パクスの魔法適正
宿屋で…
「いらっしゃい。なんの御用だい?」
言い方が悪いがいかついおばさんが言った。
「とりあえず荷物を置きたいから部屋へ行かせてくれ、此処に宿を取った。ガリウス=ダスティベルだ。これを。」
「うん確かにガリウスのようだね。それじゃああっちだよ。ヘルン!案内してあげて。」
「はーいちょっと待って今いく。」
トコトコと小さな僕と同じくらいのメイド服のようなものを着ている女の子が歩いて来た。
「ガリウスさんですね、こちらへ。」
ヘルンと言われた女の子は僕らを部屋へ案内してくれた。
「此処です。ではごゆっくり。」
と言って、戻っていった。
「さぁ部屋に入ろうか。」
部屋へ入ったら、父さんはカーテンを閉めて、幻覚魔法を解いた。
「ふぅー疲れた。とりあえず荷物を置いたら、お腹も空いて来たし、下の酒場で食べるか。」
お金とかってどうなってるんだろう。ギルドで稼いでるのかな?というかお金という概念がない可能性もあるか?
聞いてみようか。
「父さんどうやったら、宿に泊まったり、酒場でご飯を食べたりできるの?」
一応遠回しに聞いてみた。
「それはお金を払ったら可能だよ。」
この世界にもお金の概念あったー良かった。
「どんなの?」
「どうせなら今教えちゃうか。価値の低い順から銅貨、大銅貨があって、銀貨、大銀貨、金貨、白金貨がある。
まだわからないと思うけど一応言う、銅貨二十枚で大銅貨一枚、銅貨百枚又は大銅貨五枚で銀貨一枚、銀貨が二十枚で大銀貨一枚、銀貨が百枚又は大銀貨が五枚で金貨一枚、金貨十枚で貴族金貨(白金貨)一枚だ覚えておけよ。ちなみに、この宿屋は一泊食事付きで銀貨二枚だ。俺たちはとりあえず1ヶ月泊まってギルドで稼いで家を買うつもりだ。安心しろ金は元々結構持っている。それじゃあ荷物を置いたら下の酒場に行くぞ。」
やっぱ、金貨とかが使われているんだ。その辺はわかりやすいけど、価値が全然わかんないんですけど‥‥‥
宿屋は何円くらいで一泊かなぁ?まぁその辺は後々わかってかば良いかぁ。荷物を置き宿の下の酒場の席に座る。
少し待っていたら、さっきのヘルンという子が料理を運んで来てくれた。
「こちらは、"ワニの胡麻和え"と"野菜炒め"と"パン"です。お水もお持ちします。ごゆっくり。」
"ワニの胡麻和え"を最初に食ってみた。
よく食べているワニの味だ。すごく美味しいいつも焼いて食べるだけだったから、なお美味しく感じた。
次に"野菜炒め"を食べてみた。
お、美味しい懐かしさを感じさせる味だった。
パンはパンだねパンだったわ。
その食事の後、また上の宿に戻った。
「それで、どうやってこの国にこんなにすんなり入れたの?」
「お、そうだったな。それはな少し長い話になる。父さんはお前を見つける前から、ギルドに入っていたんだ。」
「え?どうやって?ギルドに入るのにもまず国の中に入らないとダメじゃないの?」
「随分察しがいいな。お前がいった通り、国の中に入らないとギルドに入れない。元々俺はギルドに入るつもりはなかったんだ。森で普通に暮らせてたしね。でも、入りたいとは思ってたよ人間の国には色々あるからね。そして、ある時俺が森を少しでて人間の国の近くで暇つぶしに探検してたんだ何かないかと思って。そしたら、馬車が倒れていたんだ。すぐさま駆け寄ったら、魔物にやられた感じで無残に馬車が破壊され、馬は逃げている。商人と冒険者であろう武装した人が中にいたが、死んでいた。そして、あることを思いついたんだ。」
「その人に化けて中に入ろうと?」
「そうそうその通り。商人のカバンの中をあさったら、いろんなものが入っていた。そこに、お金と住民票があった。それで中に入ることが出来る!と思い決意した。」
「でも住民票ってその人の手を置かないとだめじゃないの?」
「商人の手が落ちてたからそれを使った。門番に見せる時、幻覚魔法で商人の顔、体格にして本来の自分の手を、見えなくし、商人の手を死んでいるが乗っけてみたら、まだ死んでからそんな経っていなかったからか、星のマークが浮かんで来て、入れた。そして、その顔のまんま、冒険者ギルドに入り、カードを自分の血で発行して出入りが住民票がなくても、可能にした。」
まじか!?死人の手を使ったのか。結構思い切ったことするなこの人。
「そして、お前を見つけて、数日、お前の未来を想像してたら……」
え?普通にキモいんですけど…
「学校に行かないといけないなぁと思って、というか国に入れないとダメだなと思って、お前を幻覚魔法で見えなくして国に入り、住民票を作れるところでお前のを作っておいた。お前もこの国を自由に出入り出来る。」
なるほど本当に準備に準備を重ねたんだな。
「この国ってさぁでっかい城があったけど、あそこに王様でもいんの?」
「うんいるよ。」
へーじゃあこの都市は国の中でも主要都市なのかな?
「学校にはどうやって通うの?」
「この国は大体都市に小学校、中学校、高校、大学が1つずつある。お前は小学校に今年から通うことになる。通う前に一度学校に行って入学の申し込みをしなければいけない。明日早速いこうと思ってる。」
え!?明日行くの?結構唐突だなぁ。それにしてもこの世界にも小学校、中学校、高校、大学ってあるんだなぁ、良かったぁ大体同じ感じで。まぁどの世界でもこの制度が一番やりやすいのかもしれないねぇ
「小学校には何年通うの?」
「小学校も中学校も高校も大学も全部4年間通うことになる。」
そこは違うのか、でも結果的には年齢的に同じになるのかな?小学校が2個減り、中学校と高校が1つずつ増えるからら
「小学校って何を学ぶの?」
「質問が多いなまだいいだろ。まぁじきにわかるさ。今日はもう遅いから寝よう。」
えーまだ色々聞きたいことがあるのに…まぁいいか父さんも疲れてるみたいだし。
次の日、入学の手続きとかを済ませた。持ち物リストの様なものを渡された。その次の日からその持ち物などを揃えたり学校までの道を行ってみたりする日々を過ごし、とうとう入学式。
「忘れ物は無い?ご飯食べた?体調悪く無い?あっ!寝癖ついてるよ!着替えは?終わったの?ほら早く!」
と、父さんがすごくうざかった。なんとか切り抜け、学校へと2人で向かっていた。
入学式では、日本と同じ感じで入場して椅子に座って校長の話を聞いたり、在校生から説明を受けたりした。さすが小学生、話を全然聞かないでボーとしたり、色んなところを見たりしてる。
入学式を終えたら、クラス分けがされ、そのクラスの教室へ行った。A、B、C、D、E、クラスに分かれる。最初はランダムで分けられるが、2年生から優秀順に分けられていく。Aクラスが最も優秀で、そこから下がっていく。
どうやら、この国、というよりこの世界にも貴族というものがいる。まぁ王様がいるならそうか。如何にも偉そうな人が数人いた。いやー怖いねぇ。ぶつかっただけでも首が吹っ飛んだりして。
その後は、色々授業をどうやるか、などの説明を受けて、
終わった。授業は午前に3時間あって午後に1時間ある。
1時間は70分で合間に10分の休みがある。最初は言語の学習で、文字を書く練習をするらしいけど、僕もう全てできちゃうんですけど。
そして、学校に通うのも慣れてきたくらいに家を買った。
「いやー念願の家だ!また自分の家に暮らせる時が来るとはねーあの商人と冒険者には感謝しなければ。」
どうやら、商人の持ち金と冒険者の装備を売ったら割と金になって家を変えるくらいあった様だな。
「まぁローンだけど最初にいっぱい払ったから3年位で終わるかな?仕事頑張らないとね〜」
割と大きめの家だ。二階もあるから結構広い。2人で住むには広すぎる。
「もっと小さいのでも良かったんじゃない?2人で住むには広すぎるよ。」
「いやーここはお前がか結婚するときに奥さんとそして子供と暮らせる様になぁーと思って。なら大きくて長く使える立派な家にしようとね。」
この人アホそうに見えてちゃんと未来を見据えてる。僕の為にそこまでする必要もないのに。僕の本当の親でもないのにそこまでするなんて……なんか潤んだきちゃった。
「まぁその時は俺は出てくけどなぁー」
「え!?何で?」
「だって俺が人間じゃないのがバレたら奥さんに逃げられるかもしれないだろ?」
本当にどこまでもお人好しのようだ。それなら僕たちを遠ざければいいのに……
「……父さん、色々ありがとう….」
「お?父さんの事好きになったか?えぇどうなの?ほらもっと父さん大好きぃー!とか言っていいんだぞ?」
こ、この人は!本当に親バカだな!せっかくいい雰囲気だったのに……まぁそんな考えなくてもいいぞって父さんなりに教えてくれてるのかもしれない。
そして、小学校でこの国の事や魔法の事そして算数を少し学んだ。魔法はまだ使ってはいないけど、先生が使ったり、街中で見かけたりすることはある。
月日が経ち僕はもう小学校を卒業した。次は中学校だ。
小学校は義務教育らしく、住民票がある人は必ず、小学校に通わなければいけないらしい。中学校は義務教育ではないが、殆どの人が通う。中学校では入学審査があり、筆記のテストを受けるのと、魔法の適正をやっと調べるらしい。その結果でクラスが分けられるようだ。
「よしっ準備はいいな?今日は午前に筆記のテスト午後に魔法適正の審査だからな気をつけていくんだぞ。中学校までの道のりはわかるよな?父さんついてけなくてすまんな。」
「うん、大丈夫だよ。父さんも頑張ってね!」
「おう!」
父さんはギルドの任務でついてこれないが僕もこう見えて大人だから大丈夫だ。それより、今日という日が楽しみでしょうがなかった。なぜなら、今日やっと魔法適正がわかるのだから、早く何が使えるのか知りたい。神の代理人いわく、最低でも3つはあるんだったなぁー。何がいいかな、やっぱ闇?なんか強そう後は魔法と言ったら火だよね!そしてなんといっても回復かな。この3つだといいなぁーと思いながら、中学校へ向かった。
午前筆記テスト
すごく簡単ではだったな満点狙えるかも。まず50のおっさんがこんな小学生の問題解けなきゃヤバイでしょ?
午後魔法適正
どうやら、大きいドッジボールの玉4つ分くらいの水晶に、手を乗っけると、ホワンと上に、色のついた玉が浮かんでくるようだ。その玉の色で適正がわかるらしい。
火は赤、水は青、氷は薄い青、風は薄い緑、土は茶、草は緑、雷は黄、無は白、闇は黒、聖は金、回復はピンクの色の玉が出てくる。貴族は適正を多く持つらしく、5個とか出てた。神の代理人も僕を貴族の家庭に転生させればいいのに。
「次の方ー」
「はい!」
ようやく僕の番だ。まぁ最悪闇魔法だけでも入ってればいいよ。確率は11個ある中に3個獲得だから……多分約16%
あぁー無理っぽい。まぁいいやとりあえずやるか。
水晶に手をかざしたら大きな光を放ち、小さな玉が浮かんできた!
「………………。」
あれ?どうしたんだろう?
「……す、すごい!魔法適正8個持ち!?」
え?なんかすごく出てきたんですけどー
神の代理人3つって言ってなかったっけ?あっ!でも最低3つだからもっと適正持つかもって言ってたか。7つ以上はチート存在っていってたなぁやばい
「す、すげぇ8個だって!すごすぎぃ!」
「ちっ平民のくせに貴族より優秀だと?許せぬ。」
「あれ?なんかあの人イケメンじゃない?」
すごい騒ついてる。驚きたいのは僕もなんですけど!
貴族に恨み買っちゃったし、泣きそう。なんか最後の人ムカつくな急にカッコいいだなんて!というか8個何なのか見てなかったな。どれどれ
「火、氷、風、草、雷、闇、無、回復ですね。おめでとうございます!」
おっやった〜!闇あった〜!しかも火も回復もある運ありすぎ、明日死ぬかも。人生の全部の運使った気がする。
その後騒ぎになり中々帰れなかったが、何とか張り切って家に帰った。
「た、ただいまぁー」
「どうした?そんな疲れた顔して」
「いやー今日さ魔法適正なやつだったじゃん?」
「おーそうそう!で?どうだった?」
「それが8個も適正出てもう騒ぎになってそれを振り切るのが大変でもうヘトヘト。」
「え?……………えーーーーーーーーーー!?それ本当に言ってんの?」
うわーうるさいここでも疲れそう。
「う、うんまぁね。」
「本当か!?それはすごいなー!ちなみに父さんは5個だぞ。
5個でも結構自慢できるのに8個か!大したもんだ。さすが、父さんの子だな。」
「本当のじゃないけどね。」
「何でそんな悲しいこと言うんだよー。俺が育てたんだから、本当の親同然だろ?」
「うんそうだね。父さんには感謝しても仕切れないよ。」
「よろしい。さっ今日はどっか食べに行くかーパクスの中学校入学祝いに!」
その後、店に行ったら噂はもう伝染してるらしく、すごく
注目を浴びた。
主人公を強くし過ぎると面白くないと思ったのですが、
やっぱ強くしたくなってしまいました。
闇魔法適正を持つ確率なんですけど、間違っていたらすいません。もしよかったら、その時は感想の所で言ってもらえると嬉しいです。
ちなみに
銅貨一枚 =十円
大銅貨一枚 =2百円
銀貨一枚 =千円
大銀貨一枚 =2万円
金貨一枚 =10万円
白金貨一枚 = 100万円
だと思っていてください