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大人の常識、大人の純情  作者: 篠宮 英
しーくれっとⅠ:婚約編
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Secret.1

 好きなモノ、甘い甘い食べ物に、可愛い服。

 嫌いなモノ・苦手なモノ、お酒に合コン。

 趣味はお菓子作りに恋愛小説を読むこと。

 将来の夢は、大好きな人の奥さんになる事。


 なんて、言えるワケない。


 天王寺てんのうじ めぐみ、27歳。


 私は株式会社【Mikagura】本社、秘書課秘書室に勤務している秘書歴4年目の若手秘書。

 同僚や後輩、先輩達には恵まれていて、仕事に対する不満は無いけど、生まれ持った自分の顔や雰囲気が、とてつもないくらい、コンプレックスを刺激してくれている。


 父親譲りの整った顔のパーツは、一つ一つを見れば微笑ましいけれど、揃ってしまうと攻撃的に見えてしまうという欠点持ち。


 緑色の瞳は何代か前の父方の祖母の隔世遺伝、その緑の瞳たる目は、気位の高い猫の様な釣り目型で、言葉を紡ぐ唇はグロスを塗らなくても紅く、髪質も最上級の絹の様な手触り。


 そんなタダでさえ厄介な顔を持っているというのに、その顔を支える身体も私にとってはコンプレックスの塊。


 有り難くない程メリハリのある体系に、ダイエットもしていないのに、細く、白く長い手足。


 こんな私の属性は【肉食系女子・嫌味で鼻持ちならない女】で、会社で虐めがあれば、真っ先に犯人として疑われてしまう容貌を持っている。それでも最終的に会社をクビにならないのは、ひとえに私がこの会社の取引先の重役の娘だから。


 重役と言っても、父は婿入りで、一から頑張って伸し上がった人。

 それを知って、理解している人は極端に少ない。

 知っている人は母と母の家族位。

 あとは父を野心的な人間だと非難している。


 私は父ほど立派なヒトは知らない。

 父より頼もしい人も知らない。


 とにかく、私が言いたいのは、私が今こうして今でも働けていると言う事は、全てにおいて父のお陰であると言う事。

 

 だから将来は父の様な人と結婚したいと言うのが、私の小さい頃からの夢だった。




 私がある日、偶然にもあの人の秘密を知り、出会う前までは。

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