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青年が[滅んだ世界]から去って
幾度か、日が過ぎ去った
それは、青年が[滅んだ世界]から
去る以前からあった流れ
青年はただ、過疎化という流れに
身を任せたに過ぎない
やがて、[滅んだ世界]を
運営していた管理者たちは
枯れ果ててしまった
かつての益であった
[滅んだ世界]に
無慈悲なる終わりを
告げるために
終焉をもたらす黒き嵐を
[滅んだ世界]に招いた
たった一人
青年が[滅んだ世界]に帰って来ることを
ただひたすらに
信じている少女のことを
知ってか知らずか
塵に等しい
些細なことだと
思っていたのか
今となっては分からない
されど、青年は戻ってきた
荒れ狂う終焉の黒き嵐の中
[滅んだ世界]で待ち続ける
恋人である少女のもとに
帰って来るために
青年は[滅んだ世界]を
駆け巡った
誰一人いない世界を
道標が喪われた世界を
駆け巡った
人去になってしまった
空虚になってしまった
[滅んだ世界]を哀れみながら
少女のもとへと
一心不乱に
走り出した
少女と初めて出会った
計りの山へと――




