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「アースルーリンドの騎士」別記『幼い頃』  作者: 天野音色
第三章『三人の子供と騎士編』
32/115

12 後かたづけ


 夜も明け切らぬ早朝早くに、使者から知らせを受けた中央護衛連隊所属、都護衛連隊の公領地隊長が、アイリスの屋敷を訪れた。

隊長自らの直々の訪問で、皆はまだ居間でだれきり、夕べの戦闘のまま着替えもしてなくて、アイリスは血糊の付いたガウン姿でその男を、迎えた。


「わざわざ貴方に来て頂いて」

さっと窓辺から差し込む朝日の中、公領地隊長は濃げ茶の真っ直ぐな髪を豊かに肩に垂らし、今だソファにへたり込ん座っている、くたびれた衣服の近衛の男達をチラと見る。


男達の間に居る、綺麗な幼い子供達も。

「…激戦だったようだ。外の死体の数を見ると」

アイリスが、笑った。

「ご存知でしょうが、私の同僚や近衛の手練れ、それに北領地[シェンダー・ラーデン]の地方護衛連隊長迄居るので防げました」

彼は頷き、金髪のギュンターの姿を、見つけた。

ギュンターは思わずその公領地隊長の名を、呼んだ。

「…ライオネス」

ギュンターに呼ばれ、彼は軽く会釈する。

ギュンターも同様に返し、オーガスタスに小声で訊ねられた。

「知り合いか?」

ギュンターはそっと告げる。

「俺の隊の副隊長、ディンダーデンの兄貴だ」

その名を聞いてオーガスタスは、同じ近衛の、ギュンターより年上の大柄な色男を思い出して頷き

「弟は軟派で、兄は硬派か」

と公領地隊長に視線を送る。


その広い肩をし、立派な体格の美男は引き締まった表情で、隙が、無かった。

彼は依頼者である、優美そのものの微笑をたたえる大貴族のアイリスをもう一度見ると、そっと告げる。

「暫く周囲を見回り、残党が居ないか確かめます」

アイリスは頷くと、その隊長に告げた。

「では、後程ぜひ朝食をご一緒に。

あなた方の早い到着のお陰でようやく、我々もくつろげます」

ライオネスは皆の、あちこちに血糊の付いた衣服とくたびれた切った表情を見、笑った。

「そのようだ」

その言葉で直ぐにディングレーが体を、起こす。

オーガスタスも立ち上がり、ローフィスもシェイルを促した。

アイリスが振り向くと、皆に告げる。

「血の匂いを落としたいだろう?

湯殿に君達の着替えを用意させるから」

テテュスが微笑んでアイリスに駆け寄り、見上げるとつぶらな瞳を向け言った。

「温泉に、行くの?」

アイリスはうっとりするような微笑を彼に向けて、頷いた。




 皆が屋敷を出ると、庭は中央護衛連隊の兵と、縛られた夜盗達でごった返していた。

ギュンターが、呆けた。

「二個連隊、来てないか?」

ローフィスが振り向く。

「そりゃ、王族に親戚を持つ大貴族だ。

公領地の中でも優先リストに入ってるんだろう?」

シェイルが、男らしい黒髪を立派な肩の上で揺らす王族のディングレーを見上げた。

「じゃ、あんたの所なんか襲われたら、これよりもっと大事だな」

ローフィスが請け合った。

「三から四個連隊は確実に、動員される」

が、ディングレーは呻いた。

「俺の所は兄貴が夜盗のような男だからな。

全うなごろつきは避けるだろう?」

皆、そう言うディングレーを思わず一斉に見つめた。

教練(王立騎士養成学校)在学中、彼の一級上の兄、グーデンが物騒な取り巻きを連れ、どれだけタチが悪いか全員知っていたので、笑った。

同級で、四年間グーデンと敵対し続けたオーガスタスが、ローフィスと共に頷いた。

「確かに。盗賊から逆に、巻き上げかねない奴だ」

テテュスはディングレーを、そっと見上げた。

「…お兄さんが、嫌い?」

ディングレーは幼い彼に尋ねられ、返答に、もの凄く困った。

「好き嫌い以前に、あれと血が繋がってると思うとげんなりする」

レイファスもファントレイユも、そう言うディングレーを見た。

二人共、兄弟が居なかったので。


ぐったりしていたゼイブンが、いきなり椅子から身を起こすとしゃべり出す。

「あっちも、出来過ぎの弟を持ってさぞかし、肩身が狭いだろうよ。

誰が見てもあんたの方が男として立派だ。

自分は顔がいいと、自惚れでもしなけれゃやってられないだろう?」

皆が一斉に振り向き、そう言うゼイブンに視線を送る。

ゼイブンは言葉を続けた。

「…がその『教練一美男』の鼻も、ギュンターが思い切りへし折るし。

グレる一方だ。

どうせ周囲はあんたの方に大層、期待をかけてたんじゃないのか?」


子供達が見ると、ディングレーは少し、戸惑う表情をした。

ローフィスがつぶやく。

「グレた奴の心理に、理解があるな。ゼイブン。

経験者か?」

ゼイブンが静かにつぶやく。

「…見てりゃ解る。ディングレーの居る所にグーデンが現れて見ろ。

ズシンと男らしいのはあんたで、あっちはただの軽い、馬鹿に見える」

ディングレーが俯く。

「…でも事実馬鹿だ。

力も剣の腕も無いから権力志向で卑怯者で、やたら自分を誇示したがる。

だが馬鹿なのは勉強が嫌いで、腕が無いのは鍛錬が嫌いだからで、怠け者にどうしていっぱしの評価が出来る?」

ゼイブンはタメ息混じりにぼやいた。

「俺は吹けば飛ぶような身分で後ろ盾が無くて、良かったぜ。

嫌でも努力しなきゃ、生き残れない」

ファントレイユが、そう言うゼイブンをそっと見上げた。

ギュンターは異論を唱えた。

「お前も、馬鹿で軽く見えたがな」

ファントレイユの眉がその評価に悲しげに寄り、そう言ったギュンターを見つめる。

テテュスもレイファスも、アイリスとローランデに寄り添って戸口の側で立っていたが、父親大好きのファントレイユを知っていたのでお互い顔を見合わせ、揃ってファントレイユに気遣う視線を送った。


アイリスが子供達の表情に気づき、口を挟む。

「でも、今はそう思って無いんだろう?ギュンター」

ギュンターは怒鳴った。

「だが、馬鹿だ!

困ってる女を見、すっ飛んで助ける!

ファントレイユの時もお前を突き飛ばし、盾に成ったんだろう?

少なくとも冷静で要領がいいと思ったのは取り消しだ!」


ゼイブンはがっくり項垂れ、ファントレイユが励ますように彼の横で衣服の裾を、握る。

オーガスタスが、屈託無く笑った。

「照れ屋だ」

ローフィスもその通りだと、頷く。

「照れ屋だ」

ディングレーがぶっきら棒に言い捨てた。

「恥ずかしいんだな。直情男だとバレるのが」

ゼイブンはやっと顔を上げると怒鳴った。

「当たり前だ!

ここでの事は全部忘れろ!」

「出来るか」

ローランデに素っ気なく言われ、シェイルにくすくす、笑われた。




 全員が笑いながらようやく厩にたどり着くと、中央護衛連隊の騎士に、ゼイブンとギュンターは馬の手綱を渡された。

ギュンターは焦げ茶の愛馬を見て、微笑んでその体をなぜ、ゼイブンは、白地に黒の斑点の愛馬の顔を覗き込んだが、自分を置き去りにした。とそっぽ向かれ、馬の機嫌を取るように、その長い顔をそっとなぜた。


皆が馬に乗る時、ファントレイユはアイリスの後ろから、長身の彼を見上げて訊ねた。

「僕を庇うと、馬鹿?」

皆がファントレイユの言葉に、馬に乗る手を止めて一斉に、振り向く。

アイリスは彼に振り向き、その長身の上体を屈め、ファントレイユのブルー・グレーの瞳を見つめてささやく。

「馬鹿だけど…。この場合は、誉め言葉だ。

自分も忘れる位、君の事が心配だという意味だから」

ファントレイユはアイリスの濃紺の瞳が優しく輝くのを見つめ、そしてゼイブンに振り向いた。

馬の横でファントレイユを待つゼイブンの側に、彼は歩み寄ると、そっと見上げて、訊ねる。

「うんと、心配?」

ゼイブンは一瞬、あどけなく問うファントレイユを見つめ、泣きそうに顔を歪めた。

皆が、やっぱり。と吐息混じりに馬に各々、乗り込む。

ゼイブンは顔を上げて皆をきっちり睨んだが、無言でファントレイユの脇に手を入れて抱き上げ、馬の鞍の上に座らせた。

ファントレイユは後ろに乗り込むゼイブンに、返答を聞こうと振り向き、その視線に気づいて見つめ返すゼイブンの顔が泣き出しそうに見えて、顔を下げた。

「…もう、解った」

つぶやくファントレイユは俯いたままで、ゼイブンは返答の代わりにファントレイユの腰を、馬から落ちないように抱き寄せ、顔を上げて手綱を引くと、やっぱり無言で先に行く連中の後を、追った。



その豪勢な脱衣場で、オーガスタスもギュンターも呆けた。

「花が浮いてる…!」

ディングレーは肩をすくめた。

「女がやる入浴法だ。花の香りをぷんぷん臭わせろって?」

騎士達の反応に、子供達に一斉に見上げられてアイリスが俯いてつぶやいた。

「だって血の匂いよりはマシだろう?

それとも君達の持ってる、香料でも垂らすか?」

ローランデが浮いている白い花を見つめてつぶやく。

「ニラの花で、血の香りがすっかり消える上に、甘い香りじゃ、無い…。

戦闘の後には良く、使うぞ?」

ローフィスが浴槽に屈み、花を掬って臭いを嗅ぐ。

「…ああ…確かに戦闘後、上品な奴から香ってくる匂いだ」

シェイルがぼやいた。

「栽培が難しいから、凄く、高いがな!」


皆が一斉に、アイリスを、見た。

四つに区切られた広々とした浴槽それぞれに、隙間無くいっぱい、浮いている。


オーガスタスが、ぼやく。

「…これだから、金持ちは…」

アイリスが言い訳した。

「全部に入れろと私が命令したんじゃない…。

侍従が、君達が殺しまくって、とんでも無く臭いだろうと気を利かせたんだ」


「…………………………」

ギュンターとディングレーが、嫌味な程花でいっぱいの浴槽を、無言で見つめた。

「お前達は、しっかり浸かれ!」

ローフィスが言い、オーガスタスも二人の背につぶやいた。

「侍従の気遣いを、無駄にするな」



ゼイブンは段差に成ってる一番下の、天井が青空の浴槽の端に両手乗せて浸かりながら、上の脱衣場近くの浴槽を見上げた。

ギュンターとディングレー。オーガスタスとローフィスが陣取り、くつろいで居た。

そして同じ浴槽に浸かる、子供達と一緒のアイリスとシェイル。そしてローランデをつい、見る。

脱衣場で、オーガスタス、ディングレー、ローフィスの三人がギュンターを取り囲み、ローランデの裸体を彼の目に、触れさせない不自然な様子に、呆れ果てていたので。

ローランデがその視線に気づいて、じろりとゼイブンを見返した。

「何か、言いたいのか?」

ゼイブンは俯いて、徹底してギュンターを避けてるな。とは言えず、吐息を吐いた。

「別に…」


だが、ファントレイユは夢中だった。

脱衣場ですっかり裸のゼイブンが、素晴らしく鍛え上げられた体を、皆の前で披露してくれたので。

騎士達も彼の体をチラリと見、ただの遊び好きの色男なんかじゃなく、随分鍛錬された体だと目を見開いて見ているのも、目にしたし。

何より、ローランデに攻撃の機会を与えず攻めまくったのは、唯一彼だけだった。

「ゼイブン…!僕も鍛えたら、そんなに逞しく成れる?」

ゼイブンは口を開いたが、レイファスが先に言った。

「だってゼイブンより、ファントレイユは骨格が小さいんじゃない?」

ゼイブンが言い直した。

「逞しくは成れるが…俺程背は伸びないかもな」

ファントレイユはゼイブンをじっ、と見た。

一番大きいのはオーガスタスで、でもその次くらいがギュンターとアイリス。

…ディングレーは少し彼らより低いけど、肩幅が立派で大きく見え、そのディングレーよりほんの少し低いのがゼイブン。

ローフィスはそれより少し低かったけど、ほぼゼイブンと同じくらい。

それでも二人は、ローランデよりは高い。

そしてどう見てもローランデが、標準の大人サイズだった。


ローフィスは彼らと居ると細身でしなやかに見えたし、ゼイブンも脱がないと、こんなに逞しい感じはしない。

ゼイブンが、ファントレイユの頭の中が解ったようにぼやく。

「ファントレイユ。

上の奴らと比べれば、殆どの男が体格的に見劣りするぞ?」

「…じゃあ、ゼイブンは標準?」

ゼイブンは問う。

「見て、ちゃんと締まってるだろう?」

ファントレイユは頷いた。そして言った。

「テテュスはアイリスくらい、大きく成る?」

ゼイブンは、頷いた。

「多分な」

「女の人も、助けたの?」

テテュスもレイファスも立て続けに質問するファントレイユを、呆れるように見た。

ゼイブンは吐息を、吐いた。

「俺が居なくてもギュンターが助けた」

「僕の事、本当はとても、愛してる?」

ゼイブンは口を開き掛け、下の湯を、じっと、見た。

そして返答を待つ、その人形みたいに綺麗な息子に顔を上げてつぶやく。

「ファントレイユ。例え父親でも野郎に、『愛してる』と言って欲しいのか?」

「欲しい」

ファントレイユの即答に、ゼイブンは上に向けて怒鳴った。

「ギュンター!あんた父親に『愛してる』だなんて、言われたか?

ディングレーはどうだ?」

だが直ぐ様ディングレーの声が、上から飛んだ。

「自分の家庭事情に他人を、巻き込むな!」

ギュンターが、怒鳴った。

「…愛してるだなんて俺が言ったら

『お前、変態か?』

と言われるぞ!

俺が言われたら

『あんた、もうろくしたな』

と言ってやる!」


ゼイブンは、頷いた。

「…ファントレイユ。あれが、普通だ」

ローランデが直ぐにつぶやく。

「ギュンターの家庭は、普通じゃないと思う」

だがゼイブンはローランデを見て肩を、すくめた。

「地方大公子息の、あんただって普通じゃないだろう?」

レイファスがつぶやく。

「…どこが普通???」

珍しく混乱するレイファスを尻目に、テテュスがゼイブンを、促すように言った。

「自分の気持ちは素直に言った方がいいと思う」

アイリスがテテュスに顔を傾けた。

「でもゼイブンが素直だと、とても気持ち悪いんだ。そういう男じゃないから」

ゼイブンがその言葉にふてきった。

「どうせ、そうだろうよ!」

「でも女相手だと必要以上に素直なのに」

レイファスがつぶやくと、シェイルが怒鳴った。

「酒場でタマに見かけるが、あれは絶対、愛想振りまいてるだけで、素直なんじゃない!

笑顔で

『俺は魅力的だろう?』

と聞き、相手がその愛想に喜んで

『そうね』

と言うから、気分がいいんだ!」


ゼイブンが、呆けてつぶやく。

「…俺の笑顔に

『魅力的だろう?』

と書いてあるのか?」

ゼイブンが聞くと、シェイルはきっぱり言った。

「はっきりとな!」


ローランデが、父親を凝視するファントレイユを気遣うように付け足す。

「…だけどその通り魅力的だから、誰も文句を、付けないだろう?」

「………そうなのか?」

と、ゼイブンはアイリスに顔を傾ける。

アイリスはローランデの視線を感じ、その通りだ。と、何とか頷いて見せた。

ファントレイユがその好評価に、にこにこしてゼイブンを見つめた。

シェイルがファントレイユの様子に目を丸くし、ぼそりと洩らす。

「好かれてるな」

レイファスがつぶやく。

「一緒に居る時間が短くて、まだあんまりボロが出ないから」

ゼイブンがレイファスを睨む。

テテュスが聞いた。

「レイファスはカレアスのボロを、見てるの?」

「領地じゃ、びしっ!と突っ込み巻くって格好のいい管理者なのに、アリシャの前だとボロボロで、いつも僕がフォローしてるもの」

ファントレイユがつぶやいた。

「…僕、してない」

ゼイブンが何か言おうとし、レイファスが先に言った。

「ボロが出る前にゼイブンは仕事で居無くなるんでしょ?」

ファントレイユがそっとつぶやく。

「多分、そうだ」

アイリスが、大きなため息を付いた。

「…私は出来るだけ時間を作っても、全部…アリルサーシャの為に使った…。

確かに彼女に関して精一杯出来るだけの事をしたという気持ちはあるけど…」

そして、テテュスを見た。

「君の事は置き去りだ」

テテュスはアイリスに訴えた。

「でも僕は時間が、ある」

アイリスはつぶやく。

「一歳の君…二歳の君…。

どれも同じじゃないし、それぞれ大切な時間を一緒じゃなかった」

レイファスが、その可愛らしい唇を開いた。

「大切なのはこれからだし、アイリスはちゃんと、テテュスと過ごす気持ちがあるじゃないか…。

問題はゼイブンだよ」

ローランデが大きな、吐息を吐いた。

「黙って、抱きしめてやるだけでも安心するのに」

シェイルも、その通りだ、と頷く。


ゼイブンは二人を、睨んだ。

「…お前らはそういう育ちをしてるんだな。

それとも、ファザ・コンか?」

ゼイブンに言われ、二人共顔を見合わせた。

「それは…そうかも。父親を心から尊敬してるし、敬愛もしてる」

ローランデが言うと、シェイルも同様だ。と、頷いた。

ゼイブンは吐息を吐いた。

「じゃあアイリスなんかはどうする?

奴の方が、父親の保護者みたいだなんだぞ?」

アイリスが俯いた。

「…でもそのせいで、アリシャとセフィリアは完全に男の見解を、間違えてる」

ゼイブンは、頷いた。

「兄貴が、あんただしな」

アイリスが顔を上げてゼイブンを思い切り睨んだ。




 浴場を出ると、テテュスはディングレーに抱きついた。

「同じ、香りだ!」

ディングレーは笑ってテテュスを抱き上げ、その頬に顔を寄せて香りを嗅ぎ、言った。

「うん…同じだな!」

いつもは滅多ににこりともしない強面のディングレーが心から笑う様子を、ギュンターもゼイブンも目を丸くして見た。

「…あいつ、実は子供好きなのか?」


ローフィスは馬の側で手綱を引き、二人に振り向き、素っ気なくつぶやく。

「そうらしい」

ディングレーはテテュスを腕に抱いたまま、振り返った。

「だってテテュスは、可愛いだろう?

アイリスの息子に思えない」

皆が一斉にアイリスを見、途端彼は顔を、下げきった。




 果樹園から庭に戻ると、ごった返しが収まりつつあった。

数人の騎士が行き来し、召使い達に飲み物を振る舞われ、屋敷では大勢の召使いが忙しく、血の付いた外階段やテラスを拭いている。


だがアイリスや騎士達を見つけると、皆が微笑んで会釈した。

まるで嵐から護ってくれた守護神に、心からの感謝を捧げるみたいに。


庭で報告を受けていたライオネスが、アイリスを見つけ顔を上げる。

「…報告を受けた酒場にも出向き、縄打たれた賊を逮捕し、総勢が62名にものぼる」


オーガスタスが、ため息混じりにつぶやく。

「思ったより、少ないな」

ライオネスが、オーガスタスを呆れたように見た。

「剣士じゃなく、盗賊なのに?

剣士より厄介でしょう?」

ディングレーがぼそりとつぶやく。

「それは確かにそうだ」


「奴ら、金品を奪う為にあまり真剣に立ち向かって来ないで、時間稼ぎばかりしませんか?

あなた方のような強い相手には余計にそうでしょう?」

ギュンターは下向き、吐息を吐く。

「…マトモにかかって来たのは、俺が賞金首だと知って追いかけて来た時の、奴らだけだ」

ライオネスが、頷いた。

「最近この辺りを狙う一味の間で、近衛、もしくは中央護衛連隊の騎士に賞金がかかってる。

隊長を仕留めれば大金が貰えるそうだ。

一度連中に、情報を流さねばと思っていた矢先だ」

ギュンターが、聞いた。

「情報?」

ライオネスは頷く。

「軍は長が死んでも、幾らでも後釜が居る程層が厚く、幾ら殺しても無駄だと」


ギュンターは近衛の名物色男、年上の部下、ディンダーデンと同じ濃紺の瞳をした、がその弟よりも年長でうんと落ち着きのある、若々しく凛々しいライオネスを見た。

「…だがあんたが狙われて死んだら、美人の奥さんが泣き崩れるぞ…」

ライオネスは癖の無い艶やかな濃い栗毛の長髪を揺らし、ギュンターを、そっと見た。

「ソフィスに、会ったっけ?」

ギュンターは、頷く。

「一度だけ」

ライオネスは笑った。

「君の記憶に残る位の美人だから、彼女の後を引き受ける男も多数居るだろうな」

ギュンターは俯くと、ぼそりと言った。

「だが彼女はあんたにぞっこんだ。

いつ死んでもいいように言うのは、彼女に残酷だろう?」

ライオネスはついそっと、ギュンターに顔を傾けた。

「別に彼女に、惚れてないだろう?」

ギュンターはその男を見て言った。

「惚れて無い俺ですら、気の毒と思う程だ」

ライオネスは言葉を慎み、ギュンターの気遣いに微笑んだ。

「覚えておこう」

「そうしてくれ」


ライオネスはその場を、去ろうとして、立ち止まった。

「…弟…ディンダーデンは君に面倒を、かけているか?」

皆がつい、その会話に振り向いて聞き入る。

ギュンターは静かにつぶやいた。

「俺の部下と言っても…面倒見られてるのは、俺の方だ。

彼が居なければ俺は負傷した部下を担いで、仲間の元迄戻れなかった事が、多々ある」

ライオネスは、笑った。

「“金髪の守護者"の異名を取る君の、それは大層な評価だな?」

ギュンターは素っ気なく言った。

「だが、事実だ。

本来は彼が隊長を任ずる筈だが、他人の面倒を見るのが大嫌いで自分に向かないと俺に譲った。

俺が死んだら今度こそ自分が隊長を引き受けるしか無いから、仕方なく俺を、護ってる」


ライオネスは、くすくす笑った。

「…無茶をするなと、伝えてくれ。

それと女遊びは控えるようにと。

次々に隠し子が発覚しても、俺は面倒見ないとも」

ギュンターは肩をすくめた。

「伝えておこう」


ローランデ始め、皆がギュンターを見つめて彼を迎えた。

ギュンターが、ローランデの横を通り過ぎ様、そっと告げた。

「覚えてるだろう?俺の同じ隊の、ディンダーデンの兄貴だ」

ローランデは、頷いた。

シェイルがそれを聞き、びっくりしてライオネスを見つめ直した。

「随分、奴と印象が違うな」

オーガスタスが、頷く。

「兄貴は立派で、弟はギュンターとつるんで、酒場で女を口説く楽しみを男達からかっさらう遊び人だ」

ゼイブンが唸った。

「ディンダーデン?

都の酒場で女達から、よく聞く名だ」

オーガスタスが肩をすくめ、ゼイブンはその素晴らしく背の高いオーガスタスを見上げ、訊ねる。

「長身で体格のいい、アイリスみたいな焦げ茶の髪の、いけすかない流し目の色男だろう?」

ギュンターがゼイブンを見た。

「お前にいけすかない色男と呼ばれてもな」

ディングレーが、二人を見て言い捨てた。

「女を取っ替え引っ替え遊ぶ所はギュンターも含め、どんぐりの背比べだ」

思わず、ゼイブンとギュンターはお互いを見て、怒鳴り合った。

「こいつと、一緒にするな!」

二人の声が揃って、全員の笑い声が、上がった。




 朝日差す朝食の席で、ライオネスはアイリスに、やはり丁重な態度を取った。

「最近この辺りにアジトを構えた一味で…一通り見回って、そのアジトも突き止め出向いたが、数人が奪った金品の見張りの為に、残っていただけだった」

皆は腹ぺこだったので黙々と食事を口に運んでいたが、アイリスは彼にささやいた。

「…屋敷の東側の石塀にどうやら、大きな裂け目があったようで…」

ライオネスは笑った。

「召使いが下僕に草刈りを命じた際、どうやら裂け目を隠していた茂みも刈ってしまったようで…。

それが昨日の昼だそうだ。

その夜襲われるとは、運が悪かったようですね」

皆が顔を、一斉に上げた。


アイリスが見ると、給仕をしていた侍従の一人が、その責任者を呼ぶかどうか、緊張の面持ちで主人の顔色を、伺った。

アイリスは顔を下げると、つぶやく。

「運が、良かったんでしょう…。

この辺りを荒らし回る筈の賊を、一晩で駆除出来たんですから」

執事が、アイリスにそっと近づき、屈む。

「…でも、妹様のご子息を危険に晒したのですから…。

問題の男達をいつでも別室に、お呼び致します」

だがアイリスはその、柔らかな栗色の鼻髭を蓄えて品のいい執事に笑い掛けた。

「ジャンス。罰則を危惧してるのなら必要無いと、その男達に伝えなさい。

大体盗賊達を連れて来たのは近衛の騎士なんだし。

草を刈った男を罰したら、彼の責任迄問う事に成る」

皆の視線が集中し、ギュンターが俯いて、大きな吐息を吐いた。

「しかし、近衛の騎士はちゃんと襲撃した賊を払っていらっしゃるではありませんか」

「それは別の話だ。

戦うのは騎士の務めで君達は危険を避けるのが役目。

その役目を危機の時皆が果たしたのだから、それはそれでいい」

「しかし…裂け目をそのまま放置した責任は私に、あります」

アイリスはますます、笑った。

「別室に男達を呼ぶと言っておいて、いざと成れば君はそれを言い出して責任を全部、自分が負う気だったな?

では責任を取り、裂け目を閉じて置いておくれ」

執事は、頭を下げた。


だがまだそのままのジェンスに、アイリスは言った。

「…罰はそれだけだ」

「でもそれでは、示しが付きません」

アイリスはジェンスを見た。

そして彼に顔を寄せ、こっそりささやく。

「召使いを統率するのに、不便かい?

じゃ、私にたくさん、見えない場所をぶたれたと、びっこを引くなり演技したまえ」

皆がそう言う呆れたアイリスに目を丸くし、声を落として笑った。

ジェンスは、笑顔で促す甘い主人に一つ、ため息を付くと、頷いた。

「努力いたしましょう」

アイリスが、そうしてくれ。と頷き返す。


見るとライオネスはすっかり笑いに、入っていた。

「いきさつは良く、知らないが…」

アイリスがすかさず訊ねた。

「賊達は、何と言っています?

近衛の騎士を仕留めて、屋敷で宝も手にするつもりだったと?」

ライオネスが真顔に成る。

「賊達が言うには、近衛や中央護衛連隊の騎士を仕留めたり、名のある屋敷を襲撃して成功すると、盗賊集団の名が上がって、同じ宝物を持っていっても商人達は名のある盗賊に、余分に金を払うそうです」

オーガスタスは俯く。

「…そういう商人は盗賊よりタチが悪い。

盗賊をアースルーリンドに焚き付けているのは、大抵が悪徳商人だ」

ライオネスも、頷いた。

「綺麗な子供。

それに、装飾品や織物。

他国と交流が無いのでアースルーリンドで奪った物品は他国では、それは高価な値で取引されるから、商人も盗賊も、この地の物を奪うのに目の色変える」

ディングレーが、唸った。

「アースルーリンドの品を取引する大きな結社が、他国にあると聞いたが…国外じゃ我々は、どうしようも無いしな」

アイリスが、子供達がじっと聞き入る様子を目に止め、眉を顰めた。

「…もう、よそう。子供達が不安に成る」


三人はいきなり視線が自分達に集まり、ぎょっとして、慌ててスプーンを取って口に運んだ。

レイファスが、言った。

「でも、そういう奴らから人を護るから、騎士はみんなに尊敬されてるんでしょう?」

ライオネスが微笑んだ。

「まあ…そうだ」

アイリスが、言葉を足してライオネスに微笑んだ。

「彼らは皆、騎士に憧れてるので」

ライオネスは三人の子供を見つめ、そっと言った。

「大した剣の教師がたくさん居るから、羨ましい限りだ」

だがローフィスがぼやいた。

「人間的に手本に成るかどうかは、別にして」

途端、ゼイブンとギュンターがほぼ同時に、顔を上げる。

「…それは、俺の事か?」

ギュンターが言うと、ゼイブンも口を開いた。

「これはこれで、いい手本だろう?」

ローフィスは肩をすくめると

「誰とは言わなくても、身に覚えのある奴は自ら、名乗り出る」


その言葉に二人が思い切り顔を下げ、知らんぷりをしたがもう遅く、皆にくすくす笑われた。




だが朝食後、まだ庭で後片づけを続ける召使い達を見、ローランデは子供達に少し眠っていいと告げた。

テテュスが、異論を唱える。

「眠く、ありません」

ローランデは優しく笑った。

「庭はまだ使えないし、君達は夕べまともに眠って無いだろう?」

アイリスもささやいた。

「皆、夕べの戦闘で疲れている」


皆はこれくらいの事はしょっ中で平気だったが、アイリスに視線を送られ、わざとらしく欠伸をしたりして、眠そうなフリをした。

「夕べ一晩戦ったから、彼らも休ませないと」

が、アイリスの言葉にファントレイユが、ムキに成って言った。

「…でも、ローランデは平気でしょう?」

ローランデは微笑むと、彼にそっと屈んだ。

「睡眠不足の君達と剣を交えて、間違って傷つけたりしたら、君に無関心なフリをしているゼイブンに絶対、睨まれるからね?」

ゼイブンはそれを聞いて俯き、大きなため息を、吐いた。


ファントレイユは夕べ、盗賊に捕まえられると思った瞬間、自分の前に滑り込んで来てくれた、ゼイブンの背を思い出すと、顔を揺らした。

そして顔を上げると、ローランデに訊ねる。

「ゼイブンは、立派な騎士ですね?」

ファントレイユが言うと、ゼイブンは慌てて顔を向けた。

「騎士はあれが出来て、当たり前だ!」

だがローランデは、微笑んで頷いた。

「とても、立派な騎士だ」

ゼイブンはローランデを、睨んだ。

「レイファスは大好きだそうだが、俺は貴様が大嫌いだぞ!」


オーガスタスが笑った。

「照れるからな!」

ローフィスも振り向く。

「恥ずかしいしな!」

ディングレーは、気の毒げに俯いた。

「誉められると実は、身の置き場が無いんだろう?」

ゼイブンはすかさず言った。

「お前らも、嫌いだ!」

ギュンターが、睨んだ。

「好きだなんて言われちゃ、大迷惑だ」


レイファスはつい、その様子を見てつぶやく。

「ゼイブンとギュンターって、本当は仲が、良いんだね」

皆は一斉にその言葉に振り向き、テテュスは目を丸くした。

「だってしょっ中、喧嘩してる」

「でも、夕べ一緒に酒場に行ったし、本当に仲が悪いと喧嘩もしないで口を、きかなくなる」

シェイルが途端、全開で笑う。

「確かに、そうだ」

「レイファス。その見解だけは、今後の俺とお前の為にも、引っ込めといた方がいいぞ」

ギュンターが静かに言って、レイファスは肩をすくめた。

「どっちも遊び人だから、こだわりがある?」

ギュンターが唸った。

「俺はこいつの、ヘンな所だけ要領がいいのに我慢出来ない!」

ゼイブンは肩をすくめる。

「俺はお前がいつ牙を剥くか解らない猛獣だから、扱いに気を使って疲れる」

「嘘付け!」

また、始まった。と皆が言い争う二人を放ってその場を一斉に離れ、アイリスとローランデとシェイルが、面白そうに見つめる子供達を、寝かせ付ける為に引っ張って行った。



彼らが去った後、ローランデの消えた背を、じっと追うように見つめるギュンターに、ゼイブンは大きな吐息を吐くと言った。

「…らしく、ないな?」

ギュンターが唸った。

「言ってろ」

ゼイブンは肩を、すくめた。

「俺なら、指を銜えて眺めて無い」

ギュンターが、きつい紫の瞳で振り向いた。

「お前ならだろう!」

ゼイブンは銀に近い栗毛を揺らして俯き、思い切り吐息を吐き出し、言う。

「こっそり上手くやる方法を、知らないのか?」

ギュンターが腕を組んで余所を、向いた。

「方法が、あるか?

どこにローランデを連れ込むか、アイリスにバレバレだろう?奴の屋敷なんだから!」

ゼイブンは顔を上げた。

「…なんだ。不案内なのか?

領地の外の、酒場の反対側の道をずっと行くと細い折れ道が、右に見える」

ギュンターはここに来た時、その道を見た事を思い出した。

「直ぐ行けば、屋敷に出る手前の道か?」

ゼイブンは頷くと先を続けた。

「小さな東屋がある。

だがアイリスの持ち屋だから、小さいといってもロマンチックで豪勢な建物だ。

正面の裏側の窓の鍵が壊れてるから、侵入は簡単だ」


ギュンターは頷くと、つぶやく。

「流石に、そういう場所を押さえるのは慣れてるな?」

ゼイブンも、頷いた。

「セフィリアと一緒に昔は良くここに引っぱり出され数日宿泊して、息抜きが必要だった」

ギュンターはまた、頷く。が俯いた。

「で?…だが俺はローランデの、側にも寄れない」

「俺なら、呼び出せる。

それにどうせ皆は子供と一緒に昼寝か、酒を飲んでくつろぐ気だろう?」

ギュンターが、顔を、上げた。

「どういう了見だ?同情か?」

「…まあ、方向性は全く理解出来ないが、禁欲の辛さだけは、解る」

ギュンターはゼイブンを見、ゼイブンも、ギュンターを見返した。




ローランデはシェイルとアイリスと共に、子供達と一緒の客用寝室の寝台で転がり、くつろいで居た。

他の連中は思惑通り、続きの間でくつろぎきって、酒を飲み始めてる。


ゼイブンは部屋の戸口でこっそり、ローランデを呼んだ。

ゼイブンの手招きに気づき、ローランデは戸口から顔を出すゼイブンの元へ行くと、ゼイブンはローランデを廊下に導いた。

「…話か?」

廊下に出たローランデにそう聞かれ、ゼイブンは部屋の扉を閉めて彼の正面に立つと、頷く。

「ファントレイユの事だ」

ローランデは微笑んだ。

「やっと真面目に取り組む気に成ったのか?

確かに仕事柄そうそう出来るとは思わないが、それでも一緒に居る時、少しでも様子を見れば…」

が、足音を殺す男、ギュンターが背後からふいに忍び寄る。

ローランデは油断仕切っていたが、咄嗟に振り向いたものの鳩尾を殴られ、気絶してギュンターの腕にぐったりと、身を、投げた。

ゼイブンはそれを見て目を、見開いた。

「…皆がお前を、遠ざける筈だ。

惚れた相手によくそんな、手荒なマネが出来るな?」

ギュンターは肩を、すくめる。

「女じゃないし、気絶するツボを、軽くはたいただけだ」


「……………………軽く?」

とてもそう、見えなくて、何か、言おうとしたが、ギュンターは気絶したローランデを肩に担ぐと

「後は、任せる」

と言って、さっさと背を向けた。


ゼイブンは事の次第が皆にバレると、自分が言い出したと申告しなけれゃならなくて、だがどうせ、ギュンターは自分と違ってこっそり上手くやるタイプじゃないし絶対バレると感じ、青冷めて固まった。

無言で、部屋に入るとアイリスに聞かれる。

「ローランデは?」

「…ああ…。ちょっと用が、あるそうだ」

シェイルは欠伸をし、レイファスと一緒に成って眠りこけた。

アイリスは幸せそうにテテュスの添い寝をし、ファントレイユはゼイブンが横に転がると、嬉しそうに横に、寝そべった。

「…抱きついたら、気持ち悪い?」

ファントレイユにつぶらな瞳で聞かれ、ゼイブンはつぶやく。

「白状しろ。本当は、怖かったんだろう?夕べ」

だがファントレイユはゼイブンを見て、返答した。

「ゼイブンが僕の事、うんと大事って認めたら、白状する」

ゼイブンは、思わずつぶやいた。

「…白状、しなくていい」





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