しかぁ⋯⋯べっこう飴っぽかったから期待したのに」


「警戒心なく食べるなんてツバキちゃんらしいわね。半年も過ぎてたのだし、疑いもせずに私を飲み込んだら、内側から乗っ取ったり溶かす事もできると思わなかったの?」


「ん〜? 疑う必要ないでしょ? 半年程度で関係が切れて私を殺すならどうぞって感じ」


「ふふふ⋯⋯相変わらずねツバキちゃんは⋯⋯」


「⋯⋯⋯⋯うっ!!」

 ドクンと心臓が跳ね上がるツバキ。心臓を鷲掴みにされるような感覚に苦しみ始めるが⋯⋯。

「⋯⋯⋯⋯痛いの慣れた」

 数秒後には普通に茶を啜りはじめる。


「おかわり入りますか?」


「ん。お願い。うん、大体理解した。階層世界ねぇ。これは世界というのをパラレル化しているものなのか⋯⋯偶然くっついたのか、誰かにひっつけられたのかは知らないけど⋯⋯まぁ、それよりもなんでムギ姉はスライム選んだの? そっちの方が気になるんだけど? 私に魔王を与えて、元勇者がわざとスライムを選ぶなんて」


「あぁ、今はスライム【イヴ】になりましたよ。スライムというよりかはアメーバーみたいなモノから始まって、たくさんの生物に寄生して全てのジョブと肉体の情報を手に入れて【スライムロード】→【スライムオーバーロード】から、ツバキちゃん情報を手に入れて【イヴ】になっちゃった」


「へぇ? でも、今はそんな事をきいてるんじゃないんだけど?」


 ティーカップにピシリとヒビが入る。


「もう⋯分かっている癖に! そうよ。ツミキの望む姿になる為に決まってるじゃない! 幼女(ロリ)、セクシー系、清楚系でも何人でも何十人でも私一人いれば事足りるようにね! ちなみに身体も全て部分調整ができます!」


「ズルい!! 私もスライムが良かった!!」


「うふふ〜。この世界に来る少し前にAV関係者とロボット関係者がツミキに相談していたのを聞いたのよね〜。たしか、現実社会にて結婚をしない若者の為に少しでも異性の良さを今一度知ってもらうために『カスタマイズ彼・女』という企画を進行したてのよね」


【カスタマイズ彼・女】

 自分でカスタマイズできる自律思考型アンドロイド。

 人工カプセル内で様々な身体調整などは登録者ができるが、一番のおすすめポイントは自律思考型のAIであり、その契約者に足らないものを補う様に成長していく。そして、数年後にデータを算出して契約者に世界中の女性から一致した女性とのお見合いをしていく、新システムな少子化対策を踏まえたサービスである。

 ただ、まだ正式にサービスは開始しておらず、ツミキが地球にいた頃には試作モニター仕様であり価格は無料だったが、中には夜のソレ目的の為に欲しがる人間もいた為、自律型AIをはずした素体価格でも数十億は軽くこえていた。


「あ〜あれ、やっぱりおにぃの企画だったんだ⋯⋯素体目的が多すぎて結構潰したもん」


「ツミキとしては資金調達と素体の完成度を上げたかったんでしょうけどね。シリコン部分を膨らます、縮むなどで乳房や臀部の張りをどうとか拘ってましたし」


「妥協しないのがおにぃだしね⋯⋯。で、ムギ姉はそれでスライムをとったと、それは私に挑戦を叩きつけてると受け止めてもいいのかしら?」


「あはは、そんなわけないじゃない。私のこれは妹属性だけは慣れない様になっているから、それはつばきちゃん専用ね」


「それはなれるけどならないってだけなのかしら? それだと何の保証にも⋯⋯」


「ううん。そうじゃなくて、普通に封じられてる状態よ。私の方が強いのであればなれるとは思うけど、たぶん私ではツバキちゃんには勝てないっぽい」


「私の情報も得たのに?」


「ん〜そうね。ツバキちゃんのステータスならなれるけど、特殊能力らしきものの詳細が一切不明なのよ。先程の空間固定から圧縮なんてどうやったの?」


「さぁ? 頭の中にスキルがたくさん出て来たから合わしただけだけど。ただ、喋るのもなんか変だし、【CUBE(カスタマイズ)】とでも呼ぼうか」


「ふ〜ん? けど、なんか一瞬、ツミキちゃんっぽかった」


「あ、それ私も思った。おにぃがいたら絶対にそう言ってる」


 その後、城の改装をおにぃ仕様にするかどうかなどをかなり熱く討論していった。


 その夜、つむぎの扉をノックするツバキ。


「どうしたの? つばきちゃん」

 扉を全開にせずに顔だけを出す。


「ムギ姉、朝⋯何人、何十人慣れるって言ったよね?」


「えぇ? う、うん」

 

 次の瞬間、ムギ姉ごと扉を手前に引き壊すと中にはツミキの素体が沢山あった。


「これは目が少し0、5ミリ程ズレてる。これは耳が一ミクロンズレてる」

 数あるツミキ素体を吟味しながら部屋中を確認していく。


「ツバキちゃんひどいわ。お姉ちゃんを飛ばすなんて⋯⋯」


「この世界の事より、これができる事を報告しなかった罰」


「うぅ⋯⋯持っていってもいいけど一つだけよ」


「じゃあ、コレにする」

 ベットで寝ているツミキ選ぶが所々ズレているのが見て分かる。


「つ⋯⋯つばきちゃん。それは私が寝てたからズレてるわ。他のにしておいた方がいいわよ?」


 顔を少し引き攣ったのをつばきは見逃さなかった。


「ムギがそんなミスをしない。多分、この周りも全部カモフラージュ。私が来る事を見越して急遽用意した物。そしてコレだけは表面にスライムカバーをしただけとみた」


 指先をムギに向けて【論破!】と差した。


「うぅ⋯⋯それだけは堪忍して⋯⋯。数ヶ月の大作なの」


「⋯⋯⋯⋯無理。ただ⋯⋯解決策がひとつだけある」


「⋯⋯それは?」


 その夜から、ツバキの広いベットで3人で寝る事が決定した。

 ただ、ツミキの素体はあくまで添い寝枕的なものであり、つむぎが素体を動かすつもりは二人の頭では最初からないのである。


   ーー人形はあくまで人形であるーー

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― 新着の感想 ―
[良い点] 楽しく読ませていただきました。 続きを楽しみにお待ちしております。
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