アルカイルの戦いⅡ
戦いは始まった。だが、速攻は気が引けたので相手の出方を待つことにした。すると、
「お前、ナメてんだろ…」
瞬間俺の身体は [何か]に縛り上げられる。そして会場は湧いた、見てみるとスパイムの手からは糸がでている。
「何だッ!これ!」
「俺の “権能”の名は “蜘蛛の糸” だ。初お披露目だな…」
「権能だと!そんなものがあるのか、この世イッtえ!」
「これは戦い、情けは無用!スパダネット縛!」
蜘蛛の糸がきりきりと俺の身体を締め付ける。お前はもっと笑っていた。今はそんな顔をしている。これは真剣勝負なのだ。どちらも負けたくない、負けられない戦いなのだ。そんなところを一時の情に流され侮辱した。ならば、今から本気を見せる。見せてやる。
俺は蜘蛛の糸を肩の力で引き裂いた。スパイムは一瞬呆気に取られたもののすぐに切り替え、俺を捕縛しようと糸を出す。だが、もう遅い。その一瞬の切り替えの時間で俺は剣を構えていた。愛剣ジフリーチを。そして、迫り来る糸を流れる連撃で一掃する。そして全速力で走り、スパイムの首元に剣を当てる。会場がどよめく。
「斬れ、これは戦いだ。情けは要らない。」
「ああ、そうだ。」
「だがな、俺は、お前、スパイムとの戦い楽しかった。またやりたい。だから、生きろ。」
スパイムはニヤリとして言った。
「次は無い。」
「お前もな。」
こうして二人は握手をし、アルカイルの戦い優勝は、魔剣使いカイが優勝をした。
そして、魔石は形を変えてカイの元に数日後渡った。
ジフリーチが透明で白基調なのに対し、新しい剣は黒基調だった。剣の名はクロスブラック。これからは、ジフリとクロブラの二種類で戦うことになる。格好いい。
剣の生成も終わったので最後にスパイムに挨拶して帰ろうと思ったら、道に女性がいた。黒髪ショートで少し小柄な子だ。年齢は同じくらいかと考えていると、その子は俺に話し掛けてきた。
「今日はあなたにとって運命の日ね…私は エルゼン・ネフテル。貴方にはこれをプレゼント。」
差し出してきたのは指輪だった。
「その指輪は禁忌の指輪。つけてみて…」
流されてしまい、つけてしまった。
「つけても何も無い…貴方は選ばれし者なのです…」
この人は何を言ってるんだ…?
「カイ様、私と契約を結びましょう。そうすれば、世界が思いのまま…」
心が揺れる。契約を結ばなければいけないような気分にさせられているのか…?俺が悩んでいると、「急げええ!」の声と共に俺の身体が馬車に投げられる。エルゼンはあらあらとした感じでこちらを見る。
カイ、人生初の誘拐被害。