僕のすべてが解放された世界!「メルアカ王国」編5話
第一層 挑戦開始から1時間経過
現在僕は家の中で身を隠している。
入門後、僕は住宅街の道中に立っていた。
おそらくだが、魔法により自分は飛ばされたのだろうと、推測した。
人を消したのだ。転移魔法のようなものが存在していてもおかしくないだろう。
と、考えたからだ。
「それにしても妙にリアルだな。本当に町が作られている。」
なぜ処刑するためだけにこれほどの設備を作ったのか理解できなかった。
が、もちろん人の生活の後は感じられない。処刑場なのだから。
処刑場。頭の中でこの言葉が出てきて思い出した。
今自分はデスゲームに参加している事に。
「やばい。やばいやばいやばい」
今の自分は戦う為に必要な武器すらもっていない。
もし誰かに見つかってしまえば自分は丸腰のままで戦わなくてはいけない。
もしそうなったらあの人のように殺され・・と、言いかけ頭の中で思考を停止した。
怖い・恐ろしいとの感情を抱いたせいだろう。
幸いな事にここは住宅街身を隠すにはとても環境が良いエリアと言えるだろう。
何をすれば良いのか。このままここに居続けるのか。
後ろ向きの考えしか浮かばない僕だったが、この考えは一瞬で変わった。
家に入ってから数分後、自分のズボンにポーチの様な物が着いていることに気づいたからだ。
自分で着けた覚えはなかった為、誰かが着けたのだろうと推測した。
装備も何もなかったのだ何かアイテムでも入っているのではないか。
そう思い袋を開けると
[地図・0から3まで表記されている時計のようなもの・リング]が、入っていた。
あった。一番最初に食いついたアイテムはリングだった。
「これで・・これで戦える。」
希望が出た瞬間であった。
それと同時にへブリルの言葉を思い出した。
「時間は3時間。それまでにクリアしないと僕は死ぬ」
「しまった。急がないと。」
次に見たのは時計のようなものだ。針は1の数字を指していた。つまり1時間が経過したと表しているの
だろうか。
ならなおさら急がなくては。
そして次に見たのが地図だった。
地図には僕は今現在直径100kmの場所におり目指す場所へたどり着くには40km移動しなければならない。
と、記されていた。
「40km・・・クリア絶望じゃないか。」
いったいどうすれば良いのだろうか。
とにかく自分が死なない事を第1に考えて行動しよう。と、考えた結果今に至る。
つまり動こうにも動けないのであった。
なぜ動かないのか。この結論を出したのにはもちろん理由があった。
理由は外で戦闘が行われているからだ。
なぜ戦闘が行われているのか。それはタイムアップボーナスを狙っての事だろう。
タイムアップボーナスとは何か。それは冊子に書かれていた
その壱
中にいるブラッシュを殺した場合殺したブラッシュの持つ残り時間を自分に付与することが出来る。
その弐
感情が暴走した場合天の光により処分される。
その参
自分の残り時間が0となった場合天の光により処分される。
と、記されている。
つまり、外では自分の余命時間を延ばすために人の命を奪い合っているのだろう。
戦闘は実に10分は経過している。
幸いに家には小さな窓があったので状況は把握出来た。
戦っているのは20前後と思える男性2人組と30代前後の女。
それに対して戦っているのは10代前後の少女だった。
自分としては正義のヒーローとして幼い少女を助けたいのだが今の自分は無力
助けに出ても瞬殺されるだろう。
脳内で行われた13のシュミレーションに対し生き残る確率は0だった。
だから僕では助けられないのだ。
「ごめん。助けられないよ僕じゃ。」
涙がこぼれた。自分の無力さを感じたからだろうか。
そのときからの記憶がなく目を覚ますと
少女の膝元に僕はいた。




