献血は俺の趣味だけど、文句ある?
俺は可笑しいらしい人間らしい………………
いや、自分でもそうかな?と思える部分もある。
俺は注射で血を抜かれるのが好きなのだ。
もちろん、最初から好きだった訳ではない。献血をし始めた理由はテレビで濁った血を抜くと健康に良いとか云う話を聞いたからだった。
それで、献血出来る16歳、45キロになると献血に行くようになった。
俺としては健康に近づいた気持ちになり、しかも感謝される行為なので、2ヶ月毎欠かさず献血していた。
すると、慣れて来たのか血が抜かれ軽くフラっと来る感覚が気持ち良く思えてきて、さらにはまって行き、今ではもっと抜いて貰いたいと思う様になっていた。
その献血が良かったのか、俺は今まで風邪さえ引いた事がなく過ごしていた。今日は献血に行こうと大雪の中、ウキウキと献血に向かっていたのだが、いつもの献血施設に着いたら雪のため本日は中止されていた❗
俺は愕然として大変落ち込んでいた。そこへ、雪でスリップしたでかいトラックが横向きになって突っ込んで来ていた。
俺は反応が遅れ足場が悪かった事もあり、如何にニメートル近い頑強な俺でも即死だった。
こうして、30過ぎまで生きた俺は短い生涯を閉じたのだった。