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第七夜 僕、女湯に突入します。

前夜:日食が起こった時、夜の化身月の女王と太陽の化身燦煌龍が接触した。月の女王が直接地上に介入したことで各々の勢力をいたずらに刺激することとなった。この事態を穏便におさめるため栄太に白羽の矢が立ってしまう。

 目が覚めると日はすでに西に傾いている。この身体になって三日間振り回されっぱなしで頭の整理がつかなかったけれど、久々にたっぷり寝たせいかずいぶん頭がスッキリした。そこで現在抱えているトラブルをまとめてみた。


 【トラブル①】 僕は月が出ている間ダークエルフになる。

 【問題点】 いきなりエルフになったことで余計な注目を集め生活が困難になった。出費がかさむのも痛い。

 【解決策】 魔法や呪いであれば解呪が可能かもしれない。しかし特殊な魔法の場合解呪者が限られる。


 【トラブル②】 僕は生前所有していた本をもとに運命を再構築された。本のタイトルのルートが用意され、そのときは脳内でアナウンスが流れる。

 【問題点】 本の内容はあまりに過酷で、全ての本の内容を追体験するのは心身ともに耐えられない。また、どのような条件でルートが設定されるのか不明。さらに、何を以てしてルートクリアになるのかも不明。

 【解決策】 トラブル①と同様に。魔法であれば解呪も可能のはず。しかし不明な点が多く有効な手段は考えられない。


 【トラブル③】 トラブル②の問題点をできるだけ回避するために、接触すると発動する魔法を付呪してもらった。

 【問題点】 無用な接触を避けるため行動の自由が制限された。また、交換条件として付呪者の店の宣伝をしなければならない。

 【解決策】 普通の魔法のため解呪は可能。


 【トラブル④】 魔法の付呪と引き換えにマジックショップ『猫の目』の宣伝をしなくてはならない。可能な限り人目のつく場所に出る必要がある。

 【問題点】 人目のつく場所に出るということはトラブル②③のリスクを各段に高める。

 【解決策】 今は特に思いつかない。


 【トラブル⑤】 夜の女神であり、『月の女王』を自称する者が寝ているときにあらわれて無理難題を言う。

 【問題点】 すべての元凶。

 【解決策】 今は特に思いつかない。本当に女神なのかも不明。


 どれも大変だが、【トラブル②】が一番の悩みの種だ。運命を再構築されたらしいが、何が何でも本の通りにコトが運ぶわけじゃないようだ。例えば『悶絶 ~ゴブリン責め! あんなところもゴブリンに~』ルートの場合、元となった本はエルフがゴブリンに陵辱される内容だったが、フタを開けて見たら男の姿のときにボコボコにされただけだった。どのような条件を満たしたときにルートを達成するのか分からない。


 さらにひとによってはルートが出ない場合もある。コボルトのプロントさんと接触したときにはルートのアナウンスはなかった。街を歩いているときに何人もの男が言い寄ってきたがやはりルートのアナウンスはなかった。この違いは何だろう? 女王さまになんとしても詳細を教えてもらわねばなるまい。とりあえずの対策として、特に男との接触を極力避ける、反撃して相手を行動不能にする、が挙げられるがどこまで有効かわからない。


 一番手っ取り早いのは女王様に二つの呪いを解いてもらうことだ。しかしあの方はひとの話を聞かないから望み薄だろう。


 気が付くと日が沈み月が顔を覗かせていた。あぁ、もう夜か、『猫の目』の宣伝活動に行かなきゃいけないなぁ。トラブル④をどうクリアするか。


 「臭うな……」


 自分の服から汗のにおいがする。一応出かける前に体を拭くようにはしていたがそれも限界のようだ。


「お風呂入りたいなー……」


 この世界の部屋には風呂もシャワーもない。もちろん魔法を使ってお湯を沸かすこともできるが非効率だしお金もかかる。毎月カツカツの生活を送っている僕の生活ではそこまでの贅沢はできない。だからお風呂に入りたいときは公衆の浴場を利用する。庶民はたいていそうしていた。


「そうだよ、それだ!」


 今まで見落としていたことがある。トラブル③とトラブル④を同時にクリアする方法、そして後々トラブル①もクリアする方法だ。


 商売の基本は市場開拓と商品開発だが、特に重要なのは女性顧客の獲得だ。女性の購買意欲を刺激し市場を開拓していけば売り上げが伸びる。「女子うけ」これだ。この世界ではまだ女性を狙い撃ちにした商品は少ない。

 

 しかしこれにいち早く気づいたひとがいた。プロントさんだ。彼は陰気で敷居の高いイメージのマジックショップを、黒猫アッシュくんというオリジナルキャラクターでお店の雰囲気を一変させた。初めてこの街に来たときどれも武骨で古臭い店構えの中、日本に最も近い匂いをこの店から感じた。そして縁あって今は下働きをしている。

 

 僕の身体に貼りついている紋様もアッシュくんのイラストが入っている。女学生も気軽に入りやすいようにとプロントさん夫妻がアッシュくんを考案したらしい。その甲斐あってか連日魔術師学校の女生徒も先生も老若とわず足を運んでくれるようになった。


 ターゲットを女性に絞ってアッシュくんを前面に売りだそう。できれば女性ばかりのところが理想だ。つまり!


「そうだ 女湯、行こう。」


 京都より優美で浪漫溢れる男子のオアシス。それが女湯。身も心もほぐれた状態なら自然体でアッシュくんと『猫の目』を売り込めるはず。「あら?そのネコかわいいですね」「実はマジックショップ『猫の目』のオリジナルキャラクターなんですよ」ってな具合に。


 そして、エルフになったこの身体が同性に対してどれほど目を引くのかも知っておきたい。公衆浴場は様々な種族が利用している。この街においてエルフはどのようなイメージを持たれ、どれくらい注目されているのかこの身をもって知っておくのも悪くない。


 さらに、できるなら女性のコネクション作っておきたい。女性は男にはない緻密かつ広大なネットワークを持っている。生活費を少しでも浮かせるためにはどんな情報も聞き逃せない。もしかしたら要らなくなった服や靴を譲ってくれるかも。


 あとは、えーと……僕は怪我人だった! よっしゃ、これは湯治だ湯治。決してやましい気持ちで女湯に行くわけじゃないからな。これも仕事の一環だ。

 

 そう自分に言い聞かせ鞄にせっせとタオルと着替えを詰め込んだ。いざ女湯へ!



 浴場は公衆衛生も兼ねているためそこまで高くない。銅貨5枚といったところか。国からの補助金がでており、ここら辺はかつて僕がいた世界と変わらないようだ。日本と違う部分は体に紋様があってもとがめられない。そしてもう一つ、先にシャワーで身体を洗い入浴時は専用の布を着用というところ! なんでそこは日本式じゃないんだよ!


 というわけで僕はいまだ女性の裸体を拝めぬまま女湯に浸かっている。女性の体になっても無縁ということは、ひょっとしたら女性の身体と一生縁がないのかもしれない。でもまあこんな間近で柔肌を見れただけでも幸いだ。薄布をぺったりはりつかせ、柔らかくつぶれたふくらみが目の前を通り過ぎる。これだけで僕の頭はパンクしそうだった。


「お、エルフだ、しかも褐色だぜ!」

「やめなって」


 ヒュームが僕を指さす。ヒュームというのはこの世界の種族のひとつで、最も地球の人間に近い姿をしていてこの街の人口の半分を占めている。


 一方、そのヒュームをたしなめた女の子はバードマンだ。小柄な体格の種族で背中から身体を覆うほど大きな羽が生えている。ある程度成長すると空を自在に飛ぶことができるそうだ。空での機動力を生かし配達員や伝令など他種族ではできないことを得意としている。


「なぁなぁ、アンタその長い耳、エルフなんだろ? 本当にいるんだな!」


 はしゃぐようにざぶざぶと水しぶきを上げて近寄ってくる。歳は僕と近いかもしれない。鍛えているようで貼りついた布からでも腹筋が割れているのがわかる。


「この身体中の紋様って何だ? 部族的なやつか? どこから来たんだよ? 今何歳?」


 矢継ぎ早に質問をする。好奇心が旺盛なんだろう。目を輝かせ質問は尽きない。


「エルフって魔法が使えるんだろ? どんな魔法使えるんだよ? 弓は得意? あ、その前に言葉通じる?」

「ちょっとカルラ、エルフ困ってんじゃん!」


 遅れて小柄なバードマンが呆れた顔で付いてくる。会話からするとカルラという娘と同い年くらいなんだろうけど、中性的な顔つきと平坦な身体つきから年下の少年を思わせる。


「いや、エルフだぜ、エルフ!絵本でしか見たことねーヤツが目の前にいんだぜ!?テンション上がんだろフツー」


 このカルラとかいう娘、さっきから口が悪いな。しまった。厄介なのに捕まったか?


「お風呂ではしゃがないでよ。アタシただでさえのぼせやすいのに暑苦しいアンタがいるともっとのぼせちゃうよ」


 羽の生えた少女はゆっくりと風呂に浸かった。


「それにエルフってすごいプライド高くて好戦的なんだよ。一緒にいると面倒事になるからあっち行こうよ」


 こいつも口悪いな! それとも女って同性しかいないときはこんなに態度が悪いものなのか?


「いえ、わたしは構いませんよ」


 引きつった顔で笑顔を作る。女性とのファーストコンタクトがこれとはなかなかハードルが高い。


「なんだ話通じんじゃーん!ほらユズいいって」

「はぁ、しょうがないなぁ」


 やれやれといった感じで肩を落とす。そんな露骨に嫌な顔をしなくても。もうちょっとさぁ、ないの?


「でさ、どこから来たの? 名前は?歳いくつ?」


 また質問の嵐がやってくる。どうする?本当のことを答えるか? でもあまり個人を特定するようなことを言うと後々面倒になりそうだな。


「いや、そういった質問はちょっと……」

「あの、エルフは名前や年齢など個人を特定する質問は嫌うそうですよ」


 メガ盛り! いや、なんでもない。

 かわいらしい声がした方を振り返ると巨大な角を両横から伸ばした女性がいた。角を生やした種族……ミノタウロスかな? 大昔はキマイラとひとくくりにされていた種族だ。上目遣いにしてずいぶん気弱な印象を受ける。


「といっても私も本で読んだ程度ですが」


 僕が唯一持っているエルフの本でもそう書いてあった。エルフは他種族に対して警戒を徹底している。信用できない相手に自分の不利になるような情報は決して漏らさない。


「昔からの決まりなんです。気を悪くしないでください」

「えー? そーなのー?じ ゃあさ、何しにここに来たの?」


 なおもカルラは質問を続けようとする。


「見聞を広めに、といったところでしょうか」

「へーそうなんだぁ。じゃあ旅行客なんだ」

「まぁそんなところです」


 曖昧な笑みを浮かべはぐらかす。適当に話を合わせておくか。


「でもさ、身体の紋様アタシ見たことあんだよね。うーん?どこだったかな?」


 ユズが顔を近づけてくる。近い! 体が触れそう。


「これ、『猫の目』のアッシュくんですよね。マジックショップの」


 ミノタウロスの女の子が答える。鋭い! 


「アッシュ? なんだそれ?」

「脳筋のアンタは知らないだろうさ、魔術師学校の近くにあるマジックショップだよ。あーそうか、『猫の目』のロゴだこれ! 文房具も売ってるから若い子に人気なんだよ」


 ユズはざばりと立ち上がり身体のあちこちを嗅ぐように見て回る。こんだけ至近距離だと平坦な身体でもわずかな起伏がはっきり見えてしまう。うーん目のやり場に困る。ユズの頬から汗が滴り肩に当たる。瞬間ふわりと女の子特有の甘い香りがした。いかん、発動してしまいそうだ。魔法がね。


「どうしてお店のマスコットキャラを体に入れているんですか?」


 そうそれ、よくぞ聞いてくれた、それを待っていたんだよお嬢さん!


「実は路銀を稼ぐために店主の方と契約したんです。わたしの身体にお店のロゴを貼って街中を歩いて宣伝しますって」

「え? じゃあこの身体じゅうに貼ってある紋様って全部店の宣伝かよ!?」

「そういうことになりますね」


「「「ええええ!?」」」」


 三人とも驚いたようだ。カルラはのけぞり、ユズは顔を真っ赤にし、ミノタウロスの女の子(心の中でミノさんと呼ぼう)は目を丸くして口を押えている。


「えっろ……」


 最初に口を開いたのはカルラだった。次にユズ。


「いや、そりゃなんでもやり過ぎでしょ……」

「そんなのひどい!」


 最後にミノさんが立ち上がり目に涙を浮かべ言った。


「そんなのひどいです! 女の子の肌に自分のお店を刻むなんて!家畜じゃないんだから!」


 まずい! 誤解を与えたようだ。店のマイナスイメージを植え付けては逆効果になる。


「いや、これは付着魔法で入れ墨ではありませんよ」

「それでもです! 女の子の肌を見せ物にするなんて男としてサイテーです!」

「いや、落ち着いて!これはわたしから持ち出した提案なんです。わたしの身体を看板がわりにしませんかという」


 なんとしてもマイナスイメージは払しょくしたい!


「もういいんです、もういいんですよ。あなたは何も知らない世間知らずのエルフだから自分の身体を安く売ってしまっているんです」


 この娘も何気に失礼だな。立ち上がったままポロポロと大粒の涙をこぼしている。


「女の子の身体は大切にしなくっちゃいけないんです。たとえあなたから話を持ち出したとしても、良識ある男性ならその申し出を断るべきなんです。女の子の肌は大好きなたったひとりのために大切にとっておくものなんです!」


 薄い布を着用しているとはいえ全員裸の状態でそんなこと言うか?まぁ言いたいことはわかるけど。


「まー確かにこれはたまげたぜ。よくこんなドエロいこと思いつくな」


 素行の悪いカルラもドン引きして眉をしかめている。


「女学生に人気のお店なのに、こんなエグい広告出すなんてイメージ悪いよね」


 あれ?あれれ?これ非常にマズくない?


「私! いまから『猫の目』に行って店主に抗議してきます!!」

「お、いいねぇ! あたしもいくぜ、面白そうだし!」

「女の身体をモノ扱いするのはさすがに頭にくるよね、アタシも行くよ」


 やめて! お願いだから!


 しまった! 裏目に出た! これではネガティブキャンペーンになってしまう! これを思いついたときはコペルニクス的転回と自賛したが諸刃のつるぎだった。いやそれよりも悪い。ただの藪蛇だった! この世界の女性の貞操観念まで想定に入れていなかった僕のミスだ。いやそれも違う、この世界とか関係ない。僕が女の子の気持ちを全く理解せず勝手に突っ走ったのが悪かった。


 なんとかして挽回しないと不買運動に発展しかねない。もしこれが原因で経営不振、倒産となったらプロントさんとアンナちゃんを路頭に迷わせることになる。そして当然僕も契約解消どころか職そのものを失う。何か策はないのか、何か!


「カルラさん!」


 祭りを楽しむ子供のようにノリノリのカルラを指名する。この施設では禁止されているがそうも言ってられない。


「わたしの胸を触ってください!」


 目の前に胸を突き出す。突然のことでさすがのカルラも驚いたようだった。


「へっ? いや、あたし初対面のひとのチチを触る趣味はないから」


 じゃあ初対面じゃなきゃ触んのかよ。というツッコミは置いといて。明らかに顔を赤くして狼狽するカルラに詰め寄る。


「いいから! さあ!」

「……いいのかよ?じゃあ遠慮なく」


 カルラが僕の左胸に触れる。暗闇(ブラインド)発動!


「うぎゃああ! 目がぁ! 目がぁ!」


 突然の暗闇に混乱し勢いよく後ろにザブンと倒れこむ。


「実はこれ、暗闇魔法が呪付されているんです!」

「はぁ……」

「カルラさん、大丈夫ですか?」


「本当は店主から口外するなときつく言われていたのですが」


 なおも暴れるカルラをよそに、声を落としユズとミノさんにそっと打ち明ける。


「実はこれ新商品の開発実験も兼ねているんです」

「開発実験?」

「詳しく聞かせてください」


 お、食いついたな。いいぞ。


「これから本格的な夏を迎えるにあたり、女の子の服も徐々に露出が増えますよね? そうすると必然下心丸出しの男たちが寄ってきます。しつこく言い寄ってきたり無遠慮に接触を求める輩がこれに触れると弱体系(デバフ)の魔法が発動する仕組みになっているんです。これを『猫の目』オリジナルグッズとして、簡単に肌や服に貼れるステッカーにして売りに出します。名付けて痴漢変態軟派撃退グッズ『見張り猫アッシュくん(仮)』!」

  

 もちろんそんな商品は存在しない。とっさに思いついたデタラメだ。


「み、見張り猫アッシュくん……」

「痴漢……を撃退するマジックアイテム」


 ふたりとも唖然としている。どうだ? さすがにごまかされないか?


「発動する魔法は攻撃系ではなく弱体系(デバフ)なので相手にケガを負わせる心配がありません。効果は弱く設定していますが最低でも1分続きます。その間に女性の足でも逃げられます」


 お、ふたりが前のめりになってきた。食いついてる食いついてる。


「わたしのようなエルフはどうしても目立ちますし、浮ついた男性が次から次へと寄ってきます。そんなわたしが貞操を守りつつ商品のテストのモニターをし、さらにお店の宣伝をするのは適役だと思いませんか?」


 ほほうとユズが頷く。


「特に十代の女の子ってさ、痴漢や変態に遭遇したとき恐怖と混乱で防犯グッズを使うどころか、身動きすらとれなくなるときがあるんだよね。これなら最悪触られそうな部分にあらかじめ貼っておくだけで逃げる時間を稼ぐことができる……ありそうでなかった。案外いいかも」

「エルフさん! たくさんの女の子の貞操を守るために危険を顧みず実験体になるなんて!」


 ミノさんは手を合わせて真っすぐに僕を見ている。これは挽回できたか? なんとか丸く収まりそうだ。


「でも、やっぱりエルフさんのことが心配です。もし魔法が発動しなかったら? もし威力が弱かったら? 魔法が効かなかったら?」

「いや効果は凄いぜ。実際に経験したからわかる。マジでなんも見えねぇ」


 魔法がとけたようだ。カルラが起き上がった。


「けど、話の続きはここを出てからだ。このままじゃのぼせちまう。それに結構騒いじゃったからな、さっきから周りの刺すような目が痛ぇ」


 言われてみればみんな遠巻きに迷惑そうにこちらの様子を伺っている。浴場で魔法を使っちゃったしトラブルを避けるためにもひとまず退散するとしよう。


「それにさ、そんなに心配なら一緒に付いていってやろうぜ」


 カルラはにやりと悪戯を思いついたように笑う。


「今から外で試してみるのも悪くねぇんじゃねぇの?」

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