僕のすべてが解放された世界!「メルアカ王国」編4話
「私の名はへブリル監察官だ。目的地に着くまで時間がかかるお前はこれから何が起こるかわかるか。」
質問してきたのは男が言っていた殺す対象の監察官だった。
「わかりません。自分がなぜここに連れてこられたのかも。」
本当に何も知らない僕はありのまま答えた。
「そうか。なら説明をする。「ここがお前の職場だ。時間は30時間やろうそれまでにこのサバイバルを
クリアしろ。
30時間以内に成果がでなければ貴様の人としての人生は終わる決まりになっているじゃあ行ってこい。」
と、告げられると目の前にあった門がゆっくりと雄々しく開いた
なんなのだ、いったいなにが始まるというのか。
心の中で自分に問いかけていると門がゆっくりと開き始めた
門が開き目ににしたのは人が人を殺している光景だった。
そしてまさに今、目の前で男が男に剣で体を貫かれている所だった。
「死にたくねぇ。」
そう言い残し彼の体は光に包まれた。
すると体が彼の様子が急変した。
体を貫かれたはずの彼がいっこうに死ぬ気配が感じられないのだ。
が、しばらくすると、彼の足下に魔方陣のような何かが出現し、光を放つ魔方陣に彼は吸い込まれる様に
消失した。
「何が起きたんだ」
僕は監察官を見て訪ねた。
すると、へブリルは真剣な眼差しでこちらを見つめ僕の問いに答え始めた。
「あなたは運がいいですね。今まさに彼はデビルガン様に魂を捧げられたのでしょう。」
魂を捧げただと・・・いや、違うはずだ彼は誰がどう見てもあの男の刺されていたではないか。
そう反論しようとしたがへブリルの言葉により遮られた
「彼らの中には銃を使う者も居れば、剣を使う者、ムチを使う者、魔法を使う者などがいる。武器は君の
指輪から造形される。造形される武器は人により異なり、稀にだが造形できずに丸裸で戦わなくてはならない者達も居るがな。まさに今殺されたやつは造形出来なかったのだろう。」
人が目の前で死んだというのに、殺されたというのに・・へブリルの表情は変わらず、すがすがしい表情で
語っていた。
僕はこれからこの中にはいるんだよな・・・
自分の心の中でなんとしても生き残ってみせると、固く決意したとき、あることに気付いた。
指輪がないことに。
が、へブリルに訪ねようとした時、
「時間です。ではご武運を。」
と、言い残し僕の体を門の内側へ押し出した。
とっさに僕は急いで
「へブリル1つ質問させてくれ。僕の指輪はどこにあるんだ。」
と、質問したが返事は帰ってこなかった。
第一層[hirugama]
第一層区hirugama現在僕がいるのは全5層あるhrgmウォールの入り口である。
ここは直径100kmの大きな壁に閉ざされている場所であり、 脱獄不可能な処刑場と言われている。
この中に入れられる者は誰もが犯罪行為を犯した者であり、死刑が確定した囚人たちであるのだが、
現メルアカ王国3代目国王ルグニル・カイヴァルによる殺処分禁止法公使により、
死刑を行えない囚人達を代わりの罪状にするために作られた場所である。
ここに入れられた者はリングの形をした通称[スティグマ] より、解放される感情を使い戦う。
スティグマとは自身の脳内で活動している感情の基である扁桃体を刺激し、扁桃体から出てくる感情を
物体化することが出来る道具である。
本来感情をコントロールする事は不可能である。
人は感情を作るときある行動、場面が存在する。
この出来事により人は感情を扁桃体より生産するのだ。
が、これらの工程を飛ばして自分の意識でこれらの感情を発生。また、感情を抑える事は出来ない
のだが、スティグマはこれらの条件を破棄する力がある。
もちろんリスクが存在しており、スティグマのリスクはたった1つ。
人格破壊である。
扁桃体を使用し、物体化し続ける為には、ある感情を持続し続けなければならない。
例えるとすれば人は完全な空腹時、何かを食べなくては死んでしまうという極限状態のとき、扁桃体では、
何かを口にしたい。食べたい。との感情が発生する。
が、極限状態の場合感情はたった一つの感情に支配される。
「食す」「食べる」
などの部類の感情である。
寝たい・動きたいなどの感情は発生しない。
なぜならばその行為を行わなければ自分の生命が危険になってしまうからだ。
このようにスティグマは強制的に扁桃体を極限状態にする為、もしスティグマ使用中他の感情に支配された
場合感情が2つ存在することになり生命機関のバランスが崩壊。結果人格崩壊となる。
人格崩壊となれば、人として更正するのはとても困難となるだろう。
これが殺処分禁止法に変わる囚人達の新たな罪状[人権剥奪・喪失法]である。
が、現在この国は戦時中。少しでも兵力を確保したい国は追加で罪状にこのhrgmウォールをクリアした
者は罪を免除し、軍人として新たな人生を送ることの出来る法
「人権復権0軍隊所属認可法」が行使された。




