異世界で魔族と亜人族のハーフに育てられる
「考えがまとまりました。異世界転生でお願いいたします!」
「うん良い返事だ。それじゃあ異世界に行くにあたって、転生について色々説明するね。」
「はい。」
「まず記憶と性格はその世界でも変わらない。だが体格や体の性質は変わる。そして....」
「待ってください。体の性質が変わるとは?」
「うーんと君の今の体をあっちの世界に移した場合、重力とか空気とかが違うから君は死んじゃうから、死なないようにあっちの体に合わせる。あっ!そういえば種族どうする?人族、亜人族、魔族のどれかなんだけど.....」
あ、人族当たり前だと思ってた。どうしよう変えられるのか。エルフ族とかなってみたいなー。エルフ族だったら長命だしよしっ!どうせならエルフにしてもらおう。
「亜人族の中でも選ぶことは可能ですか?」
「うん?まぁそうだね。君の好きな種族を選ぶといいよ。」
「わかりました。それでは亜人族のエルフで。」
「うん了解。そしたら魔法適正も多く持つかもな……じゃあ話戻すね。君は転生した時赤子からスタートする。そして記憶を取り戻すのは、少し成長してから、うーんそうだね1〜3歳あたりだと思う。そしてこれはちょっと言いにくいんだけど.....君は親がいない状態で生まれる。」
「え!?どういうことですか?」
それじゃあ記憶戻せてないのにどう生きていけば良いんだ?
「うーんとね、君をある者の近くに誕生させる。その者は、魔族と亜人族の混種でどちらの種族からも追放されている。何故なら、彼は種族同士の争いを嫌った。世界平和を望んだからだ。そんな彼は君を見ても放っては置けないだろう、必ず君を育て、親を探すか、そのまま親として育てるだろう。」
親がいない?そんな状態で生まれるのか。でも今の両親じゃあない親というのは変な気持ちがするからこっちの方が楽か。.......親父もお袋も元気にやってるかな。もう70、80近いから元気ではないかも。
「そういえば、種族同士の争いをやめさせる。その前に人族は人族の中で争いはないのですか?亜人族も魔族も然り。」
「よく気づいたね。その通り魔族は数がかなり少ないから争いとかは特にないけど人族と亜人族は未だにあるね。人族でいえば国がいくつかあり、同盟を結んだり、貿易をやったり、特に戦争を起こさない国が多いけど、まだ国同士で争ったりしている国がある。亜人族は亜人族にも色々種類があり同じ種族は仲がいいのだが違う種族になると、仲が悪くて差別とかがある。でもそれは後でも良いよ。それより、人族、亜人族、魔族、この3つの種族の争いがすごいからね。人族も亜人族や魔族と戦う時なんかは協力し合う。亜人族も然り。だから、先にそっちを直してもらえると助かるよ。」
「わ、わかりました。」
「うん。そして、君が弱いとすぐに死んでしまう。だから君は結構強くなるようにしておくね。それと、君には3種族全てに行くことになると思うから君にはユニークスキルとして変化魔法を付与しよう」
「何故ですか?」
「あっ言ってなかったか、その世界は君が元いた世界と違う。ほら、君の世界でいうラノベとか漫画の世界にあった
剣と魔法の世界とかいう世界なんだよ。魔法とかがあるから君も魔法をうまく使えないと世界を変えることはできない。だから君に強い力を与えるんだ。変化魔法を付与するのは、世界を平和にするのに便利だからね。」
「え?それでは神に反するのでは?」
「君は察しがいいね。その心配には及ばないよ何も最初から最強とかにしない変化魔法で君の使い方によるさまぁ少し周りより強いくらいかな。だけど君が努力して鍛錬しなければ、もっと強いのはそこらへんにいるようになる。努力しなければその世界を君が変えることはできないだろう。未来がどう転ぶかわからないから大丈夫なんだ。」
なるほど少し無理やりな気もするけど、私が努力しなければ始まらないから大丈夫なのかな?そ、それにしてもま、魔法が使えるのかぁ〜なんか興奮してきた。もういい年なのに、まぁ死んでるけど。総理大臣になる前でも後でも漫画は好きだったからな〜ハッピーエンドで世界が平和になるのがすごく好きだった。
「.....君、すごく興奮してるね。顔がすごいことになってるよ。」
はっ!いけない取り乱してしまった。
「す、すいません。もう大丈夫です、話を続けてください。」
「うん。さて、君にはその世界の魔法がどんなものかを教えていくよ。まずは、魔法の属性から話そう。火、水、氷、風、土、草、雷、無、闇、聖、回復がある。この中から適正を持ち、それを使うことが出来る。他にもあるがそこはその世界で学べ。そして……君は、全属性を使うことが出来るようにする! .......とは言わないからな、どこぞの僕とは違う奴がスマホとかいうやつを持った青年に全属性使えるようにしていたけど、そんなチートみたいな事は神に反するからしないよ。」
そ、そんなチートみたいな奴がいたんだ。
「かといって君が1つだけしか適正を持たないのは弱すぎるから最低でも3つは適正を持つようにはしておく。それ以上に手は加えない。まぁ全属性適正を持つこともあるかもだけど基本そんなのありえないから。まぁ多くても7つくらいだと思うよ。エルフなら結構高確率で適正を多くもつ。8つ以上はチート存在だね。7つでもすごいけど。」
「.....残念です。しかし、3つあれば十分ですね。」
どうせならもっと欲しかったけど多少強くしてくれるみたいだし努力次第で強くなるだろう。
「うん、よくいってくれた。魔法適正の判断とかは、君を育ててくれるやつに聞けばいい。後他にも言いたいことはあるけど、あまり知識を与えすぎるのも神に反するから、転生した後に学んでくれたまえ。」
「はい、わかりました。あのー言語の方はどうなるのでしょうか?それと、その世界は太陽とか月とか暦とか時間ってどうなるんですか?」
「それなら問題ない、君は全種族の言葉を聞く話す書く読むが出来る。君のいた世界の太陽と月に似たようなものがある世界だから大丈夫だ。それと時間も暦もほぼ同じだ。
時間は24時間と一緒で月が12回あり日は月の中に30回ある。年は月が12回に日が360という計算になるね。この辺はいくつもある世界で比較的君の世界に似た世界を選んでいるから大丈夫だよ。
「なら、安心です。あ、最初は人族の姿にしてもらえますか?」
「うん?まぁいいけどどうして?」
「最初は人族を変えたいと思いますので。」
「うん了解。それじゃあ転生させるからちょっとそこに立ってくれるかな?」
そこは魔法陣のようなものが描かれていた。
「それじゃあね。僕はここから君が世界を変えてくれる事を願っているよ。」
そしてあたりが光に包まれ、真っ白になった......
…………………………………………………………………
「今日は絶好の狩日和だなー。」
俺の名はフォルテスビロス。魔族と亜人族のハーフだ。
俺の両親は共に異種姦への差別がなかったため、俺を産んだ。俺も両親の遺伝子を継いでか、異種姦への差別がない。父が魔族、母が亜人族の中のリザードマン。俺は魔族の角とリザードマンの羽を持っている。小さい頃、俺は母親の方の亜人族のリザードマン族で育った。普段は帽子を被らされて、角を見せないようにしていた。尻尾は魔族とリザードマンのが混ざった感じになっているが、一見わからない。父は魔族だが父は幻覚魔法を得意としていて、リザードマンに変身していた。いつも父に幻覚魔法を習っていたから俺も使える。両親は今もリザードマンの里にいるが、俺はとある事情で亜人族全種から追放された。そこで、次は羽を隠し魔族のところへ行ったが同じ事情で追放されてしまったため。誰もいない森で密かに住んでいる。
「お、早速牛発見景気がいいなー」
幻覚魔法を発動させ、そこに俺がいないようにしてそっと近づいていく。そして持っている剣で一指し牛は少し悶え大人しくなった。
「これで5日は持つな。あとは山菜でも取るか。ん?なんだ声がする。」
声の方へ慎重に進んでいく。
此処は誰もいないはずなのだが.....とうとう人族もここまで来たのかな。此処は人族に近い場所にあるからな。
近づいていくと声がだんだん大きく聞こえて来た。
「オギャーオギャー」と赤ちゃんの声であった。恐る恐る駆け寄る。
何かの罠ではないようだが、一体誰の子なのであろう。
見るからにして人族か、届けようか届けまいか悩むなー。人族のがいるところの近くへさりげなく置いていくか。と思いつつ、その赤ちゃんを抱っこした時、フォルテスビロスの背中にビビッと電気が走った。何かの罠か、いや違う。フォルテスビロスが父性に目覚めたのだ。そして........
「大きくなってからでもいいか。」
と、ご都合主義の考えで勝手に育てることにした。
それから2年
なんか変な感じがする。50年位生きてるのに体は2歳ちょっとだ。すごくムズムズする。そう、僕は記憶が蘇った。神の代理人とのやりとりも覚えている。神の代理人が言ったように、僕は魔族と亜人族のハーフに育てられている。
記憶が蘇った際、精神年齢が前の世界より下がったらしく、一人称が僕に戻った。いや〜それにしても、エルフだよ!エルフ!なんかスゲーよまじで!視力半端ないし、なんか体の中から力湧いて出てくるし。見た目は人間だけど、性能はエルフのようだな。僕はこれから3種族間の争いを無くすためにこの世界に来たわけだけど、何をしたら良いかわからないというか出来ない。まだ、2歳ちょっとだからね。此処は特に勉強するところもないし、仮に育ての親を父さんとしよう。名前は確か……フォルテスビロスだったかな。父さんはすごく親バカだ。僕は記憶を取り戻したが、その時に生まれた時からの記憶がないわけではない。というか普通より覚えている。父さんが狩りをする時に、僕も連れて行って、仕留めた時に「俺すごいだろ!」とでも言いたそうなドヤ顔でこっちを見てくるのも覚えている。僕は普段寝ていたが最近は運動している。例えば、小さな木の枝を拾い、振り回したりしている。
「おーいパクス飯ができたぞー」
そう僕の名前はパクスオプターレ。父さんは魔族語、亜人族語はもちろんのこと、人族語も話せる。僕には、人族語を教えている。僕が人族だから合わせようとしているのかもしれない。
「どうだ?パクス美味しいだろ?お前はなぜか肉を食べないからいつもと同じく、森へいって山菜や果物を取ってきたぞ!」
エルフになったからか僕は肉が食べれなくなった。
まぁ別に元々食べる方じゃなかったし、どちらかというと野菜の方が好きだった。山菜や果物はかなり美味しい。
「父さんいつもありがとうございます。」
「何言ってんだよ。親なんだから当たり前だろ?」
「いや、いつもは僕は感謝しているよ。」
「な!?2歳半の子供なのに親のありがたみを理解するとは、俺の子は逸材かもしれない。」
「ははっ大げさだよ。」
「そんなことはないさ。いやーなんかもう成長したなパクス。」
と、涙ぐみながら言って来た。
いやいやまだまだ成長途中でしょと思った。
「いつも思ってたんだけど、山菜ってどんなやつなの?」
「これ?よくわかんない」
まじか!?こいつよくわかんないもの食わせていたのか?
「まぁ毒味したから大丈夫、大丈夫。」
毒味って死ぬかもしれないのに危ないことするなー
そんな日々を過ごし、月日が経っていった。
3歳になる頃には父さんに無理言って小動物で狩の練習をしていた。父さんに色々教えてもらい半年くらいでほぼ狩れるようになった。4歳になり、魔法を教えてほしいと言って、幻覚魔法を教えてもらおうとしたが、お前には早いと言われた。多分本当の子どもじゃないから幻覚魔法を使えるかわからなかったから教えなかったのだろう。
まぁしょうがないか。その代わりに剣の稽古をつけてもらった。
それから一年たち5歳になった。5歳の誕生日の日(僕が拾われた日を誕生日としている)父さんは僕に「……あのさ、今日は大事な話があるんだ。まじめに聞いてほしい。実はさ気づいてるかもだけど……俺はお前の本当のお父様じゃないんだ。まぁ種族が違う時点で怪しいよな。なぜお前を育ててるかと言うと。俺がいつも通り狩りをしていたら、お前の泣き声が聞こえてよ。近づいて抱っこした時に雷に打たれたような衝撃があってさ、お前を育ててやろう!って思ったんだよね。大きくなったら、おまえの親を探そうと思ってたんだけど、中々お前が可愛くてさ、手放せないんだわ。お前が本当の親に会いたいなら、俺は必死にお前の親を探そう。……だけどお前がさ…俺を本当の親のように思ってくれるならさ…俺はお前に精一杯の愛を注ぐよ。
お前が寂しくならないようにずっと。お前には選ぶ権利があるからさ…近いうちにどっちか選んでくれ。」って言われたんだよね。……泣きそうになった。危なかった、心は泣いてたけど必死に堪えた。まぁ僕はもちろんこう言ったよ…「ふふっ父さん、僕はねいつも文句ばっかり言ってるかもしれないけど、感謝してるよ!いつも僕のために何かをやってくれていた。本当の子どもじゃないのにね。そんな父さんを捨ててまで本当の親に会いたいとは思わないよ。親は今僕の目の前にいるちょっぴり変わった父さんがいてくれれば十分だよ!」って言ったら、父さん号泣した。本当にいい人?亜人か?
話は変わるが、来年には学校に通うらしい。こっちにも学校があるんだなー。そのための準備をするのに父さんは忙しいらしく最近は僕が狩った小動物ばかりを食っている。父さんは幻覚魔法を使い人間がいる、近くの国に行っているらしい。
そして僕が6歳になる年僕は住んでいた森の近くの人間の国へ来ていた。近くと言っても歩いて5時間位かかる。父さんがおんぶして空を飛んで来たから。1時間くらいで着いたけどこれじゃあ通える距離じゃない。どうするんだろう?というか人間の国に入れんのかなーでっかい壁に囲まれているけど。
「よしとりあえず着いたな。とりあえずお前は俺の手を繋いで歩いてくればいい。」
「それって絶対つなぐ必要ってある?」
「……あ、あぁまぁ一応。」
あ、ないなこれまぁ別にいいけど。そして父さんは幻覚魔法を使い人間化けた。本当に幻覚魔法使うの上手いなぁ、全然わからない。
門の前は行列ができている。検査が行われているようだ。
ちゃんと入れんのかなぁこっちの世界のことよくわかんないからなぁ。
僕らの番が来た。
「この国に入る目的は?」
「ギルドに任務完了の報告をしに来た。」
「外で何をしていましたか?」
「ギルドの仕事をしにいっていた。」
「この国のものと証明するものまたは入国許可証はありますか?」
父さんはバッグからカードのやうなものを取り出した。
「ギルドカードですね。はいあなたの身分はこの国のもので間違いないようです。入国を許可します。ですが、その子どもの身分を証明するものはありますか?」
え!?そんなのないよね?大丈夫なのかな?
父さんはまたもバッグから何かを取り出した。
「住民票ですね。それではここに手を乗せてください。」
え?なんで?というか住民票って何?
「大丈夫だ。ほら早くそこに乗っけるだけでいいから。」
そことは、長方形のA4くらいのサイズの紙の右下にある赤い円のこと。そこに恐る恐る手を乗っけたら、ホワンとこの円から星のマークが浮かび上がって来た。
「はい。ご本人だと確認できました。入国を許可します。」
そして、僕と父さんは中に入っていった。
「なんなく入れたなー。準備に準備を重ねた結果だな。」
「どうゆうこと?」
「うーん、まず何から言ったらいいかわかんないんだけど。父さんは冒険者ギルドに入っていて、ギルドカードを作ったんだ。自由にこの国に行き来できるようにね。そして、パクスの住民票を作ったんだ。此処では、父さんの名前がガリウス=ダスティベルでパクスがパクスオプターレ=ダスティベルだいいか?覚えておけよ。」
この世界にはあの冒険者ギルドがあるのか。
「まぁ詳しいことは宿で話すよ。宿を取っているから宿へ急ごう。」
なるべく矛盾点が出ないようにしていますがあったら感想の方から厳しく言ってもらえるとありがたいです。