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「アースルーリンドの騎士」別記『幼い頃』  作者: 天野音色
第七章『過去の幻影の大戦』
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1 幻影判定、当日

ええと…。イラストがですね。全然間に合ってません…。


エルベスがまだ…。アースラフテスもまだ…。


ダンザインもまだ…。


困ったモンだ…。

 その日、ギュンターは個室に呼ばれた。

幻のように白い壁と天井に囲まれた“里”の中でその部屋は、普段彼らが目にする居室のように見えた。


壁はやはり白だったが、箪笥も衣装戸棚も茶の木造。

巨大な木枠の立ち鏡。その横にはテーブルと椅子。

下には、渋い色柄入りの絨毯。


椅子の上に、着替えの衣服が掛けられていた。

ギュンターが近寄り、衣服に手を掛けるとアッカマンが囁く。


「これを飲め。意識が、はっきりする筈だ」

差し出されたコップの中の、少し緑がかった透明な液体を、ギュンターは一気に飲み干す。

途端、口の中に言い様の無い苦みが広がり、ギュンターは一気に後悔した。


本来あんな飲み方をしたら絶対、咽せる筈だった。

アッカマンは呆れて、ギュンターの美貌の横顔を見つめる。


取り澄まし、表情を変えない。

が、アッカマンは彼の心の中が見えたから、その無表情が、ありったけの自制心を総動員して作り上げられたものだと、解っていた。


解っていただけに余計、その見事な無表情ぶりを呆けて見つめる。

「…汗も、かいてないな…」


ギュンターはぎっ!と途端、睨む。

アッカマンの頭の中に

“そんなに俺の表情を、崩したいのか!”

とやせ我慢が限界の、ギュンターの怒鳴り声が響いたから、両手を挙げて手の平をその、金髪美貌の怒れる野獣に向けて取りなす。


ギュンターは苦みから気を紛らわそうと、椅子の背から衣服を取り上げる。

椅子には自分の剣もが、立てかけてあった。


手に取り、今着ている夜着を脱ごうと襟元に手を掛け、ふ…と振り返る。


戸口にはローランデが…そしてその背後に全員が、隠れるように控え、こちらを伺っていた。


「俺の着替えが、そんなに見たいのか?」

ローランデが、ささやく。

「…みんな君を、心配してるんだ」


ローランデの眉が切なげに寄り、見つめられる青の瞳を見た途端、ギュンターは無意識に歩を彼の方へと進め、直ぐ進路を、手を垂直に差し出し遮る、アッカマンに塞がれた。


咄嗟に睨むが、ローランデの背後にオーガスタスがその長身を覗かせ、艶の戻った奔放にくねる赤毛を揺らし、腕組みし、俯いて溜息を、吐いた。


ギュンターは悪友に首を振り上げ、真面目にやるさ!と示し衣服を取り上げ、ざっ!と夜着を、脱ぎ捨てる。


オーガスタス、ローフィスの視線が曝した肌の、傷口に吸い付く。

その傷が薄く成っているのを目に、安堵が感じられ、心配する二人に視線を送りたいのを我慢した。


衣服をすっかり整えると、アッカマンがようやく、戸口のローランデに中に入れ。と促す。

ローランデは紺の近衛服を見事に隙無く着こなし、その金の髪を鮮やかに肩に揺らす、素晴らしい美貌のギュンターを見つめ、少しほっとしたように正面に立つと、その襟に手を掛け整えて囁く。

「怪我人に…見えない」


腰に付けた剣の鞘に右手を掛け、ギュンターは襟を整えてくれるローランデに微笑みかける。

「…奴ら、度肝抜くか?」


が、ローランデはまだ少し、心配そうだった。

「…彼ら(アッカマン達)が…君の様子を知らせてくれると。…私も立ち会いたいが…控えてくれとの、通達があった」


アイリスが戸口から、そっと囁く。

「叔父に…任せれば大丈夫だから」

ローランデは振り向くと、微笑を湛える、まだ少しやつれたアイリスを見つめ、頷く。


シェイルはアイリスの前へ、ずい!と一歩踏み出し、腕組みして親友に、告げた。

「ギュンターは簡単にくたばらない。

第一、奴を仕留めるのは俺の仕事だと、決めている」


ギュンターが途端、不機嫌に成った。

「お前が一人で勝手にほざいてるだけだろう!」

シェイルの、瞳がきつくなり、ローフィスがその肩をぐい!と後ろから引く。


「いいから、大人しく見送ってやれ!」

ディンダーデンがぼやく。

「あれだけ大騒動してこの決着か……。

最初っから、これで決めて欲しかったぜ………」


ゼイブンが、不満たっぷりのディンダーデンの顔を、見た。

ローフィスとアイリスが互いを見たが、結果ローフィスがアイリスに譲った。

アイリスは仕方無しに、ディンダーデンに振り向く。


「神聖騎士団、神聖神殿隊双方の推薦を取り付けたから…あっちも手が無く、承諾したんだ。

今迄の苦労が、実ったと考えるべきじゃないのか?」


ディンダーデンが腕組みして、アイリスにふて腐れ睨む。

「俺は実ってない」

背後から、スフォルツァが唸った。

「アシュアークを、腰が立たない程沈めて、まだ不満か!」

ディンダーデンがむすっ!と振り向く。


「お前、スフレが食べられる。と喜んでムースが出て来たら、むっとしないか?」

スフォルツァは歯を剥いた。

「俺ならムースも!

美味しく頂くがな!」

ディンダーデンは顔を背けた。

「お前は俺じゃない」


咄嗟に迫り出すスフォルツァの肩を、ラフォーレンが慌てて掴み、留めた。


 アッカマンが、ギュンターを見つめる。

ギュンターは一つ、頷くと、アッカマンの手が肩に乗るのを感じた。

途端、目前のローランデの姿がぼやけ、消えて行く。


一瞬で、アッカマンと共に消えるギュンターを見送り、ローランデはだがその姿がすっかり消えた後でもまだ、ギュンターの居た筈の空間を、見つめ続けた。


戸口にたむろっていた面々は、やれやれ。と背を向け、彼らの居る部屋の長いテーブルに上に山と盛られた、食べ物を胃に流し込もうと、椅子に着く。


いつ迄も立ち尽くすローランデに…シェイルだけが皆の流れに逆らい室内へと歩を運び、親友の肩に手を掛け、ささやく。

「ギュンターは、ちゃんとやるさ」

ローランデは少し、俯いた。


「…幾ら…幻影だとて無茶をすれば傷が開く」

「無茶はギュンターの、身上だ」

ローランデが顔を上げ、銀髪の美貌の小柄な親友を、見つめ返した。

「…だから、心配なんだ」


 ギュンターがその室内に通された時、会議場のように周囲は階段状に高く成り、席が設えられ、中央の広いその場所には、二台の寝台が、横に並び置かれていた。


その横には以前訪問を受けた、神聖神殿隊長アースラフテスの、金の粉が散る様な淡く白く輝く派手な金髪が伺い見え、その長身と立派な体格は、一際目を引いた。


彼の背後に並び立つ、二人の男は白く整った面をローブで隠してはいたが、その長身で一目で、『光の民』の末裔だと解る。


手前の椅子に、エルベス、ダーフス公が威厳に満ちた様子で掛け、その横にもう四人の審議委員会のメンバーが連なり、座っていた。


ギュンターがアースラフテスに頷かれ、中央に進み出、審議委員会の面子の横を通る時、エルベスは微笑みと共に軽く頭を傾け、会釈した。


面を上げた彼は美男揃いの『光の民』にも負けない程立派で素晴らしい面立ちで、ギュンターは一瞬、アイリスはどっちかってーと女顔だから余計、いけ好かなく感じるんだ。と悟った。


甥のアイリスよりずっと、男らしい顔立ちのその若き大公は、一目で皆が彼に敬意を払いたくなる程の好感を、醸し出していたので。


ギュンターがアースラフテスに迎えられ、その横に着くと、もう一方の入り口から、その場に集う者達からしたら小柄。とも言えるグーデンが、その姿を現す。


これから行われる事は、眠りに付きながら。とは言え荒っぽい事なのに、その王族の血を継ぐ男は、得意の美貌をぐいと上げてひけらかし、余裕たっぷりに周囲に視線を投げる。


自分はいかにも品が良く、身分高いんだ。

と言う高慢さ故に、それは気品を醸し出す。と言うより、ひどく下賎で滑稽に見えたが、ギュンターは内心、そう感じるのは俺だけなのかな?

と思った。


途端、横のアースラフテスから、耳に聞こえぬ頭の中に響く声で返答が帰って来た。

“君が思う通り、小男の虚勢だと、皆内心笑ってる”


ギュンターはチラ…!と、親友オーガスタスよりも更に長身の、威風溢れる神聖神殿隊長を覗き見したが声の通り笑っていて、ギュンターはつい、俯いてこほん。と一つ、目立たぬ咳払いをした。


唯一審議委員会の一人、グーデンの叔父ゲロス公だけは、事の成り行きに落ち着き無く、頼り無い顔だけが取り柄の甥を、見つめていた。


がグーデンはアースラフテスの横へと歩を進め、その隣のギュンターを、見た途端眉を顰める。


ギュンターは内心嗤った。

無理も無い。

教練時代散々、俺の面で嫌な思いをした男だ。


グーデンは派手な金髪のギュンターの美貌を見、一瞬上ずったようにぐっ。と喉を詰まらせ、が、くい!と顎を上げ、見下した。


エルベスはそのグーデンの様子にもう少しで吹き出す所だった。

そんな事をしたら、体格、実力だけで無くその容姿でも、負けを認め残る勝ち星は身分だけ。


…そう言ってるも同じなのに。

誰からも処世術を、教わらなかったのかな?

虚勢の、張り方も満足に知らない。


ある意味、気の毒ですらある。

が、ああも高慢で聞く耳持たなければ、誰からも教わる機会等、無くて当然か。


そしてエルベスは視線を、ギュンターに戻す。

その金髪の美貌の色男は迫力すらあって、皆が彼の素晴らしさに内心、見惚れてるのを感じていた。


対する相手があれ(グーデン)じゃ、勝って当たり前だ。

それを除いても確かにギュンターはほぼ全てにおいて、グーデンを上回っていた。

…その、身分を除いて。


アースラフテスは左右に着く候補者二人に、交互に視線を滑らせ、ささやく。

「これから行う、幻術の心構えは出来ているか?」

二人はほぼ同時に、頷いた。


アースラフテスは頷き返し、真正面に座す、審議委員会の面々に顔を向け、高らかに詠った。

「これから起こる、一切の事の責任は私が果たす!

両者は幻影の中で審議委員達の見守る中その、長たる資質を問われ、応えた者が中央護衛連隊長として選出される!


これに意義のある者は今、唱えよ!」


が、皆が静まり返る中突然議場の扉が開き、戸口からその人物が姿を現した。


崇高な白く淡い光を纏った、滑らかな長い髪をたなびかせ、その人物はゆっくり室内へと歩を、進める。


西領地[シュテインザイン]地方護衛連隊長ダンザイン。

だが彼がその名称では無く、神聖騎士団長としてこの場に居合わせるのだと、皆が心得ていた。


彼は同様『光の民』の血を継ぐ同胞、アースラフテスをその静かな青の瞳で見つめ、アースラフテスが途端、恐縮したように静かに頭を垂れる。


彼らの上下関係は朧に皆知ってはいたが、何にも恐れを知らぬ神聖神殿隊長が間近で礼を取るのを見、初めて、人間界では見る事の出来ないダンザインの偉大さを、知る様な気がし、改めてここは彼らの世界なのだと思い知らされる。


周囲をダンザインはそっ…と見回す。

広い議場の壁高くに設えられた幾つもの窓から光が、その荘厳で薄暗い議場に幾重にも差し込み、周囲を浮かび上がらせ、中央に寝台の二台並ぶ光景は神秘を醸し出していた。


ダンザインがアースラフテスを見つめ、二人は黙ったまま、お互いを見つめ合った。


その時ようやく、議場の皆が二人が、耳に聞こえぬ彼らだけの方法で会話を、交わしているのだと気づく。



 議事招集時間の少し前…別室で待機していたダンザインはふ…。と目を凝らす。

なにか…そう、何か…とても古く、微かな気配がして……。

微かで…だが巨大な“気”が、胎動を始め、動き出している。


…そんな感覚に、ダンザインはより一層感覚を研ぎ澄まして目と耳を、見えぬ“気”、聞こえぬ“波動”を拾おうと必死で辺りを見回す。


…が…それは本当に微かで…余程の者ですら、捕らえられぬ程微弱な囁きのようだった。

『お時間です。議場にお運びを』

まだ室内から出ぬ神聖騎士団長に、神聖神殿隊の一人がそう頭の中へと話しかけてくる。


がダンザインはその回路を閉ざし、一路、『西の聖地』に向けて“気”を送る。

直ぐ、ウェラハスが気づいて問いかけて来る。


“そちらで何か、ご不安でも?”

“今から送る、この微かな“気”に、心辺りが無いか賢者達に尋ねて欲しい”


神聖騎士団を抜け、後輩達に道を譲り岩山の山頂を住まいとする“賢者”達…。

激しい戦いと常に緊張を強いられる栄誉ある職務から解き放たれ、その心と体を休めている、懐かしき同胞達。


彼らの内の誰か一人なら…心辺りが、あるのかも知れない。

が、ウェラハスが唸る。

“…これは………木の葉の落ちる音が大音響に聞こえる程の…うんと微弱な波動ですね………”


“そうだ。だが確かな“音”である事は変わりない”

ウェラハスは聞き取りにくいその微弱な“波動”と“気”を、何とか捕らえるとダンザインに返した。


“時間が…かかるかもしれません”

がその時『西の聖地』のウェラハスに、ダンザインの“気”が光と成って放たれた。


光の中のダンザインは、言葉ですら無い、光の振動でこう告げる。

“私は彼らに安全を護ると約束している”


あまりにも…光に溶けた言葉で、それが消えた後ですらウェラハスの体内の隅々にその言葉は光と成って留まり、彼は自分の敬愛すべき男の心根に打たれ、直ぐ身を起こし、別室に居るミューステールに回路を開き、囁きかけた。

“力を…。岩山まで飛べるだけ”


封印で護られているその地には、“影”の傷を癒す騎士達が、外界を寄せ付けず幾重にも張り巡らされた堅い結界で安寧を得ている。


その封印を…彼らが開けてくれるかすら、解らない。

が、ダンザインが光の言葉を送る程だ。


その封印を、何としても解いて彼らと会え。

その決意はそう告げていた。


ダンザインはウェラハスが輪の中心。

『光の国』から光を得る事の出来る唯一の者、ミューステールと回路を開くのを感じ、ようやく神聖神殿隊の者が再び催促するのを耳にした。


『議場にお運びを。

既に候補者二人が、我らが長の、御前に集っています』

ダンザインは頷いた。


議場にいきなり飛んで現れるのは無礼だ。

議場の殆どを、人間が占めている。

これから幻術に誘う、人間達を驚かせるのは幻術師達の仕事の邪魔に成りかねない。

幻術の導入には安らかな“気”に身を委ねて貰わねばならないから。


ダンザインは議場の扉の前に一瞬で飛び、その扉を開けた。


遅れるはずも無い者。

それが居るとしたら唯一ダンザインの筈。

が、彼が遅れた理由を、アースラフテスは直ぐ心話で受け取ると部下達に警戒を呼びかけた。


人間には聞こえぬ…だが、『光の民』の血を受け継ぐ者なら皆、頭上から降って来る警戒を知らせる大音響に上を見上げ、神聖神殿隊を統べる長の言葉に耳を、傾けた。


「…どうしたの?」

一斉に遊びを中断して空を見上げる“里”の子供達に、レイファスが尋ねる。

その言葉を、ファントレイユもテテュスも聞いた。

尋ねられた“里”の子供達は、首を横に振った。

「僕達が危険な訳じゃないって」


けれど、レイファスもファントレイユもテテュスも、意味が解らず首を、傾げた。


ダンザインはアースラフテスの流す警告が、神聖神殿周囲から『光の里』に迄響き渡るのを見守った。


アースラフテスはようやく視線を再び、目前のダンザインに戻すと軽く頭を下げ、ダンザインはその瞳を、ゆっくりギュンターへと、向けた。


青の湖水のようだ…。

明るく光るその青の瞳に捕らわれ、ギュンターはそう心の中でつぶやく。


が、アースラフテスは背後のローブを深く被る彼の部下、二人の幻術師に頷くと、二人はそれぞれ、二人の候補者、ギュンターとグーデンの前に立つ。


「貴方を導くのは私、ラドッラルです」

そう名乗った男を、ギュンターは見た。

細長い顔立ちで涼やかな明るい青い瞳。

ローブから覗く、くねる白っぽい金髪。


その微笑みはチャーミングに見えた。が『光の民』特有の、清々しい空気に包まれ、崇高に見えた。


ギュンターは一つ、頷くと頭の中に響く声に、従った。

“では寝台に横に。

これより私のこの声に従い、貴方の心は体を抜け、幻術の世界へと旅立ちます。


私が案内するのはその場所迄。

後は貴方が降り立った人物の中で、その人物の立場で、判断し動いて下さい。


そして…どうしても苦痛。もしくは困難であらば私に向けて、その旨叫んで下さい。

勿論、頭の中で。


私がその人物から抜け出る術を施します。

そしてもし貴方の御身に危険が振りかかりそれが…致命的な打撃を与える。


そう私が判断した場合、私が貴方を一方的に拠り所と成る人物から引きずり出し、肉体に戻す場合もございます。


以下、とくとご了承頂けましたか?”

ギュンターは寝台に仰向けに寝転がり、そっ…と頷く。


気配で…隣の寝台に、横たわる人が居ると感じられ、それは多分グーデンだろう。と辺りを付けた。


が直ぐ、濃い空気が周囲を取り巻きそれは強引に…眠りの中に引きずり込まれるのを…ギュンターは感じた。




 メーダフォーテは時計を見た。

もう…時間の筈だ。


部屋の中央にある結界を通じて…呪文を唱え氷室の…夢の傀儡王の居る場所迄飛んで行き…直に様子を、聞こうか。とも考えた。


が直ぐ、頭の中に声が響く。

“それは…得策じゃないな…。

神聖騎士団長が我の動きに感づいた。


まだ…我とは知られてはおらぬ。

が、お前が動けばあの霊知溢れる男は直ぐ感づいて、お前の心を読みそれを手繰って私に辿り着く。


邪魔をしたくなければ、大人しく首尾を待て”


言われて、メーダフォーテは手を持ち上げて爪を噛んだ。


傀儡王はグーデンを誘う幻術使いにそっ…と近寄る。

微かな気配と成って。


そしてグーデンを、自分の作り上げた幻想へと誘う幻術使いに寄り添った。


暗い場所から、透けて透明な入り口の向こうに、青空とそして緑成す丘。作り上げられた幻想の世界が、広がっていた。

その入り口で、傀儡王は透けた偽物のグーデンを作り上げ、入り口から中へ入ろうとするグーデンと巧みに一瞬で、擦り変えた。


偽物のグーデンが幻術使いが誘おうとした人物の中へと滑り込むのを見届けると、傀儡王はグーデンを、自分の作り上げた幻想の中へと誘い、寝台で眠る者の中へと落とし込んだ。


幻術使いは幻想の外の暗い空間で監視を始め、その様子をアースラフテスは受け取る。


傀儡王は、ギュンターの幻術使いラドッラルにも近づく。

彼はそれに、気づいてすら居なかった。


傀儡王はラドッラルが導くギュンターに偽物のギュンターの姿を重ね合わせ、本物のギュンターを引き剥がして捕らえた。

これもまた、ほんの一瞬。

ラドッラルは気づく事無く偽りのギュンターを自分の作り上げた幻想へと誘う。


傀儡王はラドッラルが、偽のギュンターを幻想の世界の、人物の一人に降ろすのを見、忍び笑った。



 ウェラハスは岩山の頂上の、人間の瞳には捕らえられぬ、幾重にも目に見えぬ白い光で張り巡らされた強固な結界に、吐息を吐いた。


会話は彼らが話しかける時だけ。

こちらから連絡を取ろうとすれば…余程粘り強く、光の結界を突き抜ける強さで、話しかけ続けなくてはならない。


まして、戦いより体を休める者ばかり…。

起きて、居る者が居るとしても、その“耳”は神聖騎士だった頃と違い、研ぎ澄まされてすら居ない…。


気づいて…くれる迄辛抱強く、語りかけ続けるしか、術は無かった。

がウェラハスは心と体に残るダンザインの意志である光を見つめ、辛抱強く神経を集中し続ける作業を、続けた。



 アッカマンはサーチボルテスを見た。

「この、時にか?」

サーチボルテスは項垂れたまま、返答をしなかった。

が顔をすっ。と上げ、困惑の表情を浮かべ相棒に告げる。

「…誰も、それが何か解らない………」


空間では悲鳴のような会話が、“里”と神聖神殿中響き渡った。

誰が誰と、会話しているのか解らぬ程皆が、アースラフテスの警告にその微かな気配を捕らえようと、次々に耳に聞こえぬ言葉を繰り出す。


“これだろう…?”

“それは俺の同僚だ!

今眠ってる!”

“これじゃないのか?”

“見つけた!この波動だろう?”

皆が一瞬“耳”を澄ます。

“それはウチの子よ!

さっき眠ったばかりだから、起こさないで!”


蜂の巣を突いた。とはこの事だろう。

皆一斉に頭の中でしゃべりまくり、制御しないと頭痛に成りそうだった。


「ミラーレス達はどうしてる?」

アッカマンがそうつぶやき、サーチボルテスに顔を向けた途端、癒し手の一人が頭の中で叫ぶ。

“我々は除外して貰う!

怪我人を抱えてる身なんだからな!”


そして、この人間を迎え入れる迎賓館の癒し手が一斉に、“耳”を閉じ、耳に聞こえぬ騒音を閉め出して、怪我人の治療に当たるのを感じた。


アッカマンが吐息を吐き出し、再び相棒を見つめる。

「今…まさに中央護衛連隊長を決める幻影判定が始まった、この時間に?」

サーチボルテスはしつこいその同僚に、唸った。

「それはさっき、もうとっくに聞いた!」



 ギュンターはいきなり強引に引っ張られるのを感じた途端、足を踏み外し空間に落ちていく錯覚に囚われ、気づくとかなり豪華な一室の、大きな鏡の前に居た。


その鏡に映った顔に、愕然とする。

確かに金髪だったが、色が違う。艶も違う。

そして顔立ちは…自分のように優美に気取った顔で無く、どちらかと言えば右将軍アルフォロイスに似た…どっしりとして意志の強い…そんな顔立ちだった。


つまり俺はこの男に成ってここで…自分の手腕を発揮しろ。

そう言う事らしい。

周囲の扉に戸は無く開け放たれ、部下らしいごつい男達が、何やら慌ただしい空気を装い、不穏な気が流れ、ギュンターは状況を知ろう。と周囲を見回す。


まだ…その男と完全に一致していないのか…乗り移った男は自分の中に居るギュンターに、気づく事無く部下達に矢継ぎ早に言葉を浴びせる。


「状況は!」

「敵は岩城に籠もったまま、出て来る様子はありません!」

「使者は戻ったか?!

城の見張りは何人付けた?!」


部下達は吠える。に相応しい主の問いに、必死に応えていた。

ここは…いつの時代で今どんな状況なんだ?


ギュンターはもっと…単純で解りやすい設定の場だと思っていたが、その考えが甘かった。と知らされた。

『歴史の勉強をもう少し、真面目にしとくんだった』


が、飛び込んで来た部下がその名を呼んだ途端、顔を上げる。

「アーマラス!」


何てこった!

「右の王家」の、始祖の名だ。

つまりここは現「右の王家」の所領地アムルバスで、彼の敵は………!


「…ではガスパスはどうあっても…解放はせぬと………!」

羊皮紙を固く握りしめ、憤怒の表情で窓の外を睨む。

アーマラスの中に居るギュンターは、ようやく状況を、把握した。


宿敵グラッツェンドル。

領地点在し、まだ王無きアースルーリンドの新興勢力で、次々に領地を襲い我が物として領地を拡大し、1、2を争う大領主、現「右の王家」の始祖アーマラスに戦いを挑んだ男、ガスパス。


戦いの発端は確か…アーマラスの婚約者にガスパスが横恋慕し、彼女が故郷へ戻る道すがら騙し、自領地の城に捕らえ、再三のアーマラスの要請を蹴り彼女を解放せずついに…両者決戦の火蓋を切ったと……。


グラッツェンドルには、まだ光から影へとその力の源を移したばかりの『影の民』の始祖達が付き…そしてアーマラスには『光の国』から降り立つ、『光の民』の助けがあり…その戦いは人間と人間。そして光と影の入り乱れた戦いだった。と…………。


ギュンターの入り込んだアーマラスの張り詰めた心には、愛おしい栗毛の理知的で美しい姫君の姿が、激しい焦燥感と共に映し出され、彼女を思う度、彼は部下にそのはっきりした声音で、吠えるように命を下す。


自分がローランデを、奪われ彼が危険に曝されてるなら、アーマラスの心境は痛い程解った。


がアーマラスは直ぐ様兵を集め、岩城に攻め込みたいはやる心をありったけの自制心で抑え込む。


『今すぐ…戦いが起こる。と言う訳では無さそうだ……』

ギュンターは暫く自分が操る事に成る、アーマラスと言う人物を観察出来る機会が得られた。

とほっ。と息を、整えた。


 

 ギュンターを送り出し部屋に戻った途端、ディンダーデンに青の流し目を送られて、アイリスはうんざりした。


オーガスタスだけは部屋の隅で闇の傷跡を塞ぐ為、ミラーレスが付き従って傷を癒し始め、ディングレーとゼイブンはさっさとガラス戸で仕切られた露天風呂へと逃げ出し、ローフィスとシェイルはとっくに先に、湯に浸かっていた。


残っているスフォルツァは相変わらず、ディンダーデン相手に一歩も引かず睨み付け、ラフォーレンはスフォルツァの背後で、はらはらしてそれを見守る。

ローランデだけが残り横に付き、そっと心配げに見上げてくれるから、アイリスは彼に微笑んだ。

「…オーガスタスが居ないから、湯に浸かるのは無理そうだ」


が返答したのはディンダーデン。

「俺が抱えて入ってやるし、いい思いをさせて傷も癒せる。

湯に入るのが無理な理由が、どこにある?」


スフォルツァが目を剥き怒鳴る。

「…お前が!突っ込む気だからだろう?!」

ラフォーレンが慌ててスフォルツァの肩を背後から捕まえ、必死で後ろに引く。


アイリスは吐息を吐き、横で促すディンダーデンと向かいで歯を剥くスフォルツァを眺め、ディンダーデンに囁く。


「君の心づもりは解ってる。

けどその前に君はスフォルツァと激しい喧嘩に成るだろう?

私はゆっくり湯に浸かって傷の治療が出来ない」


スフォルツァもディンダーデンに噛み付く。

「ギュンターが消え、オーガスタスも治療中で、今が絶好の機会と狙ってないか?!

悪いが俺の事を忘れて貰っちゃ困る。

何が何でも阻止するからな!!」


ディンダーデンは肩を竦める。

「忘れても無理ないだろう?

奴ら二人に比べりゃ、お前を沈めるのは簡単だ」


ラフォーレンが止めるのも聞かず、スフォルツァがぐい!と肩を迫り出す。

がラフォーレンが睨み合う二人に囁く。

「あの…アイリス殿はそのとっくにローランデ殿と………」


二人が気づき振り返ると、アイリスは自分より背の低いローランデに頭を傾げ見つめながら、扉の先の寝室へと、消えて行く所だった。


ディンダーデンが閉まる扉を見つめ内心つぶやく。

「(仕方無い…。寝入ってから襲うか…。

横でローランデが寝てたら、奴を起こさない様注意が必要だな…。


一旦ソノ気に成ると無差別で襲いかかっちまう。

ローランデ迄やっちまったら、確実にギュンターを敵に回す…)」

『…どんだけケダモノなんですか……。By 作者』


ディンダーデンが睨むスフォルツァから顔を背け、湯あたりと疲労でぐったりするアシュアークの元へ歩を運ぶ。


湯から戻り食事のテーブルに付いている、ゼイブン、ディングレー、ローフィス、シェイルはこぞって、ディンダーデンがまた始めない事を祈った。

なぜなら皆、口の中に食べ物がいっぱい、詰まっていたので。


スフォルツァはディンダーデンが意外にも、ソファにへたり込んでいる疲労の濃いアシュアークの腕を取り、抱きかかえて食卓に着かせるのを見、安堵の吐息と共に自分も食卓の、椅子を引いて掛ける。


ラフォーレンはそんな二人にほっとし、ようやく中途だった食事に戻れると視線を食卓に落とし、舌鼓打ちそうな絶品の、皿の上のパイの肉包みに微笑みを送った。



 アイリスは寝台に足を掛ける。

ローランデが横でこちらに顔を向け、一緒に寝転んだ途端、睡魔が襲って来る。

ローランデの端正な寝顔が歪み、ぐらり…とした目眩と共に、深い眠りに落ち込んだ。


そっ…と何かか忍び寄る気配がする。

微かな…空気のようなそれは身にまとわりつき…側にはローランデが同様、囚われた操り人形のように立って歩き、どこかへと導かれていた。


声を出そうとしたが出ない。

手足も操られ、自分の意志では動かせなかった。


やがて足元に空間が広がる。

どこかの一室のようだった。

豪奢な天蓋付きの寝台。大きな美しい鏡。綺麗に飾り付けられた幅広の、衣装箪笥。


どうやら女性の部屋らしい。

が暗い。

人が居る、気配がし、嘆きが伝わって来た。

ふいに…ポオン!とその下の人物へと突き落とされる。


間近で見た人の気配は二人の女性で、どうやら高貴な身分の女性をもう一人が…慰めている様子だった。


アイリスは、慰めている女性の方へと、押された筈だった。

横にローランデが同様、高貴な女性目がけて落とされて行く。


が、チッ!と言う大きな舌鼓が頭上で聞こえたと思ったら、アイリスは気づくと高貴な女性の中へと、吸い込まれていた。


女性の目を通し相手のお付きの侍女らしい女性を覗い見ると、その中に透けて、ローランデが居るのを見つける。


『…これって夢なんだよな…。

“里”には幾度も来てるが、こんな夢の噂は聞いた事が無い。

これではまるで、幻影に入り込んだような………』


アイリスは途端、はっ。とする。

ギュンターとローランデは深く心の底で繋がっているとすれば…。

たった今、ギュンターが入った幻影に、その深い繋がり故共に引きずり込まれる事故が、起こり得る。

…そう聞いた話を思い出して。


けど疑問が立ち上る。

ローランデなら解る。がなぜ自分迄………?


気配が、した。

窺い知れない程微かな。

あれがもし、意図した物なら………。


これは多分、間違い無くメーダフォーテの罠だった。

そうなら納得が行く。

グーデンにどうやって下駄を履かせ、実力以上の力を発揮し、幻影の敵を撃破させるかは解らなかった。


が、ローランデを幻影に捕らえ、人質にすればギュンターの動きを縛れる。

自分はその、ついでだろう…。


例え幻影と言えど、この中で大怪我をすれば肉体に響く。

苦痛は精神を呵み、肉体は精神によって支えられていたから。


ここで“死”を味わえば肉体は同等死ぬかそれとも…二度と起き上がれぬ、生きた骸になるかだ。

アイリスは油断無く周囲を見回した。


サーチボルテスかアッカマン。

もしくはギュンターを誘う幻術使いの気配を探る。


が、閉じた空間に封じられたように出口が無い。

ローランデが、呆けたように自分を見つめていた。


『大丈夫です。必ず手は有りますから』

そう囁くと、ローランデから返事が返って来る。

『夢じゃ…無いのか?これは………』

アイリスは困ったように肩を竦めた。


『限りなく夢に近い幻影の中に居ます』

『まさか…ギュンターに同調して引き込まれた…?』


アイリスは務めて冷静に、ローランデに告げる。

『それならギュンターとも、ギュンターを誘う幻術使いとも連絡が取れる筈。

けれど回路は閉ざされ、連絡を取るのは不可能…』

途端、ローランデは声を落とす。

『メーダフォーテの…罠か?!』


一瞬で状況を察する物の解った武人の彼に、アイリスは言い返す。

『ここがいつの時代で私達が入り込んだ女性達が誰なのかを、探らないと………』

が、ローランデは困惑したように囁いた。

『…けどアイリス…。この人は女性じゃない…。

女装した…護衛兵だ』

アイリスはそう言ったローランデをつい…凝視した。



 スフォルツァは向かいのローフィスとディングレーを見つめる。

ローフィスはフォークを持ったまま。

ディングレーは骨付き鶏肉を手に掴んだまま、ぐらり…!と眠気に頭を揺らす。

彼自身もが、フォークに絡めたパスタを口に運ぶ途中、濃い眠気に頭を覆われ、ぐらりとその身を揺らした。


ラフォーレンは目前の大好物の肉包みパイの最後の一切れを見つめた。

手を伸ばそうとして眠気に襲われ、悲しげに頭を食卓に突っ伏して眠気に、囚われた。




 ディンダーデンはその人物を城の石造りの階段で見つけた時、叫びそうに成った。

どう見ても…どこから見ても、本の挿絵の尊敬すべきタナデルンタスにそっくりだった。


顔はさて置き、分厚い本を右脇に抱え、ぶ厚い鼻眼鏡を胸に掛け、ちょっと奇妙に見える異国の色鮮やかなローブを着、服の色に合わせた紫色のターバンを、巻いていたからだった。


ふ…とガラス窓に映る姿で、彼が挿絵画家が思い描くよりずっと…男前だったと解る。

この彼が本物のタナデルンタスだとしたら。



ディンダーデンは自分がいつの間にかその人物に入り込んだ不思議も忘れ、わくわくした。

タナデルンタスは創始のアースルーリンドの伝説の人物だった。


アースルーリンドの現王家、金髪の一族の敵国グラッツェンドルの、お抱え占星術師だったがどちらかと言えば薬草学者で希代希なる頭脳の参謀。

がその地位を『光の国』からこの地に降り立った『影の民』の末裔に奪い取られ、ただのお抱え医師に成り下がったのだ。


タナデルンタスが、がっかりしてその石の階段を登って行く様に、ディンダーデンは熱烈な崇拝者の中に居る幸福を味わった。


「タナデルンタス…」

そうつぶやく声に振り向く。

かなりの美人だった。

「気を…落とさないで…。

叔父様はきっとまた、貴方の助言を必要とするわ…」

『ガスパスの姪か………』


ディンダーデンが読んだ歴史書には、タナデルンタスは結局ガスパスを裏切り、敵国アムルバスに寝返った為にグラッツェンドルは破れ去り、歴史からその名を消したとある。


この状況だとどうやら彼がグラッツェンドルとその領主ガスパスを裏切るのは、まだこれからのようだ。

その場面を、尊敬する人物の中で見られるなんて、最高の待遇だった。


ディンダーデンはなぜ自分がそんな状況に居るか。

に疑問も持たなかった。

“里”の奴らが娯楽が少ないから慰めとしてせめて夢で、楽しい思いをさせてやろう。ともてなしてくれている。


そう決め込んで、タナデルンタスがその麗しの美人に振り向くその中で、どうやらもう一つの欲望も発散出来そうだ。

とほくそ笑んだ。


…が、どうなんだ?

彼と同調してるんなら、自分も満足する筈。

がそうで無いなら単なる覗き見だけで、逆に最悪な欲求不満に成る。


がディンダーデンは直感から、絶対同調してる!と確信した。


寝室で豊満な裸の女性を組み敷いて、ディンダーデンは心から笑った。

出来ればタナデルンタスが放蕩人で、この女性の他にもう二人程、摘み食いしてくれたら自分の戦闘後の衝動は、収まりそうだった。


何せ、徹夜で尋常じゃない地を駆け抜け、巨大ワニに『影の民』の操るぞっとした動く死体との、望まぬ対面。

その上次々に沸いて出る盗賊集団に、決着が着かないままの、歯切れ悪いレッツァディンとの対決。

これだけ揃えば並大抵の事じゃ、衝動は収まりそうに無い。


『彼女が恋人じゃなけりゃいいのに』


ディンダーデンは甘い女性の囀る様な喘ぎを耳に、心からの祈りを、誰にだか解らないがこんな幸運を自分にもたらしてくれた主に、捧げた。



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